こんにちは。生活相談員のtakuma(@takuma3104 )です。
今回は
ショートステイの利用者が急に発熱したときはどう対応したらいいの?
というテーマを取り上げてみたいと思います。
takuma
生活相談員(社会福祉士・公認心理師・介護支援専門員)
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ショートステイの利用者が発熱したら
ショートステイ中に利用者の発熱があった場合、ショートステイ側としては
退所をお願いしています。
なぜ帰っていただくのか?
次はその理由についてご説明します。
なぜ退所しなければならないか
なぜショートステイ中に熱が出たら退所してもらうかというと、そのねつが感染症からくる場合、他者へ感染させてしまう可能性があるからです。
ショートステイ中に熱が上がってきた場合、まずはカゼなどの感染症が疑われます。
そうなると、他の利用者にうつしてしまう可能性が出てきます。
体の弱い高齢者にとってはカゼをひいただけでも命にかかわることがあり、まさに致命的です。
また、もしこの発熱がインフルエンザだったら、放置すればあっという間に施設内感染が広がってしまいます。
ショートステイというサービスの特性として、入所施設と違い入退所による利用者の出入りがあります。
インフルエンザには潜伏期間がありますので、ショートステイ中にインフルエンザにうつったとしてもすぐに症状は現れません。
ショートステイから家に帰ってきた後に発症し、家族にまでインフルエンザをうつしてしまうということも考えられます。
このように、発熱している利用者をそのままにしてしまうと、周りの人がとんでもない不利益を受けてしまうのです。
ですから、それを防ぐために退所をお願いするわけです。
ちなみにうちのショートステイの場合は、発熱での退所の目安を37.5℃にしています。
迎えに来てくれない家族は多い
「熱が出たので退所をお願いします」
と連絡をしたとき、
「うちのおばあちゃんは大丈夫だから、そっちで様子見て」
なんて言って退所に応じてくれない家族は一定数います。
その程度の熱なら大丈夫と自己判断してしまうケースです。
「ショートステイ中に熱が出たんだから、それも含めてショートステイで対応するべきだろう」
なんて思ってる方もいるようです。
また、病院が併設していたりすると
「ショートステイで薬を出してほしい」
と言われる方もいます。
ショートステイは介護サービスであり、医療機関ではありません。
発熱などの体調不良時にできることは医療機関への受診をおすすめするということですので、ショートステイ中に治療を行うことはできないのです。
さらには
「家族全員で旅行に行っているので、今日は戻れない」
と言われることもあります。
いずれの場合も、家族からそう言われてしまったらショートステイ側としてはもうお手上げです。
結局、熱が出たままショートステイで見る羽目になってしまいます。
一度預かったら、預けたもん勝ちの構図となってしまうわけです。
最悪の事態を防ぐには
このような事態を防ぐには、とにかく事前に家族へ説明をしておくことしかありません。
ショートステイを契約するときや担当者会議のとき、それ以外でも家族と話す機会があれば、
「何かあったら迎えに来てくださいね」
ということをお伝えしておくのです。
「一回説明したから伝わっているだろう」
という認識は甘いです。
とにかく繰り返しお伝えしておくべきです。
生活相談員的には、そういった話がしやすいようにあらかじめ家族と信頼関係を築いておく必要があります。
家族と仲良くなっておくことは、なににおいても重要な要素ですね。

あと、事前にケアマネにも説明しておきます。
「熱が出たらショートステイではみれませんからね、うちに帰ってもらいますからね」
で、
「そのとき家族が対応できなければ、ケアマネのほうで必要なサービスを調整してくださいね」
と念押ししておきます。
そうすることで、ケアマネからも家族へ説明してくれますし、協力者となってくれます。
まぁ、そこまでしてもすべての家族に理解を得ることはできません。
ダメな時はダメです。
そのときはもう腹を決めて、発熱者を個室で隔離するなどして、施設内の二次感染の予防にシフトするしかありませんね。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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