福祉・介護の現場にもICT化の波が押し寄せ、わたしたち社会福祉士の業務にも大きな変化が生まれています。特に2020年の社会福祉士倫理綱領改定では、「情報処理技術を適切に使用しなければならない」という文言が明確に示され、専門職としての新たな責務が提示されました。
わたしが社会福祉士になった頃には、こうした視点はそれほど意識されていませんでした。しかし今では、介護保険制度におけるLIFEなどオンラインで個人情報を扱う仕組みが広く導入されるなど、ICTと向き合わずに仕事をすることはほぼ不可能になっています。
takuma
生活相談員(社会福祉士・公認心理師・介護支援専門員)
デイサービスとショートステイで、利用者・家族・職員の“間”に立ちながら日々奮闘しています。
現場で感じた違和感や気づきを言葉にし、「学び続ける相談員」を目指して情報発信中。
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ICTが「専門外」だった時代はもう終わった
現在、介護施設でLIFEへのデータ提出は当然のように求められています。また、わたしの所属施設では専用アプリを導入し、利用者や家族とコミュニケーションを取る場面が増えてきました。もはやICTは「専門外」ではなく、日常業務の一部になっています。
専用アプリの導入に伴い、実際の現場では、アプリのインストール方法やスマートフォンの基本操作について利用者や家族に説明することがよくあります。
スマートフォンに触れたことのない高齢者、通知が理解できず不安を抱える家族。
その一つひとつに丁寧に向き合うのも、業務における大切な役割です。
ICTの説明は単に「手順の解説」ではなく、その人に合わせたコミュニケーションであるという点で、従来の相談援助と本質的に変わりません。
デジタル時代こそ、より強く問われる説明責任
LIFEの事前説明では、情報の取り扱いや利用目的など、できる限りわかりやすく伝えるよう心がけています。
説明が不十分だと、「勝手に情報を使われるのでは?」という誤解や拒否感につながりかねません。
倫理綱領が求める説明責任は、デジタル分野においてこそより重要だと感じています。
リテラシー不足は権利侵害につながる可能性もある
情報処理技術の理解が不足していると、説明が曖昧になる、情報管理が不適切になるといった問題が生じます。
これらはすべて、クライエントの権利を侵害するリスクにつながりかねません。
「ICTが苦手」という理由では済まされない。
これは、ICT時代の社会福祉士として強く意識しておく必要があります。
これからの社会福祉士に求められること
介護業界では今後、ケアプランデータ連携システムをはじめ、ICTの導入がさらに進むことが予想されます。
その中で社会福祉士に求められるのは、デジタル技術を安全かつ適切に扱い、クライエントの権利を守ること。
そして、新しい知識を学び続ける姿勢と自身の実践を振り返り改善する態度が、これまで以上に重要になっていきます。
ICTはあくまで「手段」であり、目的はクライエントの生活の質を高めること。
その視点を忘れずに、これからも倫理綱領に基づいた実践を積み重ねていきたいものですね。
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まとめ
ICT化が進む今、社会福祉士に求められるのは「技術者になること」ではありません。
技術を理解し、倫理的に安全に扱い、クライエントの生活を守る専門職であること。
その責務を果たせるよう、わたし自身これからも学び続けていきたいと思います。


