ソーシャルワーカー(社会福祉士)の端くれとして、これまで読んだ本の中からおすすめの本を11冊ご紹介したいと思います。正直本を1冊読んだからって、何かが劇的に変わるわけではないでしょう。それでもやっぱり積み重ねは大切。継続は力なりです。あなたの自己研鑽のヒントになれば幸いです。
takuma(@takuma3104 )
生活相談員(社会福祉士・介護支援専門員)。
デイサービスとショートステイの「生活相談員」という仕事を10年以上続けています。
このサイト「生活相談員ラボ」では、「現役の強みを生かした、現場感覚のある情報発信」をコンセプトに、生活相談員をはじめたばかりの人やこれから生活相談員になる人の役に立つ記事を書いています。
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ケアとは何か 看護・福祉で大事なこと
「ケア」って人間関係の本質のように思う。だって、人間はひとりじゃ生きていけないから。助け合うことでしか人間は生きていけない。
「相手はわたしのケアがないと生きていけない」これは正しい。しかし「わたし」も「相手のケアをすることで生かされている」という視点は忘れてはいけない。「ケアしてあげる側」が「ケアされる側」を助けている、といった一方的な関係性ではなく、お互いに助け助けられて生きているということを、この本を通して学ぶことができます。
QOLって何だろう 医療とケアの生命倫理
「必ずしも延命がベストな選択ではない」と頭でわかってはいても、「延命しない」という判断になんとなく負い目を感じてしまう。「そうはいっても今ここで死なせるわけにはいかない」的な感覚を覚える。この感覚って何なんだろう?
タイトルの通りQOL(クオリティ オブ ライフ)について書かれた本書。きわめて主観的なものであるQOLに対して、支援者であるわたしたち「他人」はどう関わればいいか?考えるヒントをくれます。
介護3.0
旧来のお世話をする介護=「介護1.0」。ITやICTを活用して介護の効率化をはかる=「介護2.0」これまでのの介護をこう定義したうえで、筆者が提言するのが「介護3.0」その思いの根底にあるものは、本人が納得いってなければ介護じゃないよねという信念。「相手も自分も共に輝こうと」いう一貫した哲学に基づき、介護の本質について語られています。
最近の閉塞感あふれる介護業界に、風穴をあけるかのような清々しさを覚える本書。この理念は学ぶ価値あり。
落合陽一34歳、「老い」と向き合う 超高齢社会における新しい成長
「介護とは身体の補完である」や「障害とは身体の多様性である」など、随所に天才落合節が炸裂されている本書。何を隠そうわたしがそうなのですが、介護畑で育つとテクノロジーにはめっぽう弱くなりがちなわけで…。逆を返すと、この業界はテクノロジーの入る余地が満載なわけで。その可能性を信じたくなる本。「介護」×「テクノロジー」によって、老いの概念はきっと変わっていくはず。
教養としての社会保障
「福祉」=「社会保障」。ソーシャルワーカーとして最低限度の知識は入れておきたい。そういう意味でこの本はわかりやすいし、読み応えもあるので最初の1冊としてベスト。社会保障の本というとどうしてもお固い文体になりそうなものだが、それなりに読みやすい文体でまとまっているので、ざっくりと社会保障の大枠をとらえておきたい人にはおすすめ。良書。
ソーシャルワーカー「身近」を革命する人たち
「わたしは社会福祉士である。だが、わたしはソーシャルワーカーなのか?組織の利益のために組織の歯車になっているソーシャルワーカーは、はたしてソーシャルワーカーと呼べるのか?」サラリーマンソーシャルワーカーであるわたしは、働きはじめて数年でこの悩みにぶつかった。本書はその悩みを解決するヒントをくれた。
4名のソーシャルワーカーによる共著であり、ソーシャルワーカーとしての視座を高めることができる。
障害者差別を問いなおす
わたしの弟は重度の知的障害をもつ。弟と一緒にいることで感じる周囲の目がわたしはこわかった。そしてそう感じているわたしもまた、弟のことを差別のまなざしで見ているひとりだということもわかっていた。わたしはわたしのことをイヤなやつだと思っていた。だから個人的には「差別はなくならない」が持論。
この本は、過去の障害者差別の歴史を知ることができる。この社会が障害者とどうかかわってきたか知っておいて損はない。
同調圧力 日本社会はなぜ息苦しいのか
コロナ禍の社会において、より著名になってきた日本という社会の「同調圧力」。「どこどこでだれだれがコロナになった」とうわさが流れると、自己責任という名の村八分が起きる。日本社会に特有の空気感の正体は知っておいたほうがいい。それがいいか悪いかという評価はともかくとして、この社会で生きるソーシャルワーカーたるもの現状認識は必要です。
ソーシャルワーカーという仕事
結論、この本を読んでもソーシャルワーカーの仕事が何なのかはわかりません。しかしソーシャルワーカーとして何をすべきか、思考するヒントがぎっしり詰まっています。「小難しいことは考えず、ただ困っている人を助けるってこと」というソーシャルワークの原点に立ち返ることができる。自分の初期衝動を大切にしたいって思える1冊。
福祉が壊れる
低賃金、職員による虐待、障害者差別、各種制度の崩壊…。福祉を取り巻くさまざまな問題があふれ出てきている。介護畑にいるわたしは、介護報酬の改定により国や厚労省が何度もかけたはしごを外す様子を目の当たりにしてきた。現代社会の抱える課題は多い。こんなときこそソーシャルワーカーの出番でなのある。まずはこの本で問題認識を深めておきたい。
福祉は誰のために ソーシャルワークの未来図
4名のソーシャルワーカーが、それぞれの立場からソーシャルワークについて掘り下げて語った骨太の1冊。ソーシャルワーカーは何のために存在するのか?そもそもソーシャルワークって何なのか?考えさせられる。画一的なたったひとつの型なんて存在しない。雇われソーシャルワーカーとして、ただのサービスデリバリーにならないよう、ニーズ発掘に重きを置いていきたい。
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