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介護の現場でよく議論になる「ご利用者への言葉遣い」

「親しみやすさを出すためにタメ口で話す」

「家族のような関係性を築きたいから、あえて敬語を使わない」

現場ではこのような意見を聞くことがよくあります。

しかし、わたし自身の考えとしては、「どのような場合であっても、基本は敬語で接するべきだ」と思っています。

今回は、「親しみやすさ=タメ口」という考え方に対する違和感と、なぜ介護現場で敬語が大切なのかについて、プロとしての視点からまとめてみます。

この記事を書いた人

takuma

生活相談員(社会福祉士・公認心理師・介護支援専門員)

デイサービスとショートステイで、利用者・家族・職員の“間”に立ちながら日々奮闘しています。
現場で感じた違和感や気づきを言葉にし、「学び続ける相談員」を目指して情報発信中。

・kindle出版で『対人援助一年目の教科書』『学び続ける生活相談員』発売中。

職業情報サイトへ生活相談員に関する記事提供実績あります。その他介護情報サイトへ記事提供実績もあり。

Xでも発信しています。

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なぜ「敬語」が当然のコミュニケーションなのか?

一般社会の常識に照らし合わせて考えてみると、答えはとてもシンプルです。

  • 人生の先輩(年長者)であること

  • サービスを利用されている「お客様」であること

この2つの理由だけでも、丁寧な言葉遣いをする理由は十分すぎるほどあります。

たとえば、普段の生活でご近所さんや知人に会ったとき、いきなりタメ口で会話をするでしょうか。おそらく多くの人が、自然と丁寧な言葉や敬語を使っているはずです。また、コンビニや飲食店などの店舗で、店員さんがお客さんにタメ口で接客する場面も滅多に見かけません。

対等な支援関係とは言え、プロとしてサービスを提供する立場である以上、相手に敬意を払うのは社会人としてごく自然なマナーです。

「タメ口=親近感」という誤解とリスク

「敬語だと堅苦しくて距離を感じさせてしまうのでは?」と心配する声もありますが、本当にそうでしょうか。

丁寧な敬語を使っていても、温かい表情や声のトーン、思いやりのある接し方があれば、深い信頼関係や親しみやすさは十分に築くことができます。

むしろ、馴々しいタメ口は一歩間違えると、ご利用者に「子ども扱いされている」「見下されている」といった不快感を与えてしまう大きなリスクを孕んでいます。

「タメ口を使う方が親近感が湧く」というのは、実は話す側の自己満足や勘違いになっていないか、一度胸に手を当てて立ち止まる必要があります。

なぜ介護現場では「タメ口文化」が残ってしまうのか?

では、なぜ他業種では考えにくい「タメ口」の接客が、介護現場では根強く残ってしまうのでしょうか。

一番の理由は、「職場全体の『当たり前(ローカルルール)』に染まってしまっているから」です。

新しく入ったスタッフも、周囲の先輩たちがタメ口で話しているのを見ると、「この施設ではこれが普通なんだ」と刷り込まれてしまいます。その職場の「常識」として定着してしまうと、後から言葉遣いを正していくのは非常に難しくなります。

「うまく敬語に切り替えられない」「今更変えづらい」という声も聞きますが、プロとして意識を一歩高め、行動を改めていく姿勢が求められています。

 

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まとめ

介護のプロフェッショナルとして最も重要なのは、利用者さんの尊厳を守り、ひとりの人間として尊重することです。

その姿勢が一番わかりやすく表れるのが、日々の「言葉遣い」です。

フレンドリーさと馴々しさを混同せず、しっかりと敬意を込めた敬語を意識することで、より質の高い信頼関係を築いていきましょう。