キャリアと自己研鑽

記録で損しないために!MSW1年目で学んだ「正しく伝える」書き方の基本

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こんにちは、takumaです。
わたしは現在、介護施設で生活相談員として働いていますが、以前は医療ソーシャルワーカー(MSW)として病院に勤務していました。

MSW1年目の頃、業務の中で最も戸惑ったもののひとつが「記録の書き方」です。
何を、どこまで、どう書くべきか。書きすぎてもよくない、でも書かなさすぎても後で困る。そんなジレンマの中で、先輩に教わった「記録の基本」が、今でもわたしのベースになっています。

今回は、そのときに教わったポイントをもとに、「記録で損しないために大切なこと」をお伝えしたいと思います。新人のMSWや記録の書き方で悩んでいる方に、少しでも参考になれば幸いです。

 

この記事を書いた人

takuma

生活相談員(社会福祉士・公認心理師・介護支援専門員)

Xにほぼ毎日投稿しています。

職業情報サイトへ生活相談員に関する記事提供実績あります。その他介護情報サイトへ記事提供実績もあり。

・kindle出版で『 対人援助一年目の教科書: 現役のプロが書いた実践で役立つスキルと心構え』発売しています。

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「生活相談員ラボ」では、「生活相談員×学び」をコンセプトに、介護・福祉に関する情報発信をしています。

 

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ポイントポイントで書く

面接内容をすべて記録に書き起こす必要はありません。
重要なのは「要点を押さえて、読み手に必要な情報が伝わるか」です。

面談の流れを全部書こうとすると、記録が長くなり、読みづらくなるだけでなく、何が本質だったのかがぼやけてしまいます。
そのため、

  • 何が問題だったのか
  • そのときどんな支援をしたのか
  • 今後どう対応していくか

といった「ポイント」を押さえて簡潔に書くことが大切です。

誰が見てもわかるように書く

記録は「自分のメモ」ではありません。チームで情報共有するためのものです。

そのため、主語・述語が曖昧だったり、略語を多用したり、読み手に依存するような書き方をすると、後から他の職員が読んだときに内容が伝わらない可能性があります。

たとえば
✕「PTと話した」→ 誰が?何のために?どんな内容?
○「利用者の退院後の生活動作について、理学療法士〇〇と情報共有した」

というように、「誰が・何を・なぜ・どうしたか」を明確にしておくと、記録としての信頼性が高まります。

自分の不利にならないように書く

記録は、万が一トラブルが発生したとき、自分の言動を証明する“証拠”にもなります。
そのため、「言った/言わない」「やった/やってない」という問題が起きたときに、自分の正当性を主張できるよう、記録には注意が必要です。

  • 曖昧な表現を避ける(例:「たぶん」「〜のように感じた」など)
  • 事実と意見を分けて記載する
  • 提案や説明をした場合は、相手の反応や同意の有無も記録する

といった点を意識しましょう。自分を守るための記録でもあるのです。

まとめすぎてもいけない

記録を簡潔にしようとするあまり、内容を詰め込みすぎてしまうことがあります。
しかし、まとめすぎた記録は「自分が後から読んでも何をしたか思い出せない」という落とし穴があります。

たとえば、
✕「介護保険の説明を行った」→ どんな説明?どんな反応?今後の動きは?
○「介護保険の申請手続きと利用可能なサービス内容について説明。本人・家族ともに理解を示し、申請書提出に前向きな姿勢を確認」

といったように、必要最低限の“状況”や“反応”まで記録しておくことで、後から見返したときに支援の経過が追いやすくなります。

ニュアンスを変えてはいけない

簡潔にまとめることと、「事実をねじまげること」はまったく別物です。

とくに、利用者の発言や反応など、微妙なニュアンスが関係する内容は注意が必要です。
まとめる際に“都合の良い形”に変えてしまうと、後々の支援方針にずれが生じる可能性があります。

  • 発言は「〜と発言あり」など、本人の言葉として記録
  • 解釈ではなく“事実”をもとに記載
  • 迷ったときは、少し丁寧に書き残す

記録の目的は「支援の質を上げること」であると心得ておきましょう。

定型の説明は一文でOK

たとえば「介護保険制度の概要」や「サービス利用の流れ」など、決まった内容を説明する場面では、細かく一から書き起こす必要はありません。

先輩に教わったのは、
「介護保険申請・サービス内容について説明した」
というように、“説明した事実”だけを端的に書くということ。

もちろん、相手が理解できなかった・混乱していたといった場合には、その反応まで補足する必要がありますが、毎回同じ内容を長々と書く必要はありません。

 

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おわりに

記録は単なる「業務の後処理」ではなく、支援のプロセスそのもの。
書き方ひとつで、自分自身も、チームも、そして利用者・患者さんにとっても大きな違いが生まれます。

MSW1年目で何もできなかったわたしに、先輩が丁寧に教えてくれた記録の基本は、今の仕事でも変わらず役立っています。

「何を、どこまで書けばいいのか分からない」
そんなときは、今回ご紹介したポイントを思い出してみてください。
記録で損をしないためにも、「正しく伝える」意識を大切にしていきましょう。