生活相談員日誌(雑記)

なぜ「依存先が多い人」ほど自立しているのか?専門家が教える意外な真実

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「自立した大人になりなさい」

「人に迷惑をかけず、自分の力で生きていきなさい」

わたしたちは子どもの頃から、そんな言葉を耳にして育ってきました。その影響か、多くの人が「自立=誰の助けも借りず、ひとりで何でもこなせること」だと思い込んでいます。

しかし、その「自立」を目指そうとすればするほど、わたしたちは孤独になり、心はポキッと折れやすくなってしまいます。

「もし今の仕事がなくなったら?」 「もし病気になって、動けなくなったら?」

ひとりで立つことにこだわりすぎると、支えを失った瞬間に人生が立ち行かなくなる恐怖と隣り合わせになってしまうからです。

実は、わたしがある本を通じて出会った「自立」の定義は、これとは真逆のものでした。それは、「自立とは、依存先を増やすことである」という驚きの考え方です。

今日は、この「心を軽くする自立の新しいカタチ」について、じっくりとお話ししていきたいと思います。

この記事を書いた人

takuma

生活相談員(社会福祉士・公認心理師・介護支援専門員)

デイサービスとショートステイで、利用者・家族・職員の“間”に立ちながら日々奮闘しています。
現場で感じた違和感や気づきを言葉にし、「学び続ける相談員」を目指して情報発信中。

・kindle出版で『対人援助一年目の教科書』『学び続ける生活相談員』発売中。

職業情報サイトへ生活相談員に関する記事提供実績あります。その他介護情報サイトへ記事提供実績もあり。

Xでも発信しています。

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赤ちゃんと大人の違いは「糸の本数」にある

想像してみてください。わたしたちの人生を支える「糸」があるとしたら、赤ちゃんの状態はどうでしょうか。

生まれたばかりの赤ちゃんは、お父さんやお母さんがいなければ生きていけません。この時の「依存先」は、親というわずか数本の糸だけです。

もしこの糸が何らかの理由で切れてしまったら、赤ちゃんは命を繋ぐことができません。つまり、依存先が極端に少ない状態というのは、非常に危うく、不自由な状態なのです。

では、わたしたちが成長していくプロセスはどうでしょうか。

  • 幼少期: 幼稚園や保育園に行き、先生や友達という「糸」が増えます。

  • 学生時代: 地域のコミュニティ、部活動、アルバイト先……さらに「糸」が増えていきます。

  • 社会人: 会社、同僚、趣味の仲間、パートナー。

こうして成長するにつれて、わたしたちは無意識のうちに「頼れる先」を増やしています。

大人になって「自立している」と言われる状態は、決して親から離れて1人になった状態を指すのではありません。親以外にも、頼れる場所や相談できる相手をたくさん持っている状態を指すのです。

「依存先」が多いほど、人は自由になれる

「依存」という言葉には、どこかネガティブな響きがあるかもしれません。「誰かに寄りかかって、自分では何もしない」というイメージを抱く方もいるでしょう。

しかし、ここで言う依存とは「リスクの分散」です。

たとえば、あなたが1つの会社だけに完全に依存して生きているとしましょう。もしその会社が倒産したり、人間関係が悪化して居場所がなくなったりしたら、あなたの人生は一気に暗礁に乗り上げてしまいます。

ですが、もしあなたに他にも「糸」があったらどうでしょうか?

  • 副業や別のスキルという経済的な糸

  • 会社の外にいる親友という精神的な糸

  • いざという時に相談できる専門家という知識の糸

1本の糸が切れても、他の多くの糸があなたを支えてくれます。だからこそ、あなたは失敗を恐れずに挑戦でき、1つの場所に縛られずに済むのです。

つまり、「依存先を増やすこと」は、特定の何かに縛られないための「自由への鍵」なのです。

福祉制度は、あなたを支える「公共の糸」

この考え方をさらに広げると、介護保険や障害者福祉などの社会保障制度の見方も変わってきます。

よく「国や自治体の制度に頼るのは、自立できていない証拠だ」と自分を責めてしまう方がいます。「できる限り自分の力で、家族の力で頑張らなければ」と抱え込んでしまうのです。

しかし、福祉の本来の役割は、その人の「自立を支援すること」です。 ここで言う自立支援とは、「ひとりで頑張らせること」ではありません。「制度という新しい糸をその人の人生に付け足すこと」なのです。

たとえば、高齢になって体が不自由になった時、介護保険という「糸」を増やすことで、家族以外の人との繋がりができ、生活の範囲が広がります。それによって、その人は「誰かの手を借りながらも、自分らしい生活を送る」という自立を維持できるのです。

「制度に頼る」ことは、決して後ろめたいことではありません。むしろ、人生という長い道のりにおいて、切れそうになった糸を補強し、新しい依存先を確保するための、極めて賢い「自立へのステップ」なのです。

今日から「頼り上手」になろう

もし今、あなたが「自分は一人前にならなきゃ」「誰にも頼っちゃいけない」と苦しんでいるなら、少しだけ視点を変えてみてください。

「自立」とは、ひとりで立つことではなく、「転んでも大丈夫なように、たくさんのクッション(依存先)を用意しておくこと」です。

  • しんどいときに「助けて」と言える友人を作る。

  • 困った時に相談できる窓口や制度を調べておく。

  • 自分を肯定してくれるコミュニティを複数持つ。

そうやって、あなたの周りに「糸」を増やしていってください。

糸が多ければ多いほど、あなたの人生はしなやかになり、少々の風が吹いても倒れない強さが手に入ります。

 

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終わりに

「自立」という言葉の重荷を下ろしてみませんか?

誰かに頼ることは、恥ずかしいことでも、未熟なことでもありません。むしろ、自分の弱さを認め、適切に周囲と繋がれることこそが、真の意味での「成熟した大人の自立」なのです。

あなたの人生を支える糸は、何本ありますか? もし足りないと感じるなら、今日から一本ずつ、新しい糸を探しに行きましょう。

その一歩が、あなたを本当の意味で自由にしてくれるはずです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。