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2026年8月1日から、介護保険施設利用時における負担限度額認定の一部引き上げが実施されます。

食費や居住費(滞在費)の負担額が数十円〜100円単位で変わるマイナーチェンジですが、「事業所の収入が増えるのでは?」と思っていた方も多いのではないでしょうか。

今回は、今回の改定の仕組みと事業所への影響、そして細かい契約書類の変更をミスなく乗り切るための実務チェックポイントについて分かりやすく解説します。

この記事を書いた人

takuma

生活相談員(社会福祉士・公認心理師・介護支援専門員)

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2026年8月改定の概要:何がどう変わる?

今回の改定では、主に第3段階(第3段階①・第3段階②)の利用者様を対象に、食費や居住費の自己負担限度額が引き上げられます。

  • 変更点: ショートステイや施設利用時の食費・居住費が一部数百円程度引き上げ

  • 対象: 主に第3段階の限度額認定を受けている一定所得の利用者様

  • 影響: 利用者様の自己負担額が増加し、その分介護保険(補足給付)からの持ち出しが減少

「事業所の収入が増える」わけではないカラクリ

物価高や電気代の高騰が続く中、「食費や居住費の基準が変わるなら、事業所の収入も増えてインフレ対応できるのでは?」と期待したくなります。

しかし、今回の変更は基準費用額(設定されている総額)そのものの引き上げではなく、給付率と自己負担比率の見直しがメインです。

そのため、利用者様の自己負担が増えた分、保険者(自治体)からの補足給付金が減るだけであり、最終的に事業所に入ってくる合計金額は変わりません。物価高に直面する現場としては、歯がゆいところが本音です。

現場の負担増:マイナーチェンジほど事務作業が大変

事業所の収入が増えない一方で、現場には「事務手続きの負担」がしっかり発生します。

数十円〜100円程度の変更であっても、公的な料金が変わる以上、曖昧な運用はできません。契約内容の透明性を保ち、ミスなく対応するためには以下の作業が必須となります。

差し替え・変更が必要な書類リスト

  1. 重要事項説明書(別紙料金表)の改定

    • 第3段階①・②の食費・居住費の記載金額を更新

  2. 利用契約書の変更同意書の作成・回収

    • 事前に「料金改定に関する同意」をいただく手続き

  3. 介護ソフト(請求システム)のマスタ設定変更

    • 8月1日利用分からの単価設定が正しく反映されているか確認

  4. 利用者様・ご家族へのご案内文の作成

    • なぜ金額が変わるのか(法改正によるもの)を丁寧にお知らせする

ミスなく乗り切るための実務アドバイス

細かな変更作業をスムーズに進めるためのポイントを3点まとめました。

  • 「なぜ上がるのか」を明確に伝える ご家族からは「事業所が値上げした」と誤解されがちです。「国の制度改正(介護保険法の変更)に伴う自己負担額の見直しであること」を明記した案内文を同封しましょう。

  • 介護ソフトのテスト入力を行う 8月分の請求(9月請求業務)で焦らないよう、7月中にマスタ更新を済ませ、テストデータで実績作成・請求計算のシミュレーションをしておくと安心です。

  • 認定証の有効期限(7月末)の更新確認 負担限度額認定証は毎年7月31日が有効期限です。新しい認定証(8月1日〜)をご家族が更新手続きできているか、確認・声かけを行いましょう。

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まとめ

公的価格で運用されている介護事業では、物価高に対して事業所独自の判断で柔軟に価格転嫁することが難しいのが現状です。

今回の制度変更でも事業所の収益向上には繋がりませんでしたが、法令遵守(コンプライアンス)を守り、利用者様に安心してご利用いただくためには、こうした地道な事務対応が欠かせません。

細かい書類の修正やご案内作業など大変な時期ですが、一つひとつチェックしながらミスなく乗り切っていきましょう!