介護施設で働きながら、はじめて生活相談員になるとき――
「何から勉強すればいいの?」「家族対応って難しそう…」と不安を感じる方も多いのではないでしょうか。
生活相談員は、ご利用者・ご家族・他職種との橋渡し役として、非常に重要なポジションです。
今回は、これから生活相談員になる方が最低限おさえておきたい3つの学びポイントをわかりやすく解説します。
takuma
生活相談員(社会福祉士・公認心理師・介護支援専門員)
・Xにほぼ毎日投稿しています。
・職業情報サイトへ生活相談員に関する記事提供実績あります。その他介護情報サイトへ記事提供実績もあり。
・kindle出版で『 対人援助一年目の教科書: 現役のプロが書いた実践で役立つスキルと心構え』発売しています。
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サービス利用の流れと書類対応の基本を知る
まず最初に学んでおきたいのが、介護保険サービスの利用開始までの流れと、生活相談員が関わる書類業務の基礎です。
こんな場面で必要になる!
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施設利用の申し込み対応
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担当者会議や契約説明
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ケアマネとの連携や情報共有
特に、契約書・重要事項説明書の説明や、アセスメントシートの記入、サービス担当者会議への参加などは、生活相談員の大切な役割です。
制度の概要を知ることも大切ですが、「実際にどの書類をどう扱うか」「どう説明するか」といった実務視点での理解が重要になります。
よくあるつまずきポイント
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利用開始の段取りが頭に入っておらず、説明に自信が持てない
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契約内容をかみ砕いて伝えるのが難しい
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書類の記入ルールがわからず不安
最初は誰でも戸惑いますが、流れと意味をつかめば少しずつ慣れていきます。
特に「書類を読み理解する力・わかりやすく説明する力」を意識すると、相手の安心感がぐっと高まります。
おすすめの勉強法
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厚労省や市区町村の資料で「介護保険利用開始までの流れ」を確認
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施設にある過去の書類を見せてもらい、参考にする
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先輩に「どの場面でどう話すか」を教えてもらう
ご家族・多職種と信頼関係を築くコミュニケーション術
生活相談員の仕事の中心には、「人との関係づくり」があります。
特に、ご家族対応や、介護職員・看護師・ケアマネなどの多職種との連携は、信頼関係があってこそスムーズに進みます。
こんな場面で必要になる!
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ご家族からのクレーム対応
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多職種カンファレンスでの情報共有
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曖昧な情報を調整する“通訳役”としての関わり
「伝える力」「聞く力」「間をつなぐ力」は、どれも一朝一夕では身につきません。
ただ、意識するだけでも大きく変わります。
コミュニケーションのコツ
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相手の立場や背景を想像して話す
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クッション言葉(例:「お気持ちはよくわかります」)を活用する
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事実と感情を分けて受け止める
おすすめの勉強法
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ベテラン相談員の話し方を観察する
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コミュニケーションに関する本・動画を活用
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ロールプレイやシミュレーションをしてみる
認知症の方との接し方・安心感を与える伝え方
認知症のあるご利用者との対応は、生活相談員にとって避けて通れないテーマです。
知識だけでなく、その方の“今の気持ち”に共感する姿勢がとても大切です。
こんな場面で必要になる!
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利用中の混乱や不安の対応
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家族の代わりに話を聞く
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契約時や面談時に理解しやすい伝え方を工夫する
認知症の方にとって、「知らない場所」「知らない人」は大きな不安のもと。
そんな中で、生活相談員が安心感を与える存在になることはとても意味があります。
接し方のポイント
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相手の表情・仕草から気持ちをくみ取る
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否定せずに受け止め、「共感→提案」の順で関わる
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言葉よりも“安心できる雰囲気”を意識する
おすすめの勉強法
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認知症介護の研修・eラーニングを活用
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実際の関わりを先輩と一緒に振り返る
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認知症に関する書籍を読んで参考にする
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まとめ
生活相談員として最初にぶつかる壁は、「制度が難しい」「人間関係が難しい」という漠然とした不安です。
でも、今回ご紹介した3つのテーマを意識することで、確実に一歩ずつ成長できます。
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サービス利用の流れと書類作成の対応を理解する
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ご家族・多職種と信頼関係を築く言葉を身につける
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認知症の方への対応を“共感”の視点で学ぶ
そして何より大切なのは、「わからないことを素直に聞ける姿勢」です。
それが、チームに信頼される生活相談員になる第一歩だと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。

