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「介護や福祉の仕事=奉仕の精神」

世間一般には、そんなクリーンで温かいイメージが根強くあります。それゆえに、「福祉の仕事でお金を儲けるなんて不謹慎だ」「介護はボランティアの延長線上にある」といった目で見られてしまうことも少なくありません。

しかし、あえて現実を言います。わたしたちは儲けないと生きていけませんし、目の前の利用者に質の高いケアを届け続けることもできません。

「福祉の仕事は本当に儲からないのか?」 今回は、「介護経営という高難易度ゲーム」の裏側と、わたしたちがプロとして向き合うべきお金のリアルについてお話しします。

この記事を書いた人

takuma

生活相談員(社会福祉士・公認心理師・介護支援専門員)

デイサービスとショートステイで、利用者・家族・職員の“間”に立ちながら日々奮闘しています。
現場で感じた違和感や気づきを言葉にし、「学び続ける相談員」を目指して情報発信中。

・kindle出版で『対人援助一年目の教科書』『学び続ける生活相談員』発売中。

職業情報サイトへ生活相談員に関する記事提供実績あります。その他介護情報サイトへ記事提供実績もあり。

Xでも発信しています。

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このブログ「生活相談員ラボ」では、「生活相談員×学び」をコンセプトに、現場のリアルと学びをつなぐヒントをお届けします。

 

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介護職は公務員ではない。「営業努力」でお金を稼ぐ現実

よく「介護報酬の財源は税金や保険料だから、公務員みたいなものでしょ?」と誤解されることがあります。しかし、公務員と民間の介護施設職員には、決定的な違いがあります。

それは、「自分たちでサービスを提供して、枠組みの中からお金を稼いでこなければ、1円もお給料は出ない」という点です。

公務員であれば、あらかじめ決められた予算から給与が支払われますが、民間であるわたしたちは違います。 まず「利用者に選ばれ、事業所に足を運んでもらうこと」が大前提です。つまり、介護施設であっても、一般企業と同じように選ばれるための「営業努力」が絶対に欠かせないのです。

自由競争ではない「介護経営」という高難易度ゲーム

では、たくさんのお客さんを集めて、一般企業のように価格を自由に決めて大儲けできるかというと、そうではありません。ここに介護ビジネスの最大の難しさがあります。

介護業界は、国が定めた「介護報酬」という厳格なルールの縛りの中で運営されています。

  • ただ利用してもらうだけでなく、お風呂(入浴介助)に入ってもらうことで報酬が上がる

  • 専門資格を持った職員を多く配置することで、事業所全体の報酬単価(加算)が上がる

このように、あらかじめ決められた複雑なスコア表の中で、いかに点数を最大化していくか。 価格を自由に決められない分、通常の自由競争よりも、ある意味で「圧倒的に難易度が高いゲーム」をプレイしているような状態なのです。

わたし自身、学生時代は「相手のためになる良い仕事だな」という純粋な印象しか持っておらず、この裏側にある経営の仕組みを全くイメージできていませんでした。現場に出て初めて、自分の勉強不足を痛感したポイントでもあります。

「純粋な気持ち」を綺麗事で終わらせないために

この業界には、「誰かの役に立ちたい」「人のためになる仕事がしたい」という、本当に優しく純粋な心の持ち主がたくさん集まります。

だからこそ、現場で「数字」や「稼ぐこと」「効率」を求められたときに、「自分がやりたかった介護は、こんなことじゃない…」と、理想と現実のギャップに心が折れてしまう人が後を絶ちません。

しかし、ビジネスの視点を持つことは、決して悪いことではありません。

「お金を稼ぐこと」は、利用者を守り、自分自身の生活を守るための“盾”である。

ボランティアではなく「プロフェッショナル」として相手の役に立ち続けるためには、事業所が健全に存続していなければなりません。利益が出るからこそ、新しい設備に投資ができ、職員の処遇が改善され、心に余裕が生まれ、結果としてさらに質の高いケアを利用者に還元できるようになります。

「お金を稼ぐ視点」を持つことは、福祉の精神に反することではなく、むしろ理想の介護を長く続けるために不可欠なスキルなのです。

 

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まとめ

「福祉の仕事は儲からない?」の答えは、「国が決めたルール(ゲーム)を正しく理解し、戦略的に動けば、健全な利益を出して職員に還元できる」です。

「人の役に立ちたい」というあなたの純粋な気持ちは、間違いなくこの仕事の宝物です。 その大切な理想を現実の社会で守り抜くために、少しだけ「介護報酬の仕組み」や「経営の視点」という武器を身につけてみませんか?

裏側のルールが分かってくると、普段の業務の見え方も変わり、より広い視野で仕事を楽しめるようになるはずです。