ケアマネジャーは国家資格なのか?厚労省の明言に現場が抱く違和感
先日、介護業界では見過ごせないニュースが話題になりました。
5月22日の衆議院厚生労働委員会において、「ケアマネジャー(介護支援専門員)は法律に規定された国家資格である」という旨の国会答弁があった、というものです。
厚生労働省としては「一貫して国家資格とお答えしている」とのことで、今後はその法的な位置づけを広く知ってもらう取り組みを進めていく方針だといいます。
このニュースを見たとき、みなさんはどう感じられたでしょうか。 正直なところ、わたしも含めて現場で働く多くの専門職の認識は「え、ケアマネって国家資格だったの?」というものではないかと思います。
今回は、この「ケアマネ=国家資格」という方針に対する違和感と、現場の人間として本当にいま議論してほしい本質的な課題について、わたしの考えをお話ししたいと思います。
takuma
生活相談員(社会福祉士・公認心理師・介護支援専門員)
デイサービスとショートステイで、利用者・家族・職員の“間”に立ちながら日々奮闘しています。
現場で感じた違和感や気づきを言葉にし、「学び続ける相談員」を目指して情報発信中。
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なぜ「国家資格」と言われてもピンとこないのか?
そもそも、なぜ現場のケアマネジャーや周囲の福祉職が「国家資格ではない」と認識していたのか。それには明確な理由があります。
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窓口や試験の実施主体が「都道府県」であること
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社会福祉士や介護福祉士のように、国(厚生労働大臣)から登録証や資格者証が交付されるわけではないこと
介護保険法という「国の法律」に位置づけられているから国家資格だ、というのが国側のロジックのようですが、これまでの運用の実態からすれば、専門職自身が「都道府県の資格」と捉えるのはごく自然なことです。
広く知ってもらう以前に、当事者である専門職自身がそう思っていないというのが、いまのリアルな現状です。
「だからなんなんだ」——現場が抱く、いまさら感
国が改めて「国家資格である」と明言し、周知活動をしていくこと自体は悪いことではないのかもしれません。資格の社会的信用が高まるきっかけになる可能性もあります。
しかし、現場で日々算定や書類、調整に追われている人間からすれば、思わずこう感じてしまうのも無理はありません。
「で、国家資格だと何が変わるの?」と。
資格の名称や法的な位置づけがどうであれ、現場で働く人たちが一番興味があるのはそこではありません。本当に重要なのは、もっと現実的で切実な、次のような部分です。
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日々高負荷になっていく業務内容の重さ
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それに見合っているとは言い難い待遇(給与面など)
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数年ごとに多大な費用と時間をかけて受けなければならない「更新研修」の負担
これらの一歩踏み込んだ本質的な課題が置き去りにされたまま、「実は国家資格なんですよ」というフレーズだけをアピールされても、「なぜ今更そこスポットを当てたの?」とナンセンスに感じてしまうのです。
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いま、本当に進めてほしい議論
ケアマネジャーはいま、非常に微妙な立ち位置に立たされています。 なり手不足が深刻化し、高齢化社会が進む中でその重要性は増すばかりなのに、業務の煩雑さや更新制の負担から、資格を持っていてもあえてケアマネをやらない「潜在ケアマネ」も多く存在します。
国がもし、ケアマネジャーという存在に注目し、その地位を確固たるものにしたいと考えているのであれば、やるべきことは「国家資格としての周知」だけではないはずです。
それよりも、現役でがんばっている人たちが「長く続けたい」と思えるような処遇改善や、より本質的な業務に集中できるような環境づくりをどんどん進めてほしいと思います。
いろいろな課題を抱えている資格だからこそ、今回の話題をきっかけに、表面的な肩書きの議論ではなく、現場の待遇や制度のあり方が本当の意味で良い方向へ進んでいくことを切に願っています。
みなさんは、今回の国会答弁のニュースをどのように受け止めましたか?
