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福祉の現場で働く皆さんは、毎日書いている経過記録やケース記録にどれくらいの時間を費やしていますか?

「毎日バタバタしていて、とりあえず申し送り用のメモ程度にしか書けていない……」 「記録の作成に追われて、本来の対人援助にかける時間が削られている……」

そんな悩みを抱えている社会福祉士や生活相談員の方は少なくありません。

実は先日、社会福祉士の研修動画を視聴していたところ、改めて「記録」の本質と技術について深く考えさせられる機会がありました。今回は、研修から得た気づきをもとに、これからの時代に求められる「一読明快な記録の書き方」と、「AI(ChatGPTやGeminiなど)を活用した最新の時短テクニック」についてお話しします。

この記事を書いた人

takuma

生活相談員(社会福祉士・公認心理師・介護支援専門員)

デイサービスとショートステイで、利用者・家族・職員の“間”に立ちながら日々奮闘しています。
現場で感じた違和感や気づきを言葉にし、「学び続ける相談員」を目指して情報発信中。

・kindle出版で『対人援助一年目の教科書』『学び続ける生活相談員』発売中。

職業情報サイトへ生活相談員に関する記事提供実績あります。その他介護情報サイトへ記事提供実績もあり。

Xでも発信しています。

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このブログ「生活相談員ラボ」では、「生活相談員×学び」をコンセプトに、現場のリアルと学びをつなぐヒントをお届けします。

 

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なぜ記録に技術が必要なのか?「開示リスク」の視点

普段、何気なく書いている経過記録ですが、わたしたちは「その記録が将来、本人や家族、あるいは外部機関に開示される可能性がある」というリスクを常に頭に入れておかなければなりません。

もし、開示されたときに以下のような書き方をしていたらどうでしょうか。

  • 利用者の不利益になるような主観的な表現

  • 感情的、あるいは敬意を欠いた不適切な言葉遣い

  • 事実とは異なる推測の記述

これらは、支援者としての信頼を失うだけでなく、自分自身や所属機関を不利益に陥れる原因にもなり得ます。事実を客観的に、正しく残すこと。これだけでも、記録には高い専門性とテクニックが必要だと分かります。

研修で学んだ理想の記録「一読明快」とは?

その研修動画の中で、講師の先生が使っていた「一読明快(いちどくめいかい)」という言葉が非常に印象的でした。

一読明快な記録とは: 1回読んだだけで、誰が読んでもその時の状況や利用者の状態がすぐに、過不足なく伝わる記録のこと。

一読明快な記録を書くためには、単に文章力があるだけでは不十分です。

  • アセスメントやインテークの内容に基づいているか

  • 日頃から相手をよく観察できているか

  • 話を過不足なく聴き取れているか

つまり、たかが記録と思われがちですが、実は「ワーカーの対人援助技術のすべて」がその1枚の記録に凝縮されているのです。

「何度も推敲して上手くなる」はもう古い?AI時代の現実的なアプローチ

研修の中では、「良い記録を書くために、何度も推敲して、悩みながら書くことで文章力を鍛えよう」という趣旨の説明もありました。

たしかに、自力で素晴らしい文章をサッと書けるようになるのがベストです。わたし自身、以前医療ソーシャルワーカーをしていた頃は、1日の終わりにすべての記録を「手書き」で必死にまとめていました。あの膨大な時間と苦労が、自分の血となり肉となった感覚は確かにあります。

ですが、現代の多忙を極める福祉現場で、記録の「文章を整えること」だけに何時間もかけて悩むのは、少し時代にそぐわないのではないでしょうか。

いまや、ChatGPTやGeminiといった文章生成AIが身近にある時代です。これからの社会福祉士は、文章の作成やフォローにAIを賢く頼っていく視点を持つべきだとわたしは考えています。

安全にAIを活用して記録業務を「時短」するテクニック

福祉現場でAIを導入する際、最も気をつけなければならないのが「個人情報の保護」です。利用者さんの氏名や、個人を特定できる具体的な情報をそのままAIに入力するのは絶対にNGです。

では、どのようにAIを活用すればいいのでしょうか?具体的なステップを紹介します。

ステップ①:事実を箇条書きでメモする

まずは、ワーカーにしかできない「観察」と「アセスメント」に基づいた事実を、個人名を出さずに箇条書きで書き出します。

  • (例)「A氏、朝のバイタル良好。日中は傾眠傾向。夕方の声かけに対し『体がだるい』と訴えあり」

ステップ②:AIに「一読明快な文章」への変換を依頼する

この箇条書きをAIに入力し、プロンプト(指示文)を添えて文章を整えてもらいます。

【プロンプトの例】 「以下の箇条書きのメモを、福祉施設の経過記録としてふさわしい、一読明快で客観的な文章に整えてください。専門用語は適切に使用してください。」

ステップ③:出力された文章を確認・修正する

AIが作成した文章に目を通し、事実と異なる部分がないか、不適切な表現がないかをワーカーの目で最終チェック(推敲)します。

このやり方であれば、個人情報を守りながら、文章を「考える・悩む」時間を大幅に短縮できます。「頭を使うべき専門的な部分(観察・評価)」は人間がやり、「文章の整形」はAIに任せる。このハイブリッドな働き方こそが、現代のスマートな記録術です。

 

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まとめ

記録の本来の目的は、書類を綺麗に完成させることではなく、「チームで情報を共有し、より良い支援へつなげること」です。

せっかく効率化できるツールがある時代なのですから、最低限の記録マナーやリテラシーを頭に入れた上で、使えるものはしっかりと活用していきましょう。記録にかける時間を短縮できれば、その分、目の前の利用者さんと向き合う時間や、自分自身の心のゆとりを生み出すことができます。

皆さんは、日々の記録業務をどのように効率化していますか?ぜひ工夫している点があれば教えてください。