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月初めは、デイサービスやショートステイなどの介護事業所にとって最も忙しい時期のひとつです。

前月分の利用実績の集計、利用者の報告書作成、各種お知らせの発行など、雑多な業務が一気に押し寄せてきます。

そんな多忙なタイミングで届き、現場を困惑させるのが国保連(国民健康保険団体連合会)からの「返戻(へんれい)」です。

返戻が発生すると、該当する介護報酬が事業所に入金されなくなってしまうため、極力ゼロに抑えたいところです。

今回は、なぜ返戻が起きるのかという主な原因から、担当ケアマネジャーとのスムーズな確認手順、そして話題の「ケアプランデータ連携システム」導入後も返戻が発生するリアルな背景まで分かりやすく解説します。

この記事を書いた人

takuma

生活相談員(社会福祉士・公認心理師・介護支援専門員)

デイサービスとショートステイで、利用者・家族・職員の“間”に立ちながら日々奮闘しています。
現場で感じた違和感や気づきを言葉にし、「学び続ける相談員」を目指して情報発信中。

・kindle出版で『対人援助一年目の教科書』『学び続ける生活相談員』発売中。

・職業情報サイトへ生活相談員に関する記事提供実績あります。その他介護情報サイトへ記事提供実績もあり。

・Xでも発信しています。

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このブログ「生活相談員ラボ」では、「生活相談員×学び」をコンセプトに、現場のリアルと学びをつなぐヒントをお届けします。

 

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介護報酬の「返戻」とは?なぜ起きてしまうのか

返戻とは、国保連に提出した介護給付費の請求(レセプトデータ)に不備やデータの食い違いがあり、国保連から請求が認められずデータが差し戻されてしまう現象のことです。

返戻が起きる原因は、大きく分けて次の2つがあります。

原因①:自事業所(サービス提供側)での請求ミス

自事業所の入力ミスや計算ミスです。

  • 加算の請求要件・単位数の入力間違い

  • 利用日数の打ち間違え・実績入力の漏れ

原因②:他事業所(居宅介護支援事業所)とのデータ相違

ケアマネジャー側が国保連へ提出した「給付管理票」と、デイサービスやショートステイ等のサービス事業所側が提出した「実績データ」との間に違いがあるケースです。

実際にはどちらの原因が多い?

現場の肌感覚としては、自事業所単独のミスはほぼ無く、多くはケアマネジャー側のデータに相違があるケースです。

国保連では両者のデータを照合しているため、データ内容に違いがあると自動的にシステムでエラー(返戻)として弾いてしまいます。

事前チェックをしてから国保連へデータを送信してはいるものの、双方のやり取りの中でどうしても漏れや修正漏れが生じてしまうのが実状です。

返戻通知書の壁「何が間違っているか分からない」

返戻が出た際、現場の職員や生活相談員を最も悩ませるのが「返戻通知書」の独特な文言です。

通知書には、「居宅介護支援事業所に再度確認が必要」といったような、きわめて抽象的で分かりづらい指示しか書かれていないことが少なくありません。

そのため、「何が間違っているのか」「具体的にどの日の、どの実績が違っているのか?」が通知書を見ただけでは全く見当がつかないという問題が生じます。

自事業所のミスであれば実績をたどって探すことができますが、他事業所との不一致だと自社データだけを見ても原因が特定できません。この「間違いを探す手間」こそが、月頭の業務負担を大きく増大させている要因です。

返戻が来たときの「ケアマネジャーとの確認手順」3ステップ

返戻が届いてしまった場合は、焦らず次の手順でひとつずつ確認を進めていきましょう。

ステップ1:自事業所のデータを再点検する

まずは自事業所の利用実績、提供日時、単位数などに打ち間違いや入力漏れがないか確認します。自事業所に間違いがなければ、居宅側とのデータ相違である可能性が高まります。

ステップ2:担当のケアマネジャーへ連絡する

返戻対象となった利用者の担当ケアマネジャーへ連絡を取ります。 「国保連から返戻が来ていること」「自事業所の提出データ内容」を伝え、ケアマネジャー側の給付管理票(計画・実績)と照合してもらいましょう。

ステップ3:原因特定が難しい場合は国保連へ電話確認する

お互いのデータを突き合わせても原因が分からない場合は、国保連(審査係)に直接電話で問い合わせるのも有効です。 電話で問い合わせることで、具体的にどの項目で不一致が起きているのか教えてもらえることがあり、解決への一番の近道になります。

双方で原因が特定できたら、修正したデータを準備して次回の請求時に再提出を行います。

ケアプランデータ連携システムでも返戻は防げない?

近年、居宅とサービス事業所間のやり取りをデジタル化する「ケアプランデータ連携システム」の導入が進んでいます。

「データで連携すれば手入力によるミスがなくなり、返戻も激減するのでは?」と期待していましたが、データ連携システムを使っていても返戻は発生しています。

データ連携でも返戻が起きる理由

  • 元のデータ自体に誤りがある: 送信する前の元データにミスがあれば、正しい連携を行っても誤ったデータがそのまま相手や国保連に届きます。

  • データ更新のタイミングのズレ: 連携後にケアプランや給付管理票が修正された際、最新データの再連携や国保連への送信タイミングが合わないと相違が生じます。

システム化が進んでいるとはいえ、対応はまだ道半ばなところがあります。結局のところ、最終的にはアナログな返戻確認や電話連絡といった人的なやり取りの中で動かざるを得ないのが現場のリアルな現状です。

 

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まとめ

毎月訪れる請求業務と返戻トラブルは、業務上の大きな負担となります。

  • 返戻の多くは居宅側とサービス事業所側のデータ相違によって発生する

  • 通知書の文言は抽象的なため、ケアマネジャーへの連絡や国保連への電話照会が必要になる

  • ケアプランデータ連携システム導入後も確認作業は欠かせない

返戻が届いたら、まずは原因を整理し、担当ケアマネジャーと連携して落ち着いて一つひとつ解消していきましょう。