AI時代に見直したい、介護現場における「生産性の限界」と「人の手の価値」
さて、今日の本題は「介護業界における生産性」についてです。
最近、介護の世界でも「生産性を上げよう」「業務を効率化しよう」という声がすごく聞かれるようになりましたよね。もちろんそれは大切なことですし、無駄を省く努力は必要です。
でも、わたしはふと思うのです。「介護の生産性には、どうしても超えられない限界があるのではないか」と。
takuma
生活相談員(社会福祉士・公認心理師・介護支援専門員)
デイサービスとショートステイで、利用者・家族・職員の“間”に立ちながら日々奮闘しています。
現場で感じた違和感や気づきを言葉にし、「学び続ける相談員」を目指して情報発信中。
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リモートもフレックスもできない、エッセンシャルワークのリアル
一般企業であれば、生産性を上げるためにリモートワークを導入したり、フレックスタイム制で自由に働く時間を変えたりすることができます。
おしゃれなカフェで、自分の好きな時にパソコンをカタカタと叩いて仕事をする……。そんな働き方に、わたしも憧れます(笑)。
しかし、わたしたち介護職が向き合っているのは、画面の向こうのデータではなく「目の前にいる利用者の方々」です。
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リモートワークが導入されたとしても、遠隔から直接的な介護をすることは現実的に不可能です。
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フレックス制にしようとしても、デイサービスのお迎えの時間や、施設の早番・遅番といったシフトを守らなければ、現場は回りません。
自分の手と体を使って、その場にいなければ成り立たない。それがエッセンシャルワーカーという仕事のリアルであり、世の中の便利な仕組みをそのまま当てはめるのが難しい理由でもあります。
10年後、AIに代替されないのは「ブルーカラー」である
では、わたしたちの仕事は効率化についていけない、時代遅れの働き方なのでしょうか?
わたしは、むしろ真逆だと思っています。 これから先の未来、本当に価値が見出されるのは、確実にわたしたちのようなエッセンシャルワーカーです。
今、世の中の多くの仕事がAI(人工知能)に代替されようとしています。デスクワークや書類作成、データ分析といった分野は、これからどんどん自動化されていくでしょう。
しかし、「直接人間が手と体を動かして、誰かをケアする仕事」だけは、そう簡単にAIに置き換えることはできません。少なくとも、これからの10年でロボットが完全に人間の介護を代替するのは、現実的に難しいはずです。
最近のアメリカでは、手を使う職人や現場仕事で大きな富を築く「ブルーカラー・ミリオネア」という言葉も注目されています。泥臭く、替えのきかない人間の仕事の価値が、世界的に見直され始めているのです。
国の制度というジレンマ、だからこそ「一周して」見直される価値
ただ、介護業界には特有の難しさもあります。 それは、介護保険制度という「公定価格(国が決めた料金)」で成り立っているビジネスだという点です。
どれだけ需要が高まっても、自分たちで勝手にサービスの価格を上げることはできません。そのため、市場の原理だけで急成長していく産業かと言われると、そこにはどうしても限界があります。
生産性を上げる努力は必要ですが、制度の壁と業務の性質上、どうしても頭打ちになる。
だからこそ、わたしは今、「もう一周回って、人の手の価値を国や社会が見直さなければいけない時期」に来ているのだと強く感じています。限界があるからこそ、その中で働く「人間」そのものの価値を、もっと国が評価し、避けて通らずに向き合っていくべきなのです。
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まとめ
効率化ばかりが叫ばれる世の中ですが、最後に残るのは、誰かの心に寄り添い、直接その手で支えることができる人の温もりです。
自分の手を使って仕事をする。 その価値に、もっと誇りを持っていいはずです。
ちょっと雑談めいたお話になってしまいましたが、皆さんはどう感じますでしょうか?
今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。それでは、また次回の更新でお会いしましょう!
