生活相談員研究室

相談援助とは?具体的内容と専門性について解説

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介護保険制度において、相談援助を行うのが生活相談員の役割です。

介護保険制度における生活相談員の役割

では、相談援助とは具体的にどのようなことを指すのでしょう?

相談援助とは、相手の相談に乗り適切な援助を行うことを言います。適切な相談援助を行うためには、専門的な知識や技術が必要です。

この記事では、相談援助の具体的な内容についてと、相談援助に必要となる専門性について詳しく解説します。

生活相談員の役割のひとつである相談援助について詳しく知りたい方は、ぜひこの記事をチェックしてみてください。

この記事を書いた人

takuma@takuma3104

生活相談員(社会福祉士・公認心理師・介護支援専門員)。

デイサービスとショートステイの「生活相談員」という仕事を10年以上続けています。

このサイト「生活相談員ラボ」では、「現役の強みを生かした、現場感覚のある情報発信」をコンセプトに、生活相談員をはじめたばかりの人やこれから生活相談員になる人の役に立つ記事を書いています。

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相談援助の具体的内容

相談援助とは、具体的にどのようなことを行うのでしょう?まずは、相談援助の内容について具体的に例を挙げて解説していきます。

 

Aさんは、80歳の女性です。

Aさんは、介護を受けたいと思っていますが、どうしたら介護を受けられるかわかりません。そのため、必要な介護を受けられずに困っています。

Aさんのように困っている人の話を聴き、何をどうしたらいいのか一緒に考え、解決へとつなげるのが相談援助の仕事です。ですから、相談援助者はまずAさんの話を聴いて、問題点が何なのかを明らかにする必要があります。

相手の話を聴く

相談援助者は、まずAさんの話をしっかり聴き、思いを汲み取ります。

話を聴いて、Aさんが何に困っていて、どうしたいと思っているのかを把握しましょう。

相談者の話を聴くことは、簡単そうで実は簡単ではありません。なぜなら、自身の悩みについて相談者自身もしっかりわかってないことが多く、話もまとまってないことが多いからです。

相談者の漠然とした悩みを、相談援助者は聴くことによって整理していきます。イメージとしては、絡まった糸をほどいていくような感覚に近いです。

相手の話をよく聴いて、漠然とした悩みを問題点として明らかにすることが、相談援助の第一歩です。

問題解決の方法を探る

相談者の問題が明らかになったら、問題を解決するための方法を探っていきましょう。

たとえばAさんの場合、問題解決方法のひとつに、「介護保険を申請して介護サービスを利用できるようにする」ということが考えられます。

ただし、問題の解決方法はひとつとは限りません。

他にも、たとえば「夫に家事を手伝ってもらう」ということや、「食事の宅配サービスを利用する」ということなどが考えられるでしょう。

Aさんの置かれている状況や背景によって、問題解決の方法はさまざまです。ですから、その人に合った解決方法を探る必要があります。

問題解決に向けての援助をする

問題解決の方法が決まったら、その方法を実行するために必要な援助を行いましょう。

相談援助は、相談に乗ったらおしまいではありません。

相談の結果として問題の解決方法が決まったら、実際にその方法を実施して問題を解決に向けるのも、相談援助の仕事です。

先ほどのケースの場合なら、「介護保険を申請して介護サービスを利用できるようにする」ための具体的な援助として、介護保険の申請方法やケアマネジャーの選び方などを説明します。

問題解決に向けて具体的なアクションを起こすところまでが、相談援助の守備範囲と言えるでしょう。

 

では次に、相談援助の専門性について解説します。

相談援助の専門性

相談援助は、ただ相手の話を聞けばいいというわけではありません。しっかりとした相談援助を行うためには、専門性が必要です。専門性があることによって、援助者自身の経験だけに頼らない援助が行え、相談者の力になることができます。

相談援助に必要な専門性は、主に以下の3つです。

・コミュニケーション技術

・アセスメント力

・社会保障制度の知識

ひとつひとつ解説していきます。

コミュニケーション技術

相談援助に必要な専門性の1つめは、コミュニケーション技術です。

相談援助には、相談者とのコミュニケーションをとるための技術が必要になります。相談者が自分の気持ちを話しやすくなるように、援助者には適切な表現方法や話を聴く力などが求められるでしょう。

コミュニケーション技術には、一般的なコミュニケーションの他に、面接技術やカウンセリング技術なども含まれます。

相談者の問題解決をサポートするために用いられるこれらのコミュニケーション技術は、相談援助に必要な専門性のひとつです。

アセスメント力

相談援助に必要な専門性の2つめは、アセスメント力です。

相談援助には、的確にアセスメントをする力が必要になります。

アセスメントとは、相談援助の過程において、相談者の問題やニーズを明確にするためのプロセスのことです。相談者の問題とその原因、必要な援助内容を把握することを目的としています。

アセスメントを行うためには、まず情報収集が必要です。相談者の援助に必要な情報を集めたら、問題を分析して問題解決の方向性を定めます。

相談者の問題を把握して必要な援助を行うためには、アセスメントが欠かせません。

アセスメント力が身につくと、適切な援助を行うために必要な情報収集と分析をスムーズに行うことができるでしょう。

社会保障制度の知識

相談援助に必要な専門性の3つめは、社会保障制度の知識です。

相談援助には、さまざまな社会保障制度の知識が必要になります。生活相談員であれば、介護保険制度や医療制度の知識が必須となるでしょう。

アセスメントによって問題解決の方向性を定めたら、実際に相談者をサービスへつなげる必要があります。このとき、社会保障制度の知識がなければ、相談者をどこへどうつなげればよいのかわかりません。

また、制度は変化します。ですから、援助者は制度の変化にも目を向けていかなければなりません。

社会保障制度の知識を身につけることによって、相談者に適切なサービスを提供することができるでしょう。

まとめ

相談援助について解説しました。

相談援助とは、専門的な知識と技術をもって相手の相談を受け、解決のために適切な援助を行うことを言います。相談援助の技術は、生活相談員の業務の基本となる重要なものです。

相談援助について理解し、生活相談員として必要な相談援助の技術を身につけていきましょう。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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