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政府の「骨太の方針2026(経済財政運営と改革組織の基本方針)」が閣議決定され、社会保障をめぐる議論が再び注目を集めています。

ニュースなどでは「現役世代の社会保険料の負担軽減(上昇抑制・引き下げ)」が大きく報じられていますが、介護の現場で働く立場から見ると、期待と同時にいくつかの大きな課題や懸念が浮かび上がってきます。

今回は、骨太の方針で示されたポイントを整理しつつ、制度を持続可能にし、関わるすべての人が納得できる三方よしの仕組みづくりについて考えていきます。

この記事を書いた人

takuma

生活相談員(社会福祉士・公認心理師・介護支援専門員)

デイサービスとショートステイで、利用者・家族・職員の“間”に立ちながら日々奮闘しています。
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骨太の方針で示された主なポイント

今回の閣議決定において、社会保障分野で特に話題となっているのが以下の2点です。

  • 現役世代の社会保険料負担の抑制・引き下げ 少子化対策や手取り収入の増額を目的として、現役世代が支払う保険料の上昇を止め、引き下げていく方向性が明確に打ち出されました。

  • 高齢者の自己負担の見直し(1割〜3割負担のあり方) 応能負担(所得に応じた負担)の観点から、一定以上の所得がある高齢者の医療・介護サービス利用時の自己負担割合(原則1割、所得に応じて2割・3割)を引き上げる方向で検討が進められています。

働く世代の負担を減らすという方向性自体は、多くの人にとって歓迎すべき好ましい一歩と言えます。

制度の持続可能性と「自己負担増」のインパクト

一方で、超高齢社会がピークに向かう中、医療費や介護費といった社会保障費の「自然増」は避けられません。国民の負担感が大きくなりすぎれば制度自体が持ちこたえられなくなりますが、負担を減らしすぎれば財源が不足するというジレンマに直面しています。

そこで議論されるのが「高齢者の自己負担増」ですが、ここには注意深い視点が必要です。

  • 利用者全体の割合から見ると、2割・3割負担の対象者はまだ限定的であること

  • 自己負担を引き上げたとしても、制度全体の膨大な社会保障費を根本的に解決する大きな改革(特効薬)とまでは言えないこと

もちろん、支払える能力のある方には相応の負担をしていただく視点は重要ですが、単に利用者の負担を増やすだけで問題がすべて解決するわけではありません。

置き去りにされがちな「サービス提供者(現場)」の視点

今回の議論の中で特に気がかりなのは、「サービスを利用する高齢者」と「制度を支える現役世代」という二項対立で語られがちで「サービスを提供する現場(介護・医療従事者)」の視点が不十分になりやすい点です。

現在、介護業界は深刻な人手不足と低賃金という課題を抱えています。 どれほど立派な制度や枠組みが整っていたとしても、現場で働く人材にお金(適切な報酬・給与)が分配されなければ、事業所は立ち行かなくなります。結果として、必要な人に必要なサービスを提供できないという事態に陥ってしまいます。

 

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目指すべきは「三方よし」の仕組みづくり

社会保障制度を持続可能なものにしていくためには、特定の立場だけに負担や皺寄せがいく形になってはなりません。

  • 制度を利用する高齢者(必要なサービスを安心して受けられる)

  • 制度を支える現役世代(過度な負担にならず、納得感がある)

  • サービスを提供する現場(適切な対価とやりがいを持って働き続けられる)

この「三方よし」のバランスをどう取っていくのか。 誰か一方が置き去りにならない制度設計と実効性のある打開策が、今まさに求められています。