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デイサービスの日常業務において、切っても切り離せないのが「送迎業務」です。しかし、どれだけ点検や安全運転を徹底していても、車両の突然の故障や事故といったまさかの事態を100%防ぐことはできません

先日、わたしが勤務する施設でも、送迎中の車が道路上で急停止してしまうという緊急トラブルが発生しました。

直接運転していたわけではありませんでしたが、現場へ急行し、レッカー手配や状況の整理、ご利用者の対応にあたることになりました。

この実体験を通じて痛感したのは、「トラブル発生時に現場が混乱するかどうかは、初期対応と指示系統の明確さで決まる」ということです。

今回は、送迎車が突然動かなくなった際の具体的な初期対応と、混乱を防ぐための指示系統の作り方について詳しく解説します。

この記事を書いた人

takuma

生活相談員(社会福祉士・公認心理師・介護支援専門員)

デイサービスとショートステイで、利用者・家族・職員の“間”に立ちながら日々奮闘しています。
現場で感じた違和感や気づきを言葉にし、「学び続ける相談員」を目指して情報発信中。

・kindle出版で『対人援助一年目の教科書』『学び続ける生活相談員』発売中。

職業情報サイトへ生活相談員に関する記事提供実績あります。その他介護情報サイトへ記事提供実績もあり。

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送迎車が急停止した直後の「初期対応」3ステップ

道路上で車が停止した場合、二次災害や二次トラブルを防ぐために素早い動きが求められます。

① 安全確保と交通整理

まずはご利用者と職員の命を守ることが最優先です。 ハザードランプを点灯させ、後続車に異常を知らせるます。他の職員が現場へ向かい、必要に応じて交通整理を行ったり、動かせる状態であれば車を安全な場所へ移動させたりします。

② ご利用者の体調確認と保護

車内に残されているご利用者の状態を確認します。パニックになられている可能性もあるため、落ち着いて声かけを行い、車内の温度管理や体調変化に配慮します。 真夏や真冬の場合は熱中症や低体温症のリスクが高まるため、必要であれば近隣の安全な建物内へ避難誘導します。

③ 現場状況の整理とロードサービス依頼

現場のスタッフとバトンタッチを行い、車が動かない原因や周囲の状況を確認します。 自走不能と判断した場合は、速やかに保険会社やロードサービス(レッカー車)へ連絡し、手配を進めます。

トラブル時に陥りがちな「情報錯綜」の怖さ

緊急事態が発生すると、現場も事務所も焦りが生じます。今回特に注意が必要だと感じたのが、情報の食い違いです。

実際、最初に事務所へ入った報告と、現場の車に乗っていたご利用者の情報に一部不一致が生じる場面がありました。

情報が錯綜すると、以下のような大きな問題につながります。

  • ご家族への連絡ミスや不信感:「乗っていないはずの利用者」のご家族に連絡をしてしまったり、逆にお知らせが遅れたりする。

  • 現場の混乱:事務所と現場で指示が変わり、スタッフがどう動けばいいか分からなくなる。

  • 対応の遅れ:誰が何に対応しているのか分からなくなり、レッカー待ちや再送迎の手配が遅れる。

現場の混乱を防ぐ「指示系統と連絡体制」のポイント

こうしたイレギュラーな事態に対し、組織として迅速かつ的確に動くためには、以下の3つのポイントが不可欠です。

① 連絡・判断の「窓口」を一本化する

現場・事務所・ご家族・保険会社など、多方面とのやり取りが発生します。全員が思い思いに連絡を取ってしまうと、情報が分裂します。 「誰が情報を集約し、誰が指示を出すのか」という窓口(管理者や生活相談員など)を明確にし、すべての情報を一度そこに集める体制を徹底しましょう。

② 日頃からの乗車リスト管理を正確に

「誰がどの車に乗っているか」の正確な把握は、緊急時の判断スピードを大きく左右します。急なキャンセルや追加利用があった場合も、送迎表や乗車リストをリアルタイムで更新しておく習慣が重要です。

③ 役割分担を明確にして指示を出す

トラブル発生時は、その場にいるスタッフに対して具体的に役割を割り振ります。

  • 「Aさんは現場でレッカー対応と安全確認」

  • 「Bさんは別車両でご利用者の再送迎へ向かう」

  • 「Cさんは事務所からご家族とケアマネジャーへ連絡」

このように役割を明確に分けることで、スタッフ各自が自分の仕事に集中できるようになります。

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おわりに

送迎業務を行う以上、車が急停止するようなトラブルはいつ誰の身に起きてもおかしくありません。

だからこそ、起きてしまった時に「いかに素早く初期対応を行い、一貫した指示系統のもとで正確な情報を共有できるか」が重要になります。

今回の実体験が、みなさまの施設での緊急時マニュアルの見直しや、リスクマネジメントの一助になれば幸いです。