【生活相談員】利用者の本音を引き出す聞き方のコツと生活場面面接の活かし方
デイサービスやショートステイなどの現場で、ご利用者から「本当はどう思っているのか」を引き出せずに悩んだことはありませんか?
満足度アンケートを取ったり、イベント後に感想を聞いたりしても、返ってくるのは「良かったよ」「問題ないよ」といった通り一辺倒な返答ばかり……というケースは非常に多いものです。
今回は、社会福祉士の研修などでも登場する「生活場面面接(ライフスペースインタビュー)」の視点を交えながら、生活相談員だからこそできる「利用者の本音を引き出す関わり方と聞き方のコツ」についてお話しします。
takuma
生活相談員(社会福祉士・公認心理師・介護支援専門員)
デイサービスとショートステイで、利用者・家族・職員の“間”に立ちながら日々奮闘しています。
現場で感じた違和感や気づきを言葉にし、「学び続ける相談員」を目指して情報発信中。
・kindle出版で『対人援助一年目の教科書』『学び続ける生活相談員』発売中。
・職業情報サイトへ生活相談員に関する記事提供実績あります。その他介護情報サイトへ記事提供実績もあり。
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なぜフォーマルな面接では「建前」になりがちで本音が出ないのか?
ケアマネジャーの月例訪問(モニタリング)や介護認定調査など、改まった面接室や机を挟んだ対面での聞き取りには、どうしても限界があります。
膝と膝を突き合わせたフォーマルな空間では、利用者さま側に次のような心理が働きやすいためです。
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「しっかりした自分」を見せようと張り切ってしまう
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相手に遠慮して、困りごとや不満を隠してしまう
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緊張してしまい、自分の思いを上手く言語化できない
このように、意図せず「取り繕った回答(建前)」になってしまうのはごく自然なことです。
生活相談員こそ「生活場面面接」を最大活用できる
そこで重要になるのが、日々の生活空間や行動のなかで意図的にコミュニケーションを図る「生活場面面接(ライフスペースインタビュー)」です。
デイサービスなどで働く生活相談員は、まさにこの「生活場面面接」を実施するのに絶好の環境にいます。
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送迎の車内での何気ない会話
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施設に到着し、お茶を飲んで一息ついている時間
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入浴前後の着替えをサポートしているとき
こうした日常の何気ないシチュエーションでふと漏れ出る言葉こそ、飾りのない「リアルの本音」です。かしこまった面接よりも、生活空間を共にするなかで発せられた言葉のほうが、遥かに現実味を含んでいます。
通り一辺倒な回答を回避する「ちょっとした聞き方のコツ」
日常のなかで話を聞く際、特に意識したいのが「質問の投げかけ方」です。
たとえば、イベント終了直後に「今日のイベント、どうでしたか?」とまっすぐ質問すると、ほとんどの方は気遣いから「良かったよ」と答えてしまいます。これでは真のニーズや改善点は見えてきません。
そこでおすすめなのが、あえて少しトーンを下げて、こちらから懸念点を提示してみる聞き方です。
【聞き方の例】
「今日のアレ、少し時間が押してバタバタしちゃいましたよね……?」
このように少し下げて問いかけてみると、相手のリアクションから本音を探ることができます。
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「いやいや!全然そんなことなかったよ、楽しかったよ」
→ 本当に満足していたことが確認できる
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「そうね、楽しかったんだけど、実は最後のほうがちょっと疲れちゃってね」
→ 相手が感じていた「ちょっとした不満」や「本音」がポロリと出る
杓子定規な質問を避け、問いかけの角度を少し変えるだけで、相手が抱く違和感や本音にアプローチしやすくなります。
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まとめ
「本音を聞き出す」というのは言葉で言うほど簡単ではなく、一朝一夕で身につくものではありません。そもそも、利用者さまご自身も「自分がどうしたいのか」をはっきりと自覚できていないことも多いからです。
だからこそ、生活相談員には以下の姿勢が求められます。
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アンケート等の数字だけでなく、現場での生の声や変化を察する
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送迎やお茶の時間など、日常の「生活場面」を貴重なアセスメントの場と捉える
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通り一辺倒な聞き方をやめ、少し角度を変えた問いかけを意識する
日々の何気ない雑談の中にこそ、支援のヒントが隠されています。ぜひ明日の現場から、生活場面面接と「聞き方の工夫」を意識してみてください。
