【介護現場】休日・夜間の急変対応ガイド!スムーズな救急搬送に必要な3つの備え
介護の現場では、どれだけ気をつけていても予期せぬ利用者の急変に遭遇することがあります。特に日曜日や祝日、夜間といった休日は、平常時とは異なる対応の難しさに直面することも少なくありません。
先日、わたしが勤務する施設でも、利用者の状態が急変する出来事がありました。迅速な発見と初期対応を行ったものの、休日ならではの「救急搬送の壁」に直面する経験となりました。
今回はその実体験をもとに、休日・夜間における急変対応のリアルと、スムーズな救急搬送を実現するために現場でできる3つの備えについて詳しくお伝えします。
takuma
生活相談員(社会福祉士・公認心理師・介護支援専門員)
デイサービスとショートステイで、利用者・家族・職員の“間”に立ちながら日々奮闘しています。
現場で感じた違和感や気づきを言葉にし、「学び続ける相談員」を目指して情報発信中。
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休日・夜間に直面する「救急搬送の壁」
今回経験したのは、つい先ほどまで食事や会話を普通に楽しまれていた方の突然の急変でした。顔の麻痺や発語障害など、脳血管疾患が強く疑われる症状だったため、すぐに救急要請(119番通報)を実施。ご家族への連絡や状況説明も並行してスピーディーに行いました。
しかし、ここで直面したのが「搬送先がなかなか決まらない」という問題です。
休日の診療体制ということもあり、救急隊が1か所目、2か所目と受入要請を出しても断られ続け、最終的に5か所目でようやく搬送先が決定しました。
早期発見・早期要請ができたにもかかわらず、搬送先が決まるまでに30分〜40分ほど救急車が現場にとどまることになりました。脳血管疾患のように「時間が命」となるケースにおいて、このようなタイムロスが生じてしまうのが、地域医療における休日・夜間のリアルな現状です。
脳血管疾患を疑う「急変サイン(FAST)」
急変時に焦らず素早く動くためには、普段から代表的な症状を知っておくことが不可欠です。脳梗塞などを疑う場面では、国際的にも使われるFAST(ファスト)の視点が役立ちます。
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F(Face/顔):顔の片側が下がる、口角が片方だけ下がっている
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A(Arm/腕):片方の手に力が入らない、両腕を上げた時に片腕が落ちてくる
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S(Speech/言葉):声かけに反応がない、ろれつが回らない、話せない
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T(Time/時間):症状に気づいたら、すぐに発症時刻を確認して救急要請
1つでも当てはまる場合は、迷わず直ちに救急要請を行います。
スムーズな救急搬送に必要な3つの備え
医療機関の受け入れ態勢という仕組みの問題を、介護現場の努力だけで今すぐ変えることはできません。だからこそ、搬送先の選定を少しでもスムーズにし、受診後の治療を円滑に進めるための「現場の事前準備」が重要になります。
① 「最終正常確認時刻」を正確に記録する
脳梗塞の特効薬(t-PA治療など)の投与には、発症からの厳密なタイムリミット(発症から4.5時間以内など)があります。 受け入れ病院を探す際にも「いつまで普通に過ごせていたか」の情報が不可欠です。「〇時〇分まで食事をとれていた」「〇時〇分に声をかけた時は普段通りだった」といった「最後に正常だった時刻」を正確に把握・記録し、救急隊に伝えましょう。
② 最新の「フェイスシート・服薬情報」を即座に取り出せる状態にする
休日は主治医や普段の担当ケアマネジャーと連絡がつかないことが多くあります。 救急隊が搬送先を選定する際、持病(既往歴)や現在飲んでいる薬(特に抗凝固薬など血液をサラサラにする薬)の情報が強く求められます。夜間や休日でも誰でもすぐに取り出せるよう、最新の情報をファイリング・整理しておきましょう。
③ ご家族への事前説明とメンタルフォロー
休日搬送では、救急車の到着後も発車まで時間がかかるケースがあります。状況を知らないご家族は「なぜ早く病院に連れて行ってくれないのか」と強い不安や不信感を抱きがちです。 「休日のため受入病院の調整に時間がかかっていること」を丁寧に説明し、搬送先に先回りしてもらうか救急車と同乗するかなど、落ち着いて行動できるよう声をかけ続けましょう。
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まとめ
在宅や介護施設での急変対応は、常に緊張感と時間との戦いです。特に休日・夜間は受け入れ体制が限られるため、現場スタッフとしてももどかしさを感じる場面が多くあります。
しかし、わたしたち介護職が「早期に異変へ気づき、正確な情報を整理して救急隊へ引き継ぐこと」は、利用者の命を守り、後遺症を少しでも軽減させるための大きな力になります。
ぜひこの機会に、ご自身の職場の急変対応マニュアルや情報共有の仕組みを見直してみてください。
