生活相談員は業務内容が明確に決まっていないので、他事業所の生活相談員がどのように働いているか意外と知らないものです。
わたしも今の事業所以外の介護施設で働いたことがないので、他の施設の生活相談員がどのように働いているのかを知りません。
なので、他の施設の生活相談員がどんな仕事をしてるのかちょっと気になります。
他の施設の中身ってなかなか見えないですからね。
ですので、ここではわたしの働くデイサービスでの生活相談員の業務内容についてお伝えしたいと思います。
「他の施設の生活相談員ってどんな仕事してるんだろう?」
って興味のある方はぜひお読みください。
takuma(@takuma3104 )
生活相談員(社会福祉士・介護支援専門員)。
デイサービスとショートステイの「生活相談員」という仕事を10年以上続けています。
このサイト「生活相談員ラボ」では、「現役の強みを生かした、現場感覚のある情報発信」をコンセプトに、生活相談員をはじめたばかりの人やこれから生活相談員になる人の役に立つ記事を書いています。
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ルーティン業務
朝礼
地方在住のため、毎朝車で約30分かけて出勤しています。
シフト制で、土日祝日関係なく働いています。
制服は介護職員と同じで、ポロシャツにジャージです。
(施設長以外はケアマネもポロシャツにジャージで働いています。)
出勤して事務所内の掃除や仕事の準備をひと通り済ませ、その後職員全員で朝礼を行っています。
○○さんお休みの連絡が入っています
△△さん先週退院され、今日から利用再開となります。お体の状況は~
本日、新規利用の□□さんがいらっしゃいます
こんな感じで申し送りをしています。
送迎
朝礼が終わるとすぐ、デイサービスご利用者の送迎に出ます。
送迎は生活相談員の他、介護職員、事務職員で手分けして行っています。
ご利用者の家を送迎車で回って、施設までお連れします。
朝と夕方、所要時間はそれぞれ1時間程度です。
翌日の送迎リストの作成
ご利用者がデイサービスに来る日は、だいたい曜日ごとに決まっています。
ですが、曜日ごとに毎回同じ方が来るわけではなく、通院等でお休みされる方もいれば振替でご利用される方もいます。
ですので、送迎ルートもその日その日で変わります。
生活相談員は送迎のルートを考えて、毎日作成しています。
送迎表を作成するには「誰がお休みで、誰が利用で」ということをもれなく把握していかなければなりません。
「送迎リストから漏れてお迎えに行けなかった」なんてシャレにならないですからね。
…たまにあるけどね
サービス利用実績の入力、管理
専用のソフトにサービス利用者の実績を毎日入力し、管理をしています。
ちなみに私の施設は『ワイズマン』を使用しています。
介護サービスは月ごとに実績を保険者へ提出し、介護報酬をもらうという形になっています。
ですので、実績をきちんと管理していないと施設の収入に関わってきます。
とても重要な業務です。
間違うと「返戻(へんれい)」がきちゃうからね
夕方の申し送り
帰りの送迎から戻ってくると、夕方の申し送りをします。
デイサービス営業中に起きた特記事項などを申し送り、スタッフ間で共有します。
生活相談員はその日行った担当者会議の内容や、ケアマネから連絡を受けた事項、利用者や家族からいただいた要望などを、このときに伝達しています。
1日のルーティン業務としてはこのような感じです。
ルーティンではない業務
次はルーティンではない業務内容についてです。
新規の利用者の面談、契約
ケアマネジャーから新規の利用者の依頼があると、ご利用者宅を訪れて本人、家族と面談をしています。
ご利用者や家族との面談が終わったら、「面接調査票」というものを作成しています。
「面接調査票」を通して、介護職員に新規ご利用者の情報を伝えています。
ですので「面接調査票」はわかりやすく簡潔に、そして要点を押さえていなければなりません。
契約の際には、重要事項を説明したり1日の流れや持ち物を説明しています。
契約に要する時間は、正味1時間程度でしょうか。
書いてもらわなければならない書類がとても多いので、ご利用者自身が書く場合は結構大変です。
介護サービス利用前の契約時
「そんなに必要なの?」ってくらい
ムダな書類がホント多い
住所、名前、代筆者…書くことも多い
若い人がいないと高齢者本人や高齢の配偶者が書く場合もある
「まだあるの?」って言われながら
休み休み1時間かけて書いてもらったこともあります拷問じゃないんだから…
— takuma@生活相談員 (@takuma3104) 2019年10月19日
