「介護や福祉はボランティアのようなもの」と思っていませんか?
実は2000年の介護保険法成立以来、介護は「措置から契約」へと変わり、激しい競争があるビジネスとしての側面が強くなりました。
今回は、現役職員だからこそ感じる「介護現場の営業のリアル」と、利用者なら知っておきたい「お金の仕組み(自己負担・実費)」について詳しく解説します。
takuma
生活相談員(社会福祉士・公認心理師・介護支援専門員)
デイサービスとショートステイで、利用者・家族・職員の“間”に立ちながら日々奮闘しています。
現場で感じた違和感や気づきを言葉にし、「学び続ける相談員」を目指して情報発信中。
・kindle出版で『対人援助一年目の教科書』『学び続ける生活相談員』発売中。
・職業情報サイトへ生活相談員に関する記事提供実績あります。その他介護情報サイトへ記事提供実績もあり。
・Xでの発信もしています。
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「施し」から「自分で選ぶ」時代へ
かつて介護は「措置(そち)」と呼ばれ、行政がサービスを決定し、いわば「施されるもの」という側面が強い時代がありました。
しかし、2000年に介護保険法が施行されてからは「措置から契約へ」と大きく舵を切りました。利用者が自らの意思で事業所を選び、契約を結んでサービスを受ける「主体的な形」に変わったのです。
介護現場も「選ばれなければ生き残れない」
「契約」である以上、そこには当然「競合」が生まれます。
「他のデイサービスではなく、うちのデイサービスに来てほしい」
そう願うのは、単なるプライドではなく、経営を維持するために不可欠な視点です。
• ケアマネジャーへの営業活動
• 自社の強み(売り)のアピール
介護職として入職した当初は驚くかもしれませんが、実はスタッフ一人ひとりが「セールスマン」のような意識を持って、自分の事業所を売っていかなければ、事業所は潰れてしまいます。営業努力なくして、質の高いサービスを継続することはできないのが現実なのです。
知っておきたい「介護保険とお金」の仕組み
利用者の方とお話ししていると、「保険料を払っているんだから、介護はタダで受けられるんでしょ?」と思われているケースが少なくありません。しかし、実際には自己負担が発生します。
基本は「1割負担」
基本は「1割負担」です。たとえば、デイサービスを1日利用して、総額で10,000円の費用がかかったとしましょう。この場合、窓口で支払うのは1割の1,000円です。残りの9,000円は、わたしたちが納めている介護保険料などから、保険者(市区町村)によって賄われる仕組みになっています。
具体的な費用負担の例(10,000円/日の場合)
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利用者自己負担(1割): 1,000円
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保険給付額(9割): 9,000円
注意ポイント 一定以上の所得がある方の場合は、所得に応じて2割負担、または3割負担へと段階的に変わります。ご自身の負担割合は、自治体から届く「介護保険負担割合証」で確認できます。
保険がきかない「実費」に注意
ここが重要なポイントですが、「介護保険料ですべてを賄えるわけではない」ということです。
| 項目 | 介護保険の対象 | 負担のイメージ |
|---|---|---|
| 介護サービス費 | ◯ 対象 | 所得に応じ1〜3割負担 |
| 食費 | × 対象外 | 全額実費(自己負担) |
| おむつ代・日用品 | × 対象外 | 全額実費(自己負担) |
昔は食費が含まれていた時期もありましたが、現在は「食事代」や「おむつ代」などは介護保険料とは別に、実費として請求する仕組みになっています。
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まとめ
介護は単なる奉仕ではなく、契約に基づくビジネスです。だからこそ、わたしたち現場の人間は「選んでいただくための努力」を惜しみません。
同時に、利用する側も「何に保険が効いて、何に実費がかかるのか」という仕組みを知っておくことで、より納得感のあるサービス選択ができるようになります。
「お金の話」をタブー視せず、しっかり向き合うことが、より良い介護への第一歩かもしれませんね。


