- 「最近介護界隈でLIFE(ライフ)って言葉を聞くようになったけど、何のことだかさっぱりわからない」
- 「どこのサイトを見ても難しいことばかり書いてある。細かい話はいいから、簡単にLIFEについて知りたい」
そんな方のために、ここではLIFEについて「ざっくりとわかりやすく」解説していきたいと思います。
LIFEについての最低限の知識は、この記事を読んで得ることができますよ。
takuma(@takuma3104 )
生活相談員(社会福祉士・介護支援専門員)。
デイサービスとショートステイの「生活相談員」という仕事を10年以上続けています。
このサイト「生活相談員ラボ」では、「現役の強みを生かした、現場感覚のある情報発信」をコンセプトに、生活相談員をはじめたばかりの人やこれから生活相談員になる人の役に立つ記事を書いています。
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LIFEとは?
LIFE(ライフ)とは、
「Long-term care Information system For Evidence(ロングターム ケア インフォメーション システム フォー エビデンス)」
を略したものです。
日本語にすると、「科学的介護情報システム」といいます。
国は、これからは医療と同じように介護も科学的に行っていきたいと考えています。そのために、介護に関するデータを集め、集めたデータに基づいて介護を行っていきたいんです。
「介護に関するデータを集めて、そのデータをもとに介護を行う」
この仕組みのことをLIFEといいます。
LIFEの成り立ち
実は、介護に関するデータは以前からもありました。
代表的なものが、CHASE(チェイス)とVISIT(ビジット)です。
(参考:「CHASE」とは?とりあえずこれだけ知ってれば大丈夫)
高齢者の状態やケアの内容等データ収集システム
2020年5月から運用開始
通所・訪問リハビリテーションデータ収集システム
2016年度から運用開始
それぞれのシステムが別々に運用されていましたが、2021年4月から一体的に運用していくことになりました。「CHASE」と「VISIT」、このふたつを統合して、その名称を「LIFE」としたのです。
どうやってデータを集めるの?
国が、全国の介護事業所からデータを集めます。しかし、介護事業所が無償で情報提供するはずがありません。そこで、2021年度における介護報酬改定において、「LIFE関連加算」と呼ばれるものが新たにつくられたのです。
この「LIFE関連加算」により、介護事業所が厚労省にデータを提供することによって、介護事業所側にもお金が入る仕組みができあがりました。お金がもらえるなら、介護事業所も国へ情報提供する気になりますからね。
多くの事業所が「LIFE関連加算」を算定することにより、国は多くのデータを集めることができます。
事業所がLIFEの利用申請をするには、厚生労働省のサイトより手続きが必要です。
どんなデータを集めているの?
LIFE関連加算によって集めるデータの概要は、以下の通りです。
科学的介護推進体制加算
主に利用者のADL、口腔・栄養の情報、認知症の症状についての情報を集めます。
個別機能訓練加算・リハビリテーションマネジメント加算
主に利用者のADL、IADL、起居動作等に関する情報、健康状態や個別機能訓練の目標などの情報を集めます。
ADL維持等加算
その名の通り、利用者のADLについての情報を集めます。
褥瘡マネジメント加算
利用者の褥瘡に関する情報を集めます。
排泄支援加算
利用者の排泄に関する情報を集めます。
自立支援促進加算
主に利用者の基本動作や廃用性機能障害に関する情報を集めます。
かかりつけ医連携薬剤調整加算・薬剤管理指導
主に利用者の服薬状況に関する情報を集めます。
栄養マネジメント強化加算・栄養アセスメント加算
主に利用者の栄養状態に関する情報を集めます。
口腔衛生管理加算・口腔機能向上加算
主に利用者の口腔状態に関する情報を集めます。
データをもとにした介護が求められる
国は、LIFEでデータを集めたいだけではなく、集めたデータをもとに科学的な介護を行っていきたいと考えています。ですから、国は介護事業所にデータの提供を求めるだけでなく、データに基づいて科学的な介護を展開していくよう求めています。
そのため、「LIFE関連加算」を算定するためには、事業所がただデータを提出すればよいわけではなく、LIFEからのフィードバックを受けて、それをもとにケア計画を見直すといった要件が含まれています。
まとめ
- LIFEとは、介護に関するデータを集め、データに基づいた介護を行うための仕組みのこと
- 2021年度から本格運用されている
- 多くのデータを集める必要があるため、介護報酬に「LIFE関連加算」が作られた
- 国は、データをもとに科学的介護を展開していきたいと考えている
最後までお読みいただきありがとうございました。
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