こんにちは、現役で介護施設の生活相談員として働いているtakumaです。
「生活相談員って、どんな仕事?」と聞かれると、
「利用者や家族の相談にのったり、関係機関との調整をする仕事」と答えるのですが、
実際にやってみると、それだけでは片付けられない大変さがあります。
介護職とはまた違ったストレスやプレッシャーがあり、相談員として働いている中で、正直「もう限界かも」と思う瞬間もありました。
今回は、そんな生活相談員の仕事の中で、わたし自身が「本当につらい」と感じることトップ3をご紹介します。
現役相談員のリアルな本音として、これから相談員を目指す方や、同じ立場で悩んでいる方の参考になれば嬉しいです。
takuma
生活相談員(社会福祉士・公認心理師・介護支援専門員)
・Xにほぼ毎日投稿しています。
・職業情報サイトへ生活相談員に関する記事提供実績あります。その他介護情報サイトへ記事提供実績もあり。
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クレーム対応の最前線に立たされる
生活相談員は、施設と家族、外部関係者との「窓口」としての役割を担っています。
そのため、トラブルやクレームがあったとき、最初に連絡が来るのも相談員です。
たとえば
- 「母が『ごはんがまずい』って言ってるんですけど…」
- 「なんで昨日のうちに連絡くれなかったんですか?」
- 「他の利用者さんに嫌なことをされたと聞きました」
こうした問い合わせが、日々舞い込んできます。
もちろん、施設側に非がある場合もありますが、ときには事実関係が曖昧なまま、相談員が責められることも。
感情的な口調で一方的に怒られることもあれば、話をしているうちに「この人の気持ちもわかる…」と共感してしまい、心をすり減らすこともあります。
何を言われても冷静に、丁寧に、誠実に。そう心がけてはいますが、精神的な負担はやはり大きいです。
現場と経営の板挟みになる
生活相談員は、現場スタッフと経営陣、どちらとも関わるポジションにあります。
そのため、両者の意見が食い違ったとき、板挟みになることが少なくありません。
たとえば
- 現場の声:「この方の受け入れは難しい。対応に時間がかかりすぎるし、人手も足りない」
- 経営側の意見:「空きがあるなら利用者を入れて。稼働率を上げないと経営が厳しい」
どちらの言い分も理解できます。
しかし、間に立たされた相談員は、どちらかに「ノー」と言わなければならない場面もあるのです。
現場の味方をすれば、経営から「協力的でない」と言われ、経営に従えば、現場から「なんで受け入れたんだ」と責められる。
結局、相談員ひとりが矢面に立たされることも珍しくありません。
施設の運営上、こうした調整は必要不可欠ですが、
ときには「自分が何をしているのかわからなくなる」ほど、苦しい瞬間があります。
良かれと思ってやったことが、裏目に出ることもある
これが、相談員として働く中で最もつらいと感じたことです。
介護の仕事には、「この人にとって、今何が最善か?」を常に考える責任があります。
生活相談員として、家族や本人と話し合い、現場と協力しながらサービスを提供していきますが
どんなに良かれと思って行ったことでも、思わぬ結果を招いてしまうことがあるのです。
たとえば
- 転倒の危険を減らすために環境を整えていたのに、ちょっとした段差で転倒し骨折してしまった。
- 本人の希望でリハビリに力を入れた結果、疲労が重なって体調を崩してしまった。
- 家族の負担を軽くするためにショートステイを勧めたが、利用者本人にとってはそれが大きなストレスとなり、精神的に不安定になってしまった。
どのケースも、誰かが手を抜いたわけではなく、「その人のために」と考えて行動した結果です。
それでも、事故が起きれば「なんでこんなことになったの?」と責任を問われます。そして、自分自身でも「あのとき、ああしていれば…」と後悔が押し寄せてきます。
どんなに丁寧に対応しても、すべての人を笑顔にできるわけではありません。自分の判断が、結果的にその人の人生を変えてしまうこともある。
そんな重さと向き合わなければならないのが、相談員の仕事のリアルです。
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おわりに
生活相談員という仕事には、目には見えない苦労がたくさんあります。
クレームの対応、調整業務、重すぎる責任
正直、「しんどい」「辞めたい」と思ったことは何度もあります。
悩みながらも、その人のためにできることを考え、行動する。これは生活相談員の宿命とも言えます。それによって、誰かの暮らしを支えているという実感が得られるのもまた事実。
もし、あなたが今、相談員として同じように悩んでいるなら、「それはあなただけじゃないよ」と伝えたいです。
「覚悟もいるけど、やりがいも大きい仕事」これが生活相談員の仕事です。この仕事の大変さも、やりがいも、もっと多くの人に知ってもらえたら嬉しいです。
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