サービス担当者会議でキーパーソン参加が不可欠な理由
サービス担当者会議の日程調整をしている際、
「キーパーソンの都合がつかないけれど、他のご家族なら参加できるから、このまま開催してしまおう」
となった経験はありませんか?
忙しい日々の中で日程調整を優先させたくなる気持ちはとてもよく分かります。しかし、結論から言うと、新しい方針の決定や見直しが必要な場面での「キーパーソン不在」の会議は、ほとんど意味をなさないケースが多いのが現実です。
今回は、なぜ意思決定が必要な局面でキーパーソンの参加が不可欠なのか、現場の視点からその理由と実務上のポイントをお伝えします。
takuma
生活相談員(社会福祉士・公認心理師・介護支援専門員)
デイサービスとショートステイで、利用者・家族・職員の“間”に立ちながら日々奮闘しています。
現場で感じた違和感や気づきを言葉にし、「学び続ける相談員」を目指して情報発信中。
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会議は意思決定を行う場所
担当者会議は、単なる報告会や近況報告の場ではありません。会社における重要なミーティングと同じように、「現場の課題に対して方針を話し合い、意思決定を行う場所」です。
施設職員や生活相談員、各事業所のスタッフが時間を合わせて集まるのも、現場での具体的な対応をご家族と協議し、今後の方向性を決めて動き出すためです。
「一度持ち帰ります」で動きが止まる罠
たとえば、ご利用者のADLの低下に伴い、「送迎時の移動や安全確保のために、車イスを使用してみるのはどうでしょうか」と会議で提案したとします。
その場に出席しているご家族が「そうですね、それがいいと思います」と賛同してくれたとしても、その後にこう続いてしまったらどうでしょうか。
「ただ、わたしの一存では決められないので、キーパーソンである他の家族に聞いてみないとわかりません」
この瞬間、会議での話し合いはストップしてしまいます。
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具体的な次の動き(明日からの対応など)が決定できない
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キーパーソンの確認待ちとなり、対応や支援の開始が遅れる
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後日改めてケアマネジャーや相談員がキーパーソンへ説明・調整を行う手間が発生する
これでは、どれだけ時間をかけて熱心に話し合っても、会議としての本来の目的を果たせたとは言えなくなってしまいます。
キーパーソン不在でも成り立つケース
100歩譲って、キーパーソンが不在でも問題が起きにくいパターンもあります。
それは、「現状維持の確認」のみで、新たな意思決定が発生しない場合です。
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ご本人の状態や支援内容に特別な変化がない
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各事業所からの報告も「これまで通り順調」
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ご本人・ご家族からの要望も「このままでお願いします」
このように「新たな方針を決める必要がない」確認作業であれば、滞りなく会議を終了できます。
しかし、状態の変化に合わせて支援内容を変えたいときや、現場の課題を解決したいタイミングにおいては、キーパーソン不在での実施は避けるべきです。
現場で意識したい3つのポイント
意思決定が必要なタイミングで会議を形骸化させないために、以下のポイントを意識して調整を進めていきましょう。
1. 会議の目的が「意思決定」か「継続確認」かを見極める
単なる現状維持の確認なのか、新しい方針を決定する場なのかを事前に整理します。変化や課題がある場合は、「キーパーソンの参加」を必須条件として日程調整を行いましょう。
2. 事前のヒアリング・意向確認を活用する
どうしてもキーパーソンが当日出席できない場合は、事前にキーパーソンへ連絡を入れ、提案内容に対する意向や意見を聞き出しておく(事前擦り合わせを行う)という方法もあります。
3. 日程調整よりも「決定できる場づくり」を優先する
開催日を優先するあまりキーパーソン不在で会議を開いても、結局決定が先送りになれば、一番不利益を被るのはタイムリーな支援を受けられないご利用者自身です。
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まとめ
担当者会議で意思決定が必要な場面では、「キーパーソンにしっかり参加してもらい、その場で方針を決定して具体的に動き出すこと」が何より大切です。
日々の業務や日程調整で悩むことも多いかと思いますが、「持ち帰りでストップさせない」ためにも、意思決定の場にはキーパーソンの同席を原則として取り組んでいきましょう。
