生活相談員の基礎知識

生活相談員が取り組むべきソーシャルアクションとは?【現場から社会を変える力】

※当サイトではアフィリエイト広告を使用しています

生活相談員として日々ご利用者やご家族に関わっていると、「制度の限界」や「地域の課題」に直面することが多いのではないでしょうか。
個別の支援だけでは解決できない問題に出会ったとき、必要になるのがソーシャルアクション(社会的行動)です。

この記事では、生活相談員が現場でできるソーシャルアクションをわかりやすく整理してご紹介します。

 

この記事を書いた人

takuma

生活相談員(社会福祉士・公認心理師・介護支援専門員)

Xにほぼ毎日投稿しています。

職業情報サイトへ生活相談員に関する記事提供実績あります。その他介護情報サイトへ記事提供実績もあり。

・kindle出版で『 対人援助一年目の教科書: 現役のプロが書いた実践で役立つスキルと心構え』発売しています。

詳しい自己紹介はこちら

takuma
takuma
「生活相談員ラボ」では、「生活相談員×学び」をコンセプトに、介護・福祉に関する情報発信をしています。

 

Check it out!

「対人援助一年目の教科書」 Kindleにて好評発売中です!

対人援助一年目の教科書: 現役のプロが書いた実践で役立つスキルと心構え

ソーシャルアクションとは?

ソーシャルアクションとは、個人や地域が抱える問題を「社会課題」としてとらえ、改善に向けて働きかける取り組みのことです。
社会福祉の分野では、声をあげにくい人や立場の弱い人を代弁し、制度や社会に働きかけていく活動を指します。

生活相談員にとってのソーシャルアクションは、現場で拾った小さな声を社会に届けることから始まります。

定義
・個人や地域が抱える問題を「社会課題」としてとらえ、改善に向けて働きかける取り組み
例:制度の改善、住民運動、政策提言など。

特徴
・個別援助(ソーシャルワーク)では解決できない「社会構造的な問題」に働きかける。
・声を上げにくいマイノリティや弱者の立場を代弁し、社会に働きかける。
・行政や政治に働きかける「アドボカシー活動」に重なる部分がある。

具体例
・介護保険制度の利用しづらさを改善するための市民運動
・バリアフリー化を進めるための署名活動や政策提案
・地域での孤立防止に向けた住民主体の取り組み

ソーシャルアクションに取り組むには、日々の学びも大切です。
▶︎ 介護職のキャリアアップにおすすめの通信講座はこちら

施設内から始まるソーシャルアクション

まずは身近な現場から取り組めることがあります。

  • ご利用者・家族の声を集約する
    「送迎が不便」「ショートステイを柔軟に使いたい」などの声をまとめ、施設会議や地域包括支援センターに伝える。

  • 生活困難事例を可視化する
    個別のケースで終わらせず、複数事例を整理し「こうした課題が地域に多い」と共有する。

👉 ポイント:「小さな声を“見える化”する」こと。

地域レベルでのソーシャルアクション

生活相談員は、地域包括ケアの一員として地域に働きかけることもできます。

  • 地域資源づくりに関わる
    認知症カフェや交流サロンなど、住民主体の活動に参加・協力する。

  • 当事者の声を届ける(アドボカシー)
    「夜間の介護支援が足りない」「家族介護者が疲弊している」など、現場の声を行政や関係機関に届ける。

👉 地域に一歩踏み出すことで、施設の外にも大きな影響を与えることができます。

制度や社会に働きかけるソーシャルアクション

さらに広い視点では、制度改善や社会的な意識改革に関わることも可能です。

  • 政策提言や署名活動
    制度の隙間や改善点を、意見公募や団体活動を通じて行政に届ける。

  • 情報発信による啓発
    ブログやSNSを活用し、介護保険制度のわかりにくさや現場の課題を広く発信する。

👉 発信は「社会への問題提起」として大きな力を持ちます。

小さなアクションが大きな変化につながる

ソーシャルアクションというと大掛かりな活動をイメージしがちですが、実は日常業務の延長線上にあります。

  • 利用者アンケートを分析して地域包括に報告

  • デイサービスをわかりやすく紹介するパンフレットを作成

  • 認知症サポーター講座を学校で実施

  • ブログ記事で現場のリアルを発信

こうした“小さなアクション”が積み重なることで、地域や社会が変わっていくのです。

生活相談員ラボは「生活相談員×学び」がコンセプトのブログです

生活相談員の基礎知識はこちら

おすすめ書籍はこちら

さらに深く学ぶなら

本気で学ぶケアスタッフのための総合オンラインセミナー.『ケアラル』

社会福祉士に合格する人の講座【合格必勝Web講座】

介護の資格・転職なら

介護・福祉・医療の資格を取るなら『シカトル』

介護の転職なら『介護求人ラボ』

まとめ

生活相談員は、ご利用者やご家族の声を一番近くで聞ける立場です。
その声を施設内だけで完結させるのではなく、地域や社会に届けることでソーシャルアクションにつながります。

  • 施設内で声を集約し、課題を見える化する

  • 地域の活動や資源づくりに関わる

  • 制度や社会への働きかけを行う

小さな一歩が、大きな変化を生み出します。
あなたの取り組みも、立派なソーシャルアクションです。