それ本当に必要?介護業界の「FAX文化」に潜む3つの非効率な慣習
日々、目の前の利用者さまへのケアや多忙な調整業務に追われていると、あっという間に時間が過ぎてしまいますよね。
そんな介護現場のなかで、毎月必ずやってくる大きな山場といえば「利用実績のやり取り」です。
国を挙げてデジタル化や、ケアプランデータ連携システムの導入が叫ばれている昨今ですが、皆さんの現場のリアルな現状はいかがでしょうか?
「いまだに他事業所との連絡手段はFAXが主役」
「毎月の実績時期は、FAXの送受信と確認だけで膨大な時間が消えていく……」
そんな地域や事業所は、決して少なくないはずです。
間違いを防ぐため、あるいは「丁寧な仕事」として、これまで当たり前に先輩から引き継がれてきた慣習。しかし、一歩引いて現代のビジネスの視点から見てみると、「それ、本当に必要?」と疑問に思わざるを得ないルールが数多く残っています。
今回は、わたしが日々の業務の中で感じる、介護業界のFAX文化に潜む「3つの非効率な慣習」について、現場目線で掘り下げてみたいと思います。
takuma
生活相談員(社会福祉士・公認心理師・介護支援専門員)
デイサービスとショートステイで、利用者・家族・職員の“間”に立ちながら日々奮闘しています。
現場で感じた違和感や気づきを言葉にし、「学び続ける相談員」を目指して情報発信中。
・kindle出版で『対人援助一年目の教科書』『学び続ける生活相談員』発売中。
・職業情報サイトへ生活相談員に関する記事提供実績あります。その他介護情報サイトへ記事提供実績もあり。
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介護現場のFAX「ここが変だよ」3つの慣習
間違いを予防するため、あるいは「丁寧な仕事」の一環として先輩から教わってきたそのやり方。現代のスピード感や業務効率という視点で見直してみると、実は大きなミスマッチが隠れているかもしれません。
「届いたら名前を書いて送り返して」という謎の表紙ルール
FAXが届くと、その表紙に「受領しました」と事業所名や名前を記入し、わざわざ相手に送り返す(返信FAXを送る)という慣習、ありませんか?
間違いを防ぎたい気持ちは分かります。しかし、メールやチャットツールで「届いたら返信してください」なんて毎回やらないですよね。FAXだけにいまだに残るこのシステムは、送る側にも受け取る側にも「紙と通信費の無駄」「手間の無駄」を生み出していると言わざるを得ません。
「名前を伏せているようで丸見え」な個人情報保護の矛盾
個人情報の漏洩防止のために、FAXの表紙には「〇〇様の件」と名前を伏字(あるいはイニシャル)にして送ってくるケースがあります。
そこまで徹底しているのかと思いきや、いざ2枚目の「フェイスシート」や「退院時連携シート」を開いてみると、本人の氏名も住所も大々的にしっかり書かれている……。「それなら表紙を伏せる意味はあったのだろうか?」と、思わずツッコミを入れたくなるような矛盾が起きています。
そもそも、誤送信のリスク自体は伏字にしても変わりません。手段そのもののセキュリティを見直す時期に来ているのではないでしょうか。
「FAX送りました」の事前・事後電話
わたしが業界に入ったばかりの新人の頃、先輩から「FAXを送ったら、相手に届いたか電話で確認するんだよ」と教わりました。
当時はそれが「丁寧で確実な仕事」のシンボルだったのかもしれません。しかし、1分1秒を争う忙しい現場において、FAXを送るたびに電話をかけ、相手の手を止めてしまうのは、本当に丁寧な仕事と言えるでしょうか?現代のビジネスの感覚からすると、どうしても非効率に感じてしまいます。
「丁寧さ」という名の免罪符を見直す時期
これらの慣習の根底にあるのは、おそらく「これまでのやり方を変えるのが怖い」「丁寧にしておけば文句を言われない」という心理です。
しかし、深刻な人手不足が続く介護業界において、わたしたちが本当に時間を注ぐべきなのは「FAXの確認電話」や「返信FAXの記入」ではないはずです。もっと利用者さまと向き合う時間や、ケアの質を高める時間に充てるべきですよね。
これから少しずつ業界全体の仕組みは変わっていくはずです。まずは、自分たちの足元にある「これって本当に意味ある?」という小さな疑問に気づくことから、業務効率化は始まります。
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まとめ
今回は、わたしが普段から感じている介護現場のFAX事情についてお話ししました。
地域性や、長く続く事業所ならではのローカルルールもあるかもしれません。 「うちの地域ではこんな変わったルールがあるよ!」「うちはこうやって脱・FAXを進めたよ!」といった経験があれば、ぜひブログのコメントやSNSで教えていただけると嬉しいです。
悪気はないけれど、なぜか残っている謎の慣習。みんなで少しずつ「おかしなこと」に声を上げて、より働きやすい現場を作っていきたいですね。
