どーも
生活相談員のtakuma(@takuma3104 )です。
先日このようなツイートをしました。
病院から直接老健入所できないから、それまでの間をつなぐためにショートステイ長期間利用していくのって、うち(ショートステイ側)としては利用者増えるからいいんですけど、本来のショートステイの役割ではない気がする
— takuma@生活相談員 (@takuma3104) 2020年2月15日
本来入所を希望している人なのに、すぐには入所することができず
やむなく入所までの期間をショートステイを利用して“つなぐ”ということが、少なくとも私の働く地域では起きています。
特に、病院から退院して老健施設へ入所するまでの間をショートステイを長期間利用して過ごす、というケースはかなり多く見られます。
今回はこの件について、掘り下げてみたいと思います。
施設入所までの間をショートステイで“つなぐ”
入所施設側の実情
まず前提条件として、施設に入所できる人数は決まっています。
ですので、どの施設も空きがなければすぐには入れません。
そして、入所施設の多くは空きがないことが多いです。
さらに、施設入所の申し込みをしたとしても、すぐに入ることはできません。
本人の面談をしたり、施設によっては医師の診断書が必要な場合もありますし、入所の判定会も必要です。
入所申し込みを受けてから入所するまでに、通常それなりの期間を要するのが一般的です。
病院側の実情
急性期病院では、治療が終わり病状が落ち着いたら、すぐに退院してもらいたいと思っています。
それには理由があって、簡単に言うと、要は在院日数を短くしないと病院が儲からないから、早く退院させたいわけです。
入院して状態が落ちてしまって、「この状態では家に帰れない」となっても、“入所施設側の実情”に記載した通り、すぐに施設入所できるわけではありません。
余程のことがない限り、退院と同時に施設入所はできません。
そこで、すぐに利用ができるショートステイの需要が生まれるというわけです。
病院側の「早く出したい」というニーズと
家族側の「家でみれない」というニーズが合致するんですね。
でも、ショートステイって結局は在宅のサービスなんです。
入所施設とは違うので、結構家族に負担を強いることになるんですよね。
そしてそれを受ける側のショートステイ側も、調整する側のケアマネ側も、それなりの負担を強いられることになるのです。
ショートステイを利用することで生まれる負担
家族の負担
前述したとおり、ショートステイはあくまで「在宅サービス」なのです。
例えば老健などの入所施設であれば、入所中にちょっと体調を崩しても、引き続き入所を続けられます。
必要に応じて、入所中に治療を受けることもできます。
それは、生活の場が「施設」であるからです。
それに比べてショートステイは、生活の場があくまで「自宅」です。
あくまでベースは自宅にあって、泊まりに来ているというわけなので、「体調悪くなったら自宅に帰ってくださいね」という理屈になるのです。
家族にしてみれば、ショートステイに入ったから一安心というわけにはいかず、自宅に戻らなければいけないリスク(?)を常に抱えることになるのです。
ケアマネの負担
退院後〜施設入所までの間つなぎのショートステイ
まぁショートステイ側としては利用者増えるからよしとしても、それを新規で受けるケアマネは大変かと病院から急かされる→契約→アセスメント→プラン作成→担当者会議→やっとサービス利用→すぐに施設入所→これだけやって報酬安い
報われません…— takuma@生活相談員 (@takuma3104) 2019年11月1日
入院前から担当のケアマネがいる場合は別ですが、退院に合わせて新しく担当になるケアマネだと、ショートステイ同様“つなぎ”の仕事になってしまいます。
数か月先には施設入所になってケアマネの手を離れることになるのに、
契約→アセスメント→ケアプラン作成→担当者会議→モニタリング…
といった一連の流れを行わなければなりません。
せっかく手間暇かけても、正直言って実益が伴わず、負担ばかりが大きくなってしまいます。
ショートステイの負担
ショートステイ側としては、長期的に利用してくれることでその間の利用人数は安定しますし、収入もアップします。
ですが、いつ施設入所できるかがわからないことが多く、大抵の場合突然「来週入所が決まりました」という話が降って湧いてくることになります。
当然その先の予約はキャンセルとなるため、大量の空きベッドを作ってしまうことになります。
長期利用者を受け入れるということはショートステイにとってバブルみたいなもんで、そのときはよいのですが、はじけたときのダメージが大きいというデメリットがあるのです。
そもそも「在宅サービス」と言えるのかという疑問
うちだけかもしれませんが
最近ショートステイを、施設入所できるまでの間長期間利用する人が増えてます
これもショートステイに求められる機能なのでしょうが、在宅介護を支援するサービスか?と言われると…要は施設入所までのつなぎですから
在宅のサービスという枠に無理矢理入れてるだけな気が
— takuma@生活相談員 (@takuma3104) 2019年11月25日
施設入所までのつなぎでショートステイを利用する人が、「在宅サービス」としてのショートステイの機能を求めているのかっていう話です。
この場合、「ショートステイを利用して可能な限り在宅で過ごしていく」という、在宅におけるショートステイの意味合いは、全くなくなっています。
「在宅サービスであるショートステイをうまく利用すれば、施設入所までつなぐことができる」
なんて、結局は制度のひずみを利用しているだけに過ぎません。
本来は、老健が中間施設として機能すればいいのですが、現実的には機能していません。
入所したいときにすぐ入所できる施設があればいいけど、ありませんからね。
在宅か施設かという考え方を見直すべきなのでは?
私の考えとしては、
本人が幸せに暮らせるのであれば、在宅サービスだろうが施設サービスだろうが、極論どっちでもいい
と思ってます。
もう、それぞれの地域の実情に応じて、被保険者が利用しやすいように柔軟にサービスが提供できるようになっていいんじゃないかって思うんですよね。
別にショートステイだって、施設入所までの“つなぎ”で利用する場合は、そのときだけショートステイに施設サービスとしての機能が働いてもいいと思うのです。
“つなぎ”で利用する場合は、連続30日ルールなんて取っ払っちゃって、ちょっとした体調不良時もショートステイで何とかできる、みたいに思い切ってしちゃえばいいのではないでしょうか。
だってそれがその人のニーズなのですから。
人をサービスに合わせるのではなく、サービスを人に合わせたほうがいいでしょ
って思います。
思い切ってそんな発想もありなのでは?ってちょっと思いました、ってところでこの記事は以上になります。
最後まで読んでくださって、ありがとうございました。