介護施設で働いていると、生活相談員はよくこんなふうに言われます。
「相談員って、なんでもやる人だよね」
最初は冗談のように聞こえますが、実際に現場で働いてみると、この言葉こそが仕事の本質を突いていると感じます。
「生活相談員って、実際は何をしているの?」という疑問に対し、今日はその知られざる「リアル」をお伝えします。
takuma
生活相談員(社会福祉士・公認心理師・介護支援専門員)
デイサービスとショートステイで、利用者・家族・職員の“間”に立ちながら日々奮闘しています。
現場で感じた違和感や気づきを言葉にし、「学び続ける相談員」を目指して情報発信中。
・kindle出版で『対人援助一年目の教科書』『学び続ける生活相談員』発売中。
・職業情報サイトへ生活相談員に関する記事提供実績あります。その他介護情報サイトへ記事提供実績もあり。
・Xでの発信もしています。
詳しい自己紹介はこちら。
本来の役割は、関わるすべての人を「つなぐこと」
生活相談員の中心業務は、一言で言えば「調整役」です。
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ご利用者・ご家族との契約や相談
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ケアマネジャーとの密な連携
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施設内スタッフへの情報共有
いわば「施設の顔」として、サービスが始まる前から始まった後まで、あらゆる方向へアンテナを張るポジションです。
しかし、現場のリアルは「つなぐ仕事」だけでは終わりません。
現場で直面する「なんでも屋」としての日常
わたしの職場では、相談業務の枠を超えて、以下のようなことにも対応しています。
1. 送迎と身体介助
デイサービスの朝夕の送迎、乗降介助も行います。実は送迎は、利用者さんやご家族と最初に顔を合わせる貴重な接点。信頼関係を築くための大切な時間でもあります。
2. 施設の「修理屋さん」
ある日、玄関の自動ドアが突然ストップ。「どれどれ……」と確認すると、レールに小さな石が挟まっているのを発見。サッと取り除いて復旧完了です。 もし大きな故障なら、見積もりを取り、修理の段取りを組むところまでがわたしの役目です。
3. 備品のトラブル対応
「トイレが流れない」「エアコンが効かない」「洗濯機が止まった」……。 こうした「ちょっと困った」は、なぜか全部相談員のもとに集まってきます(笑)。自分で直せるものは直し、無理なら専門業者へつなぐ。施設を止めないための「保守担当」のような側面もあります。
4. 忘れ物・荷物のフットワーク
特にショートステイで多いのが、薬の返し忘れや、衣類の入れ替わり。そんな時は、ご自宅まで届けたり、取りに伺ったりと、フットワーク軽く動きます。
5. イレギュラーへの飛び込み
急な体調不良による病院受診や、救急搬送への付き添い。看護師が動けない時は、相談員がパッと救急車に乗り込むことも少なくありません。
生活相談員は、究極の「ジェネラリスト」である
介護職はケアの専門家。看護師は医療の専門家。 では、生活相談員は?
わたしは、「幅広く動けるジェネラリスト」という表現が一番しっくりきます。
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誰がやるか決まっていない仕事
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職種の“すき間”に落ちてしまう業務
そこにあえて入り込み、施設全体が円滑に回るように調整する。決して派手ではありません。むしろ泥臭い仕事ばかりです。
ですが、この「隙間を埋める動き」がなければ、施設という大きな組織はスムーズに動きません。
目的は「施設を円滑に動かすこと」
生活相談員の仕事の目的は、単に相談に乗ることではなく、「施設を円滑に動かすこと」そのものだとわたしは考えています。
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人と人をつなぐ
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問題の芽を早めに拾う
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職種のすき間を埋める
この積み重ねが、結果としてご利用者やご家族の安心につながっていくのです。
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大変だけど、代わりのきかないやりがい
正直、気苦労はあります。「また相談員がやってるよ」と苦笑いされることもあります。
それでも、「ありがとう、助かったよ」 「相談員さんがいてくれて安心した」
この一言をいただけた時、「あぁ、この泥臭い調整が役に立ったんだな」と、やっていてよかったと思えるのです。
生活相談員は、目立たないけれど、止まるとみんなが困る「施設の潤滑油」。 そんな“なんでも屋”としてのプライドを持ってやっていきたいものです。


