新型コロナウイルスによる介護崩壊
新型コロナウイルスによって、介護事業所の経営に危機が生じています。
現在多くの介護事業所にクラスターが発生しており、感染のまん延を防止するために営業の停止をやむなくする事業所も増えています。わたしの働いているショートステイでも先日新型コロナウイルスの陽性者が出て、一時営業を停止しました。
感染予防の観点からみれば、営業を停止するのはやむを得ないと判断であると思います。しかし、問題はそのあとです。営業を停止すれば、当然のことながらその間事業所の収入が途絶えてしまいます。収入がなければ、たとえコロナが終息したとしても事業所は経営難となり、存続が難しくなってしまいます。早い話、倒産してしまうというわけです。
もちろん介護事業所の自助努力は必要ですが、それも限界があります。もともと安い介護報酬でどうにかやりくりをしているのが介護業界ですから、新型コロナウイルスによってさらに追い打ちをかけられれば、介護事業所にとって命取りになりかねません。
介護危機はすべての人に影響する
介護事業所の危機は、すべての人にとっての危機です。「わたしには老後の蓄えがあるから大丈夫」という話ではありません。住んでいる地域に介護サービスを提供する事業所がなければ、いくらお金をもっていても介護サービスを受けることはできないでしょう。
人間歳をとれば、多かれ少なかれ介護が必要になります。足腰が弱ってひとりで出かけられなくなったり、ひとりでお風呂に入れなくなったりします。そんなときでも、デイサービスや訪問介護、入所系の施設などといった介護事業所があることで、わたしたちは安心して生活することができます。わたしたちの生活を成り立たせるために、介護事業所の存在は必要不可欠なのです。
介護事業所の経営安定が急務
先にも述べたとおり、いま介護事業所はピンチです。このままでは、多くの介護事業所が経営難となってしまいます。
実際にわたしの住む地域では事業所やサービスの閉鎖が相次いでおり、介護崩壊を感じさせます。わたしの働く事業所も例外ではありません。コロナ禍により職員は、心身ともに疲弊しています。介護崩壊の兆しを感じざるを得ません。
すべての人が安心して暮らすためには、いまの介護事業所の危機を救わなければなりません。そのためには、政府による介入が必要であると感じています。このまま介護崩壊が進まないためにも、賢明な判断を期待したいものです。
takuma(@takuma3104 )
生活相談員(社会福祉士・介護支援専門員)。
デイサービスとショートステイの「生活相談員」という仕事を10年以上続けています。
このサイト「生活相談員ラボ」では、「現役の強みを生かした、現場感覚のある情報発信」をコンセプトに、生活相談員をはじめたばかりの人やこれから生活相談員になる人の役に立つ記事を書いています。
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