介護報酬

【コロナによる介護報酬特例】うちの事業所が算定をしない理由

※当サイトではアフィリエイト広告を使用しています

6月1日に通所系サービスの特例算定が開始となり、約1か月が経ちました。

takuma
takuma

特例算定って何?

 

特例算定ルールの中身についてはこちら

↓↓↓

コロナ対応による通所介護と短期入所生活介護の算定特例ルール2020年6月1日付で、厚生労働省から介護報酬の特例ルールが発表され、同じく6月1日から算定できるようになりました。 ...

 

地域差はあるようで、ほとんどの事業所が算定しているような地域もあるみたいですね。

わたしの地域はというと、算定をする事業所が何か所か出てきたものの、大多数の事業所が今のところ取る意向を示していません。

わたくしの調べによりますと、算定する事業所が2割程度で、算定をしない、または様子を見ているような事業所が8割程度となっています。

渦中にいる身としては、事業所同士お互いに探り合い、牽制しあっている感じを受けています。

 他事業所のケアマネから「そちらはコロナ加算とるんですか?」と、探りの電話がかかってくることもあります。

 

算定ルールが発出された当初、私の事業所では算定する方向で話が進んでおり、私も大急ぎで同意書を作成しました。

 ですが、その後管理者と何度か話し合いをした結果、「今回は算定するのを見送ろう」という結論に至りました。

せっかく介護報酬が増えるのに、なぜ?

これからその理由を述べたいと思います。

地方のいち介護事業所の、リアルな経営判断の話をどうぞご一読ください。

 

特例報酬を算定しない理由

 わたしの事業所が算定するのを見送ることになった理由は、地域内で先行して算定し始めた他の事業所がケアマネからの評判を落としていて、このままうちも算定したらケアマネからの評判を落としかねない、と判断したからです。

つまり、算定をすることで事業所のイメージを悪くするという結論を出しました。

 

なぜイメージが悪いのか

この加算は、厚労省で正式に決められたルールです。

ですから、事業所がこの加算を算定することは正しいことです。悪いことではまったくありません。

国が事業所に「取っていいよ」って言ってるわけですからね。

算定することに何の問題もありません。

問題は、この新ルール自体にあります。

 つまり、① 同意した人だけにしか算定されず、さらに② 自己負担が出てしまう③ それにより限度額をオーバーしてしまったら目も当てられないという、とんでもなく不公平なルールとなっています。

 そんなわけでこの特例報酬は、いくら適切に運用したとしても公平性に取り扱えず、算定するとイメージが悪いわけです。

しかし、この制度自体を設定した国なわけで、それを算定する事業所は何も悪くないわけですよ。

ただルールに則って算定してるだけですから。

大前提のルールが不公平であることが悪いのにも関わらず、あたかもそのルールを算定している事業所が悪いようなレッテルを貼られてしまう。

それで、「不公平な算定をするなんて、なんという事業所だ!」と、ケアマネから思われてしまうわけです。

さらに、算定する事業所と算定しない事業所があれば、なおさらイメージダウンになります。

 算定してる事業所としてない事業所だったら、「算定してない事業所を利用したい」と思うのが人情ですし、算定しない事業所をひいきしたくなるのもまた人情というものです。

事業所側にとってみれば、つらい話ですよね。

実際にあった話ですが、うちの地域で算定し始まった事業所は、他事業所のケアマネから「利用者のことを考えてない」「あんまり利用者入ってないから取るんでしょ」などと揶揄されていました。

算定するだけでこんな言われ方をしてしまうなんて、イメージの力って怖いなぁって思います。

お金よりも信頼

そんな状況下で、うちの事業所としては、「あえてイメージを悪くすることはないな」と判断したわけです。

報酬増という目先の利益を得られたとしても、その分悪いイメージを与えてしまっては、長期的に見てマイナスです。

イメージとは、言い換えればその事業所の信頼です。

今ここで加算を算定してお金にするより、あえて算定をせずに信頼をためておいたほうが、のちのちの事業所の価値が高まるのではないか

うちの事業所はそのように判断をしました。

幸い、うちの事業所は今このタイミングで換金せずとも生きていける体力(お金)が残っているようなので、その辺りは安心かなぁというところです。

念のため申し上げておきたいと思うのですが、わたしは、この加算を算定する事業所を否定したいわけではありません。

ひとりひとり丁寧に説明をし強制的な同意を得ない、限度額をオーバーする利用者には算定しないようにする(算定する人を選別するという点において本当に公平なのか?という疑問はありますが)など、誠意ある対応を示すことで信頼を勝ち得る方法も、もちろんあると思います。

私の事業所のある地域は田舎で、どちらかというと閉鎖的、保守的な地域です。

論理よりも感情で判断されやすい土地柄なので、イメージ戦略は結構重要なんです…

ここではわたしの事業所の例を紹介させていただきました。

この判断が吉と出るか、凶と出るか。

果たして、その結果やいかに。

通所系介護サービスのコロナウイルス特例算定における3つの問題点令和2年6月1日に厚生労働省から発出された「新型コロナウイルス感染症に係る介護サービス事業所の人員基準等の臨時的な取り扱いについて(第1...
新型コロナウイルスの影響で私の勤める介護施設に起きていることこんにちは 生活相談員のtakuma(@takuma3104 )です。 わたしはデイサービスとショートステイの生活相談員をしてい...
「価値を換金せよ!」今私が考える福祉・介護の仕事とお金の価値今回は福祉とお金についての話です。 まず結論から先に言います。 ここで私が伝えたいことは 福祉職は価値...