「管理職を降りたい…」プレイングマネジャーの生活相談員が抱える負担と対処法
デイサービスやショートステイの現場で、生活相談員として送迎や利用者・家族との面談、ケアマネジャーとの連絡調整に走り回る毎日。プレイヤーとしての業務をひと通りこなし、やっとの思いで自分のデスクに戻れば、今度は職員からの相談対応や新人の指導が待っています。
マネジメントという響きはどこかかっこよく聞こえますが、いざ現場でその立場になってみると、その現実があまりにも重く、ふと「もう管理職なんて降りてしまいたいな」と、そんな本音が頭をよぎることがあります。
今回は、プレイングマネジャーとして日々の業務に奔走し、パンク寸前になりながらももがいているわたし自身のリアルな葛藤と、そこから少しだけ心が軽くなった考え方について綴ります。
takuma
生活相談員(社会福祉士・公認心理師・介護支援専門員)
デイサービスとショートステイで、利用者・家族・職員の“間”に立ちながら日々奮闘しています。
現場で感じた違和感や気づきを言葉にし、「学び続ける相談員」を目指して情報発信中。
・kindle出版で『対人援助一年目の教科書』『学び続ける生活相談員』発売中。
・職業情報サイトへ生活相談員に関する記事提供実績あります。その他介護情報サイトへ記事提供実績もあり。
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プレイングマネジャーの生活相談員が「つらい・降りたい」と感じる理由
なぜ、これほどまでにプレイングマネジャーの負担は重いのでしょうか。日々の現場で痛感しているのは、構造的なジレンマとあまりに多すぎる業務のギャップです。
権限がないのに「責任」だけがのしかかる
プレイングマネジャーとしての大きな苦しさは、自分の手札のなさです。お給料を決める権限や、人事的な査定、組織の人事権を持っているわけではありません。それにもかかわらず、職員から「話を聞いてほしい」と頼まれ、何かアクションを求められます。自分自身に何か決定権があるわけでもないため、「いったい自分に何ができるんだろう」と無力感を覚えてしまうことが少なくありません。
プレイヤー業務のウェイトが圧倒的すぎる
「管理職」という肩書がありながら、実態は圧倒的なプレイヤーです。朝から送迎に出て、戻ればデスクのメモを処理し、気づけばお昼。さらに新人の指導や組織全体のことまで見なければならない状況では、自分のキャパシティはとうにオーバーしてしまいます。夜遅くに仕事場を後にするとき、「自分の時間の使い方が悪いのかな」と自己嫌悪に陥ることもあります。
「上司の助言」と「現場の実態」のギャップ
キャパシティの限界を訴えても、「仕事を振り分けられない自分の責任だ」「全体を見るのではなく、困っている部分だけをピンポイントで対処しろ」と言われてしまうことがあります。頭では「確かにその通りだ」と理解できても、目の前の山積みの業務を抱える中で、それを即座に行動へ移すのは簡単ではありません。頭で考えることと、実際に現場でやり抜くことの難しさの間に挟まれ、いつも頭を悩ませています。
プレイングマネジメントの負担を軽くするための3つの視点
この重すぎる荷物を少しでも軽くし、日々の消耗を防ぐために、わたし自身が意識しようと試みているアプローチを共有します。
① 全体を完璧に見ようとしない(局所的な対処に徹する)
上司の言葉通り、組織全体をなんとかしようと背負い込むのはやめました。例えば、現場でスタッフが困りごとを訴えてきたときも、組織の構造的な問題まで一気に解決しようとせず、「今、目の前で起きているそのピンポイントの困りごとをどう処置するか」だけに集中する。完璧な管理を目指すのをやめ、部分的な対応に割り切ることで、心のエネルギーを少しずつ温存するようにしています。
② 自分のキャパシティを「言語化」して伝える
「しんどい」「キャパオーバーです」という感情論だけで伝えてしまうと、「時間の使い方の問題」と片付けられてしまいがちです。だからこそ、自分がその日何にどれだけ時間を奪われているのかという事実を整理し、客観的な状況として見つめ直すようにしています。現状を数字や事実として捉えることは、自分自身の整理にもつながります。
③ 「降りてもいい」という選択肢を心の片隅に持っておく
「管理職を続けなければならない」と自分を縛り付けていると、心がすり減ってしまいます。「いざとなれば、この役割は自分には荷が重すぎると伝えていい」「いつでも降りる選択肢はあるんだ」と心の中で思っておくだけで、不思議とプレッシャーがフッと軽くなります。自分の健康や心を壊してまで守るべきポジションなんてない、そう思えるだけで少し息がしやすくなります。
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おわりに
日々の業務を終えて帰り道を走る車の中、ふとこぼれる「もう無理かもしれない」という弱音は、わたしがそれだけ真剣に、現場や人手不足の現実と向き合ってきた証拠だと思っています。
要領が悪いわけでも、能力がないわけでもない。プレイヤーとマネジャーの二足の草鞋を履かされるこの構造自体が、あまりにもハードなのです。
今日も本当にお疲れ様でした。まずはすべての荷物をいったん下ろして、今夜はゆっくりと心と体を休めてくださいね。
