「毎月言っているのに、期限を守ってくれない」
「結局、こちらが催促してようやく動いてくれる」
職場にいる「何度も言わせる人」への対応に、心身ともに疲れ果てていませんか?
善意で声をかけ続けているのに、状況が一向に改善しないとき、実はあなたのその「優しさ」が問題を長期化させているかもしれません。
今回は、不毛な催促ループから抜け出し、自分自身のストレスを守るための考え方をお伝えします。
takuma
生活相談員(社会福祉士・公認心理師・介護支援専門員)
デイサービスとショートステイで、利用者・家族・職員の“間”に立ちながら日々奮闘しています。
現場で感じた違和感や気づきを言葉にし、「学び続ける相談員」を目指して情報発信中。
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なぜ「何度も言わせる」状況が生まれるのか?
大人の社会において、決められたルールを守るのは自己責任のはずです。それなのに、なぜ「言われないとやらない人」が減らないのでしょうか。そこには2つの心理的背景があります。
「言われるまでがセット」という甘え
何度も声をかけてもらえる環境では、本人の意識の中に「忘れていても誰かが教えてくれる」「最悪、誰かがフォローしてくれる」という甘えが生じます。これは一種の幼児退行のような状態で、周囲の親切が本人の自立を妨げているケースです。
本人に「実害」がない(ノーダメージ)
期限を過ぎても、最終的に誰かが帳尻を合わせてくれる状況では、本人にとって「出さないことによる不利益」が発生しません。人間は、痛み(ペナルティ)がない環境では、行動を改善する動機を持ちにくい生き物なのです。
善意のフォローが「依存」を育てる
「本人が困ったらかわいそう」「仕事が滞ると困る」という思いから出す助け舟。対人援助の世界では、こうした過剰な手助けが相手の成長を奪うことを「イネイブリング」と呼びます。
良かれと思って続けている催促は、実は相手を「無責任な大人」のままに固定してしまっている可能性があります。あなたのストレスが限界に達しているなら、それは「関わり方を変えるタイミング」のサインです。
不毛な催促ループを断ち切る3つのステップ
では、具体的にどう対応を変えていけばよいのでしょうか。
① 催促の回数を制限する(あるいはゼロにする)
「〇日までは声をかけるが、それ以降は一切言わない」とあらかじめ伝え、実行します。冷たく感じるかもしれませんが、相手に「自分のタスクは自分で管理するものだ」という当たり前の境界線を引く作業です。
② 「失敗する経験」を本人に返す
あえて助け舟を出さず、期限を過ぎたことによる不利益(上司からの指導や評価への影響など)を、本人がダイレクトに受けるようにします。失敗して初めて「次は気をつけよう」という当事者意識が芽生えます。
③ 組織としてのルール(ペナルティ)を可視化する
個人の感情で怒るのではなく、「期限を守れない場合は、しかるべきステップで対応する」という仕組みを組織として整えるよう提案します。属人的なフォローを廃止し、システムで解決する方向へシフトしましょう。
「突き放す」ことは「信じる」こと
「見放したようで罪悪感がある」と感じるかもしれません。しかし、大人の対人関係において、相手を対等なパートナーとして扱うということは、「相手に自分の責任を負わせる」ということでもあります。
突き放すことは冷たさではなく、「あなたなら自分でできるはずだ」という信頼の裏返しなのです。
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おわりに
他人の行動をコントロールすることはできませんが、自分の関わり方は今すぐ変えられます。
「何度も言わせる人」のためにあなたの貴重なエネルギーを使い果たすのは、もう終わりにしましょう。あなたが本来集中すべき仕事や、自分自身をケアする時間を大切にするために、今日から少しずつ「助け舟」を置いてみませんか?

