介護保険で利用できるサービスの中に、ショートステイというものがあります。
このショートステイっていうサービス、ただお泊りするだけのサービスかと思いきや、実は結構奥が深いのです。
ショートステイの仕組みをきちんと理解していないと、
「こんなはずじゃなかった!」
と、後で後悔することになりかねません。
そこでここでは、ショートステイを利用するにあたって、まず知っておきたい基本的なことを紹介したいと思います。
利用できる日数
「せっかく泊まれるんだったら、できるだけ長く泊まってきてほしい」
とお思いのかたいませんか?
どうせだったら長く利用できた方が、その分介護の手が休まりますものね。
しかし、
実はショートステイに泊まることのできる日数って、決まっているのです。
ショートステイの利用可能日数は、
“介護保険証の認定有効期間の半分”
です。
例えば、認定有効期間が1年間で出ていたら、その半分の半年間、つまり180日が利用可能日数になります。
ですので、はじめのうちからたくさん泊まってしまうと、途中で利用できなくなってしまう、なんてことも起きます。
利用のし過ぎには注意しましょう。
また、
“連続利用は30日まで”
というルールもあります。
最長でも30日間しか泊まることができませんので、これまた注意が必要ですね。
料金設定
ショートステイの料金設定についてです。
ショートステイの料金は、
①介護保険の料金
②食費
③滞在費
以上3つの費用を合計したものです。
この3つの費用のうち、施設によって金額差がメチャクチャ大きいものがあります。
それは…
③の“滞在費”です。
滞在費とは、“お部屋代”のことです。
このお部屋代は、施設ごとに独自に決めることができます。
実際にわたしの働く地域のショートステイでは、どちらも個室でありながら、安いところと高いところで1日当たり約2,000円近くの差があります。
(ちなみに、個室のクオリティはどっちも同じくらいです)
1日2000円の差って…
結構デカいですよね。
ケアマネジャーに頼んで、事前に近くのショートステイの料金を比較しておくことで、ある程度費用を抑えることができるでしょう。
所得によっては食費と滞在費を安くできる
先程触れた“食費”と“滞在費”についてですが、所得によっては通常よりも安い金額にすることが可能です。
ただし、これにはあらかじめ役所へ申請が必要になります。
役所へ行って“介護保険負担限度額認定証”の交付を受けてください。
これをショートステイの事業所へ提示することで、費用を抑えることができます。
これ、やってない人結構多いです!
高齢者世帯やひとり暮らしのかたですと、割と該当する人がいますので、ダメ元で役所に確認してみることをオススメします。
これだけでもかなり金額が変わってきますよ。
施設による違い
あらかじめ、利用するショートステイの利用定員が何人なのかを確認しておきましょう。
そして、わたしのオススメは“利用定員の多い事業所”です。
なぜなら、利用定員が多い方が“予約を取りやすいから”です。
ショートステイを利用する理由でよくあるのが、“お葬式ができたため”です。
「親戚のお葬式で遠方に行かなければならないが、おじいちゃんをひとりにさせていけない」
なんて理由で、ショートステイを利用されるかたは多いです。
こればっかりはいつ起きるかわかりませんので、あらかじめ予約のしようがありませんよね(笑)
そんなとき、利用定員数の少ないショートステイでは、
「急に言われても、満室で予約が取れません」
って状況になりがちです
ですが、利用定員数が多いショートステイなら、部屋に余裕があるため、直前でも部屋が空いている可能性が高いのです。
予約の取りやすさという点から、わたしは断然利用定員の多いショートステイをオススメします。

利用への抵抗感
介護施設へ入所することを、抵抗なく受け入れることのできる人は多くありません。
入所に対して抵抗感を感じつつ、自身の気持ちと葛藤される過程を踏んで入所されます。
それはショートステイであっても同様です。
「どんなところに行くんだろう」
「どんな扱いを受けるのだろう」
特に、初めて泊まるときのストレスは計り知れません。
わたしがおススメしたいのは、“はじめから長い期間泊まらない”ということです。
まずは、1泊2日から、慣れていきましょう。
1度泊まってみれば、どんなところなのかわかります。
1回ではわからなくても、何度か泊まっていくうちに、抵抗感は薄まっていきます。
心理学に「単純接触効果」というものがあります。
これは、「繰り返して接触することにより、好感度が高まっていく」という心理効果のことです。
この単純接触効果で重要なのは、「会っている時間ではなく、会った回数に比例する」ということです。
つまり、
「最初から長い期間利用するより、たとえ1泊であっても何回も繰り返してショートステイを利用していった方が、慣れやすい」
ということです。
まずは1泊から、徐々に慣れていけるようにした方がベターであると言えますね。
まとめ
ショートステイを利用するにあたって、知っておきたい基本的なことをご紹介しました。
まとめると、以下の通りです。
・利用日数が決まっているので、利用のしすぎに注意
・料金のうち、“滞在費”を比較しておこう
・所得が低い人は、費用が安くならないか役所へ確認しよう
・利用定員の多い事業所を利用しよう
・まずは1泊から慣れていこう
せっかく利用するのですから、賢くお得に利用しちゃいましょう!