通所介護計画書の作成
サービスの利用開始に当たって、デイサービスで提供するサービス内容を記した「通所介護計画書」というものを作成します。
「通所介護計画書」はご利用者へのサービス内容が変更となる場合や、ケアプランが変更となる場合にはその都度作成して、本人や家族の同意を得て、その内容に沿ってサービス提供しています。
個人的に、個別援助計画書は生活相談員が一番力を入れなければいけない業務なんじゃないかなぁと思っています。
通所介護計画書
本当は生活相談員が一番力を注がなければならない業務
でも現実は一番優先順位が低くなる業務だったり
— takuma@生活相談員 (@takuma3104) 2019年12月5日
サービス担当者会議への出席
介護保険の更新時や、ケアマネの作成するケアプランの更新時に行われる担当者会議へ出席します。
ご利用者のデイサービスでの様子をお伝えし、情報の共有と支援方法の確認を行います。
利用者の急変時の対応
「ご利用者が急に熱が出た」とか「転んでケガをしてしまった」とかいった場合に、相談員はご家族へ連絡を取り、病院の受診をおすすめします。
また、「急に意識がなくなってしまって家族もすぐに駆けつけられない」といったときには救急車で一緒に病院受診する場合もあります。
しかし、幸いにも私の職場は病院が隣にあるので、急変時にはすぐに病院で見てもらえてます。
助かるね
利用者も職員も
ケアマネジャーへの営業
ケアマネジャーから新規デイサービス利用者を獲得することが、生活相談員には求められています。
そのために、ケアマネジャーへの営業を行っています。
お金を稼がなければ介護施設でも潰れてしまいますからね。
じゃあ具体的に何をしているかというと、うちの施設の場合は「毎月の実績報告の際の事業所訪問」、「チラシの作成」、「利用者の利用中の様子をマメに連絡する」、「早いレスポンス」、そして「笑顔で元気な応対」などです。
地道なことしかできません。
地道なことの積み重ねが営業だと思いますので、日頃からよい行いをするように心がけています。
営業会議への出席
月に1回、経営陣との営業会議を行います。
毎回コテンパンにやられます。
経営陣は、お金が儲かったかどうかでしか生活相談員を評価してませんので。
人によってはうつ病になってもおかしくないくらいの厳しさです。
お陰様でメンタルは相当鍛えられました (笑)
モニタリング報告書の作成
利用者のサービス利用中の様子を、報告書として毎月ケアマネにお渡ししています。
介護職員が記入する施設もありますが、わたしの施設では介護職員は介護に専念してほしいという考えに基づいて、全て生活相談員が記入しています。
なので、月末は実績の〆とモニタリング報告書作成のダブルパンチで残業確定です。
利用者、家族からの相談、苦情対応
「生活相談員」と言われる所以の業務ですね。
ご利用者からの「ご飯が固い」というようなライトな相談から、「利用中に転んで骨折してしまった」というようなヘビーな内容まで、生活相談員が一括して対応しています。
その他
その他にも、施設見学者のご案内、事務職員不在時の利用料の領収、サービス提供体制強化加算などといった加算が算定できるかのチェックであったり、数年に1回行われる監査の対応であったり、施設のチラシの作成などなど、仕事内容は多岐にわたります。
ボランティアに来てくれる方の対応なんかは、うちでは事務職員が行っています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
冒頭でもお伝えした通り、生活相談員の業務は明確に決まっているわけではありません。
施設によって違いがあるものです。
わたしの働くデイサービスで、生活相談員は介護力として期待されていません。
そのため、介護業務と生活相談員の業務は完全に切り離されています。
施設によっては介護業務を行いながら生活相談員の業務を行っているところもあると思いますが、職員の欠勤が重なるとか余程のことでもない限り生活相談員は介護業務に携わりません。
介護職員からも、そういうものとして認識されていますので、「現場回らないから相談員も現場入ってよ」みたいな声も特にありません。
本来の役割である相談員業務に専念できることは嬉しいことです。
しかしその分求められているものも大きいため、責任は重大です。
あなたの働く事業所の生活相談員業務と比べてみてどうでしたか?
比較参考にしていただけたら嬉しいです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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