※当サイトではアフィリエイト広告を使用しています

ショートステイ(短期入所生活介護)の生活相談員やケアマネジャーの皆さんが、現場で一度は頭を悩ませるのが「利用者の体調不良時における、ご家族との受診をめぐるトラブル」ではないでしょうか。

「転倒して腰を痛がっているのに、ショートで預かってほしいと言われた」

「利用中に発熱や食事摂取不良があるのに、連絡しても『今は迎えに行けない、受診は無理』と拒否されてしまった」

施設入所とは異なり、あくまで「在宅サービス」であるショートステイでは、医療受診の主体はご家族にあります。だからこそ、ここでの温度差は大きなトラブルに発展しがちです。

今回は、なぜこうした受診拒否やミスマッチが起きるのか、そしてトラブルを未未然に防ぐために生活相談員が実践すべき「事前説明のコツ」を具体的に解説します。

この記事を書いた人

takuma

生活相談員(社会福祉士・公認心理師・介護支援専門員)

デイサービスとショートステイで、利用者・家族・職員の“間”に立ちながら日々奮闘しています。
現場で感じた違和感や気づきを言葉にし、「学び続ける相談員」を目指して情報発信中。

・kindle出版で『対人援助一年目の教科書』『学び続ける生活相談員』発売中。

職業情報サイトへ生活相談員に関する記事提供実績あります。その他介護情報サイトへ記事提供実績もあり。

Xでも発信しています。

詳しい自己紹介はこちら

takuma
takuma
このブログ「生活相談員ラボ」では、「生活相談員×学び」をコンセプトに、現場のリアルと学びをつなぐヒントをお届けします。

 

Check it out!

書籍第2弾!『学び続ける生活相談員』が Kindleにて発売中です!


学び続ける生活相談員: キャリアを腐らせない福祉職の思考習慣

380円。ちょうど「カフェのコーヒー1杯分」のお値段です。その1杯を、あなたの10年後のキャリアを守る知識に変えませんか?

Kindle Unlimited会員なら、今すぐ「0円」で読み放題。

なぜショートステイで「受診拒否」が起きるのか?

そもそも、なぜご家族と施設側の間にこれほどの温度差が生まれてしまうのでしょうか。理由は大きく分けて3つあります。

家族側の「レスパイト(息抜き)」目的

仕事の都合や、日頃の介護負担からの解放(リフレッシュ)を目的に利用しているため、「今さら言われても動けない」という切羽詰まった事情があります。

「施設に行けば何とかしてくれる」という誤解

ショートステイを「病院の代わり」や「医療機関」のように捉えており、看護師が常駐していれば大丈夫だろうと思い込んでいるケースです。

重要事項説明が「過去の記憶」になっている

契約時に説明は受けていても、何部もある書類の中の一文であり、いざトラブルが起きるまで自分ごととして捉えられていないケースがほとんどです。

施設側は決して意地悪で受診を促しているわけではなく、「本人の安全と命を守るため」に連絡をしています。この目的の共有がズレていることが、最大の原因です。

トラブルを防ぐ!生活相談員がやっておくべき「事前説明」3つのコツ

体調不良が起きてからご家族と交渉しようとしても、お互いに感情的になりやすく、解決は困難です。「問題が起きる前の事前の話し合い(インテーク・契約・担当者会議)」で、どれだけ具体的なルールを共有できているかが勝負を分けます。

「利用前」の受診ルールを徹底する

明らかな異変(転倒、強い痛み、事前の発熱など)がある場合は、「ショートステイに来る前に、まず病院を受診してもらう」ことを徹底します。

万が一骨折していれば、施設でのケア方法(移乗や介助の手順)を変更しなければなりませんし、場合によっては入院加労が必要になるからです。

💡 伝える時のコツ 「医師の『通常通り生活して大丈夫』という診断があって初めて、私どもも安心してお預かりすることができます」と、受け入れのための条件であることを明確に伝えます。

「利用中」の体調不良・食事拒否の対応ラインを決めておく

発熱時の対応はもちろんですが、見落としがちなのが「食事が摂れない(食事摂取不良)」への対応です。

高齢者の食事拒否は、急激な衰弱や隠れた疾患のサインであるケースが多いため、あらかじめ「受診をお願いする目安」を数値や期間で共有しておきます。

💡 伝える時のコツ 「食事内容の工夫や声かけは全力で行いますが、万が一1日〜2日全く召し上がれない状態が続いた場合は、医療的な視点が必要になるため、一度受診(またはお迎え)をお願いすることになります」と具体的に伝えておきます。

「レスパイト」と「安全管理」の境界線を共有する

ご家族の「休みたい」という気持ちに寄り添い、共感することは大前提です。しかし、施設が責任を持てる安全の限界線は崩してはなりません。

💡 伝える時のコツ 「ご家族に無理を言いたいわけではなく、〇〇様の命の安全を最優先に考えた上でのご連絡になります。お互いに協力して〇〇様を守るチームとして、緊急時のご対応をお願いいたします」というスタンスを示します。

 

生活相談員ラボは「生活相談員×学び」がコンセプトのブログです

生活相談員の基礎知識はこちら

おすすめ書籍はこちら

さらに深く学ぶなら

【ストアカ】まなびのマーケット

聴く読書『Amazon Audible(オーディブル)』

介護の資格・転職なら

LECの通信講座

大原学園専門学校 介護福祉系

介護の転職なら『介護求人ラボ』

まとめ

どれだけ丁寧に事前説明をしても、人は時間が経てば忘れてしまうものです。

だからこそ、トラブルになりそうなリスクがある方に対しては、「担当者会議のたびに確認する」「利用直前の確認連絡の際にも一言添える」など、その都度、繰り返し伝え続ける粘り強さが必要です。

「起きてから揉める」のを防ぐために、「起きる前に約束を交わしておく」。

この事前の丁寧なすり合わせこそが、利用者本人を守り、ご家族の信頼を勝ち取り、そして現場で働く介護スタッフを迷わせないための、生活相談員の大切な役割です。

今日も現場のリアルな課題は尽きませんが、丁寧なコミュニケーションで乗り切っていきましょう!