介護・福祉情報

【介護報酬の限界】デイサービスが「儲からない」本当の理由と経営の闇

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今日は、普段なかなか語られることのない「介護経営の切実な裏側」についてお話ししようと思います。

最近、スーパーに行っても、近所のラーメン屋さんに行っても、「あ、また値上げしてるな」と感じること、多くありませんか? 原材料が上がり、光熱費が上がり、人件費が上がる。だから商品の値段を上げる。これはビジネスの世界では「当たり前」のサイクルです。

しかし、わたしたちの生活を支える「介護サービス」の世界では、この当たり前が通用しません。 今、介護現場がどれほど深刻な状況に置かれているのか、その「構造的な問題」を紐解いていきます。

この記事を書いた人

takuma

生活相談員(社会福祉士・公認心理師・介護支援専門員)

デイサービスとショートステイで、利用者・家族・職員の“間”に立ちながら日々奮闘しています。
現場で感じた違和感や気づきを言葉にし、「学び続ける相談員」を目指して情報発信中。

・kindle出版で『対人援助一年目の教科書』『学び続ける生活相談員』発売中。

職業情報サイトへ生活相談員に関する記事提供実績あります。その他介護情報サイトへ記事提供実績もあり。

Xでの発信もしています。

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「客単価」を自分たちで決められないという悲劇

ビジネスで利益を出す方程式は至ってシンプルです。

利益 = 客数 × 客単価 - コスト

客数が増えるか、客単価が上がれば儲かります。

たとえばラーメン屋さんなら、物価高に合わせて1,000円のラーメンを1,200円に改定できます。これは「経営判断」として自由に行えることです。

しかし、デイサービスなどの介護事業所には、その自由がありません なぜなら、提供するサービスの価格(介護報酬)は、国によって一律に決められているからです。

ですから、ガソリン代が高騰しても、電気代・水道代が跳ね上がっても、最低賃金が引き上げられても、事業所の判断で「明日から利用料を50円上げます」と言うことは法律上できないのです。

「銭湯より安い」お風呂介助の異常な現実

ここでひとつ、皆さんに知っていただきたい驚きの数字があります。

皆さんは、デイサービスでお風呂に入る際、いくらかかっているかご存知ですか?

自己負担1割の方の場合、なんとたったの40円(400円相当)ほどです。

街の銭湯(公衆浴場)の入浴料が今や500円前後、スーパー銭湯なら1,000円を超えることも珍しくありません。

  • 一般的な銭湯: 500円(設備利用のみ)

  • デイサービスのお風呂: 400円(専門スタッフが介助し、安全を確保して、着替えまで手伝う)

「人の手厚いサポート」がついている介護現場の方が、ただお湯に浸かるだけの銭湯より安い。

この価格設定、皆さんはどう感じますか?

「社会保障だから安くて当然」という理屈では、もはや現場の努力だけでは支えきれないレベルに達しています。

「やめられない」という使命感に甘える構造

どれだけ赤字になっても、介護事業所は簡単にはシャッターを下ろせません。 そこには、ひとりではお風呂に入れない方、在宅介護を必死に支えているご家族がいるからです。

もし事業所がなくなれば、困るのは利用者様本人。 事業者は「自分が踏ん張らなければ」と、赤字を背負いながら、自らの身を削ってサービスを続けています。

いわば、現場の「善意」と「使命感」に国が甘えている状態と言っても過言ではありません。

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まとめ

今のまま「低価格・固定価格」の縛りが続けば、倒産する事業所はさらに増え、最終的には誰も介護サービスを受けられない時代がやってきます。

もちろん、利用者の負担が増えることは慎重に議論すべきですが、「質の高いサービスには相応の対価が必要」という、至極真っ当な議論を避けて通ることはできません。

介護の現場が「泣き寝入り」するのではなく、適正な対価を受け取り、スタッフに還元し、持続可能なサービスを提供できる社会。 そんな当たり前の未来について、わたしたちはもっと真剣に考えていく必要があるのではないでしょうか。