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介護の相談を受け、何時間も話を聞き、関係機関と連絡を取り合い、ケアプランを作成する。

ケアマネジャー(介護支援専門員)の仕事において、この調整業務こそが真骨頂であり、最も時間と労力を割く部分です。

しかし、介護保険の仕組み上、どれだけ手厚く調整を行っても、最終的にサービスの利用(実績)がなければ介護報酬は1円も入りません。

今回は、現場のケアマネジャーを悩ませる「サービス未利用による報酬ゼロ問題」の構造的な課題と、現場でできる現実的な対策を分かりやすく解説します。

この記事を書いた人

takuma

生活相談員(社会福祉士・公認心理師・介護支援専門員)

デイサービスとショートステイで、利用者・家族・職員の“間”に立ちながら日々奮闘しています。
現場で感じた違和感や気づきを言葉にし、「学び続ける相談員」を目指して情報発信中。

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・職業情報サイトへ生活相談員に関する記事提供実績あります。その他介護情報サイトへ記事提供実績もあり。

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なぜ頑張った調整が報酬ゼロになるのか?

現行の居宅介護支援における介護報酬は、「月に1回でもサービス利用の実績があること」が請求の要件となっています。

たとえば、手すり1本のレンタル(福祉用具貸与)であっても、利用実績さえあればその月の居宅介護支援費が算定できます。

しかし、以下のようなケースでは、それまでのすべての動きが「報酬ゼロ」になってしまいます。

よくある「報酬ゼロ」の具体例

  • 新規相談・プラン作成後の突然の入院 数時間に及ぶアセスメント、サービス調整、担当者会議まで終えていたものの、利用開始直前に急変して入院してしまった。

  • 退院調整中の計画変更・転院・施設入所 何度も病院へ足を運び、退院時カンファレンスを重ねて準備していたが、病状の変化で退院が白紙になった(または施設入所が決まった)。

  • 契約直前のキャンセル ご本人・ご家族の気持ちの変化により、ギリギリの段階で利用見送りとなった。

高齢者を対象にしている以上、急な体調変化や入院は当然起き得るリスクです。しかし、どれだけ誠意を持って動いたプロセスであっても、結果として「利用なし」となれば、ケアマネジャーの働きは評価されない仕組みになっています。

注目される「シャドーワーク」と制度の課題

近年、ケアマネジャーの負担増や「シャドーワーク(無償で行われる業務)」に対する問題意識が業界内外で高まっています。

ケアマネジャー業務の本質は、単にサービスを割り振ることではなく、「複雑に絡み合った課題を解きほぐし、関係機関と連携して受け皿を作ること」にあります。

退院カンファレンスへの参加や関係各所との調整は、まさにケアマネの専門性が発揮される重要な仕事です。

それにもかかわらず、「サービスが動かなければ評価されない」という現在の介護報酬体系は、現場のモチベーションを削ぎ、事業所経営を圧迫する構造的な課題と言えます。

「報酬ゼロ」を防ぐ・リスクを減らす現場の対策3選

制度上の見直しには時間がかかりますが、日々の現場で取れる現実的な対策・リスクマネジメントを紹介します。

① スモールスタート(福祉用具などの先行活用)を検討する

状態が不安定な方の支援を開始する際、大規模なデイサービスやショートステイの調整と並行して、必要に応じた「福祉用具貸与(手すり等)」など、比較的スムーズに導入できるサービスを先行して位置づける手法があります。早期に実績を作ることで、万が一の急変時にも事業所としての未請求リスクを軽減できます。

② 支援経過の記録を徹底して残す

報酬にならなかった支援であっても、行なったアセスメントや関係機関とのやり取り(支援経過)は確実に記録に残しておきます。将来的に再相談となった際の貴重なデータになるだけでなく、事業所内での業務量評価やチーム内での共有に役立ちます。

③ 事前説明と関係性づくりを意識する

初回面接や契約時に、サービス開始までの流れや入院・急変時の対応についてご家族に丁寧にお伝えしておきます。あらかじめ「万が一の際の動き」を共有しておくことで、予定変更になった場合でもスムーズに次のステップ(退院後の再調整など)へ移行しやすくなります。

 

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まとめ

ケアマネジャーが日々行っている調整や関わりは、決して無駄なものではありません。サービス利用に至らなかったとしても、その時ご本人やご家族に寄り添い、受け皿を作ろうとしたプロセス自体に大きな価値があります。

だからこそ、こうした「見えにくい調整業務(シャドーワーク)」に対して、適切に評価や報酬が支払われるような制度の見直しが望まれます。

現場で働くケアマネジャーの皆さんが、報われない想いを抱え込まず、持続的に支援を続けられる環境づくりが今まさに求められています。