生活相談員研究室

【生活相談員】利用者が転倒したときの心構えと対応方法

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こんにちは。生活相談員のtakuma@takuma3104 です。

介護施設で働く上で、利用者の転倒事故って避けて通ることはできません。
だって、人であれば絶対に転ぶんですから。

人は転ぶ それは仕方ない

大切なのはその後の対応です

転んだ後の対応をミスってしまうと、取り返しのつかないことになってしまうので、注意が必要なんです。

では、具体的に何をどうするのが正解なんでしょうか?

というわけで、ここでは利用者が転倒してしまったとき、生活相談員はどう対応すればいいのか、またその心構えについて、わたしの体験を元にお伝えしたい思います。

転倒の状況を正確に把握する

サービス利用中に利用者が転倒した際に施設側がまず行うことは、もちろんケガがないかどうかの確認応急処置です。

転んでしまった利用者の身体の安全を第一に考えて行動します。

これは看護師が主体となって行われることが多いです。

骨折などの疑いがあれば、すぐに医療機関を受診します。

場合によっては救急車を要請しましょう。

どこの介護施設にもマニュアルがあると思いますので、マニュアルに沿って正確に行いましょう。

 

では、次にしなければならないことは何でしょう?

ここでやってしまいがちなのが、その場に居合わせたスタッフ同士で犯人探しや責任のなすり合いをはじめることです。

○○さんが見守りをしていなかったから~」

とか

「△△さんが付き添いをしてなかったから~」

とか

責任を逃れたいスタッフが「私は関係ない」と、我が身の保身にはしっている光景をよく見ます。

また、多くの介護施設では転倒事故があるとインシデント・アクシデントレポート(ヒヤリ・ハット報告書)を書きますが、当事者になりたくない気持ちから「報告書を誰が書くか」といった押し付け合いがおきることもしばしば…

正直、みっともない光景です。

もちろん、転倒した原因を追究することは再発防止のために大切なことではありますが、今はそんなことをしている場合ではありません。

 

利用者の応急処置の後にすべきことは、

転倒した状況(事実)の確認

です。

 

どういった状況でその転倒事故が起きたかを、把握する必要があるのです。

この確認ができていないと、このあと家族や医療機関に状況の説明ができなくなってしまいますので、事実確認をしっかりとしておきます。

また、介護現場は基本的にシフトで動いているので、その日その時対応した職員に確認をしておかないと、後で確認したいと思ってもその職員が不在で確認できないってこともあります。

ですので、生活相談員は転倒事故後すぐにその場にいる職員から聞き取りをし、事故が起きたときの状況を客観的に把握しておきます。

再発防止を考えるのはそのあとです。

犯人探しよりも現場検証を優先しましょう。

家族へ状況をわかりやすく伝えて、謝罪!

状況を把握したら、次は家族へ連絡をしなければなりません。

包み隠さずに事実を伝えます。

そして、迷惑をかけてしまっていることについて謝罪します。

このときに気を付けなければいけないのは、伝え方です。

説明が下手だったり、話が食い違っていたり、口調がおどおどしていると、家族に不信感を与えてしまいます。

さっき把握した状況を頭に入れて、何ならメモを見ながらでもよいので、家族へ状況をお伝えしましょう。

このとき、専門用語は極力使わないようにしましょう。

理由は、相手が理解できないからです。

 

「右大腿部に痛みの訴えがあるので、現在臥床してもらっています」

とか言われても、家族はわかりませんからね。

相手にこれ以上嫌な思いをさせてはいけない

施設に預けている家族が転倒してケガをしたという連絡を受けるのは、家族にとって嫌なものです。

「何で転んでしまったんだろう?」

「ケガの程度は?」

「これからどうすればいいの?」

様々な思いが湧き出てくると思います。

相談員は家族のその思いに対して、ひとつひとつ丁寧に受け答えをしていかなければなりません。

ここで相談員の説明が不足してしまい、さらに失点を重ねてしまうと、家族の思いは怒りになり、大きなクレームとなってしまいます。

つまりここでの相談員の役割は、

これ以上の失点をしない

という一点です。

転倒事故はマイナスなイベントとはいえ、その後の対応によってまだまだ挽回可能です。

「転んでしまったけどそれは仕方ないよなぁ、むしろこんなに丁寧にやってくれて信頼できる施設だ」と思わせることだってできます。

その後の対応次第で、かえって信頼を得られることだってあるのです。

転ぶ前から家族と関係性を築いておくことも大切

ただ、本音を言えば、転倒事故が起きてから家族への対応を考えるのでは遅いです。

起きる前に、きちんと信頼関係を築いておくことをおすすめします。

家族と信頼関係を築いておくことが、転倒事故における最大のリスク管理だと思っています。

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避けて通れないならポジティブに

転倒事故があった際に、生活相談員は本人と介護施設と家族の連絡・調整をする役割があります。

ですので、転倒事故のときの家族への説明や謝罪は、生活相談員をするうえで避けて通れないものです。

先にも書いた通り、人は転びます。それは仕方ないです。

介護方法に問題がなかったとしても、転ぶときは転んでしまうものなのです。

それでも、相談員は家族に謝らなければいけません。

わたしの職場に限らず、生活相談員は大体どこでもそんな仕事をしています。

 

ですので、生活相談員になると謝罪のスキルは恐ろしく高まります。

経験を積めば積むほど、ちょっとしたことでは動じなくもなります。

これを嫌な仕事ととらえるか、スキルアップの機会ととらえるかは人それぞれですが、わたしは後者を選んでいます。

どうせやらなきゃいけないなら、自分のスキルアップに使わせてもらうくらいの感覚で臨んだ方がお得だと思っているからです。

もし家族からクレームをもらったとしても、命まではとられません。

そして、生活相談員というポジションは最終責任者ではありません。

そう考えると、いくらか気が楽になると思います。

 

ネガティブな気持ちで対応したら、結果も悪い方へ向かいがちです。

最終責任者ではないというポジションを有効に活用して、謝罪のスキルをアップさせる機会だとポジティブにとらえた方がお得ですし、結果もいい方向にいくと思います。

 

 

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