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今回は、ショートステイ(短期入所生活介護)を運営する事業所なら誰もが一度は「おかしい!」と感じたことがある、「長期利用減算」の矛盾について深掘りしていきます。

2024年の介護報酬改定では、従来の「30日減算」に加えて、新たに「60日減算」も導入されました。国は「長期利用を是正して本来の形に戻すため」と説明していますが、現場から見ると「この仕組み、ぶっちゃけ意味なくない?」と思わざるを得ません。

なぜこのルールが機能しないのか、そして国が隠している「真の狙い」について、わたしなりの考察をお話しします。

この記事を書いた人

takuma

生活相談員(社会福祉士・公認心理師・介護支援専門員)

デイサービスとショートステイで、利用者・家族・職員の“間”に立ちながら日々奮闘しています。
現場で感じた違和感や気づきを言葉にし、「学び続ける相談員」を目指して情報発信中。

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そもそもおかしい?「ショートステイは30日まで」のルール

まず前提として、ショートステイは「連続して利用できるのは30日まで」というルールがあります。

しかし、制度上は「31日目以降も、減算(1日30単位マイナス)を受け入れれば利用可能」ということになっています。

ここで最初の矛盾が生じます。

「長期利用をさせたくないなら、一律で利用禁止にすればいいのでは?」

保険者が「やむを得ない事情」と認めたら31日目以降も使えるわけですが、事業所としては、受け入れれば受け入れるほど1日の売上が下がってしまいます。わざわざ減算されてまで長期で受け入れるメリットは、事業所側にはありません。

長期利用が減らない最大の理由:ケアマネジャーは無傷

国は「料金を安くすれば、事業所が長期受け入れを渋るから利用が減るだろう」と考えているようですが、これは現場を全く分かっていません。

なぜなら、ショートステイのケアプランを組むのはケアマネジャー(介護支援専門員)だからです。

ショートステイ事業所は、長期利用されると減算になり大ダメージですが、ケアマネジャーは減算になっても、自分の給付管理や居宅介護支援費には一切影響ありません(無傷)。

つまり、利用をコントロールできる立場のケアマネジャー側に何のペナルティーもないため、ケアマネジャーは今まで通り「行き場のない利用者さん」をショートステイに長期で位置づけることができます。

事業所としては、日頃お世話になっているケアマネジャーからの依頼を断りにくく、泣く泣く減算を受け入れて長期利用を継続させているのが実態です。

改定で追加された「60日減算」も意味がない?

国はさらに長期利用を抑制するため、新たに「連続60日以上の利用でさらに減算」というルールを作りました。

しかし、前述の「ケアマネ無傷・事業所だけが損をする」という構造が変わらない限り、この60日減算も大した効果はありません。ただただ、ショートステイ事業所の経営が苦しくなるだけです。

本当に長期利用を是正したいのであれば、事業所をペナルティにかけるのではなく、アマネジャー側に何らかのインセンティブやペナルティを設けるべきですよね。

国の「真の狙い」を考察してみた

国もバカではありません。この仕組みが長期利用の是正に繋がらないことくらい、百も承知のはずです。

それなのに、なぜ頑なに「長期利用減算」を強化していくのでしょうか? ここからはわたしの個人的な意見ですが、国には公にできない「裏の意図」があると考えています。

一言で言えば、「長期利用を口実にして、介護報酬(国が支払うお金)を安く抑えたいだけ」ではないでしょうか。

現在、特養の待機者の一時的な避難先などとして、実質「ロング(長期)」でショートステイを使っている高齢者は全国にたくさんいます。国としては、

  1. 「長期利用は本来の姿じゃないからペナルティね」という正論(建前)を振りかざす

  2. 実際には利用は減らないので、事業所から自動的に介護報酬を削ることができる(本音)

という、介護費抑制のための絶好の「言い訳」に使っているように見えてなりません。

 

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まとめ

ショートステイの長期利用減算は、一見すると「適切な利用を促すためのルール」に見えますが、その実態は「ケアマネジャーはノーダメージで、事業所だけがただ損をする」という、歪んだ仕組みです。

国の財政が厳しいのは分かりますが、現場の努力や実態を無視して、制度の矛盾を事業所に押し付けるようなやり方には、どうしても違和感を拭えません。

みなさんの施設では、この「30日・60日減算」にどう対応していますか?ぜひコメントやSNSで意見を聞かせてください!