生活相談員は、介護保険制度の導入と同時に誕生した職種です。
この介護保険制度において、生活相談員はどのような役割を担っているのでしょう?この記事では、介護保険制度における生活相談員の役割を解説します。
生活相談員の役割は、介護保険制度に明記されていません。しかしながら、介護保険法令を読み解いていくと、生活相談員の役割は「相談業務」であることがわかります。
生活相談員の役割について詳しく知りたい方は、ぜひこの記事をチェックしてみてください。
takuma(@takuma3104 )
生活相談員(社会福祉士・公認心理師・介護支援専門員)。
デイサービスとショートステイの「生活相談員」という仕事を10年以上続けています。
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生活相談員の役割とは?
介護保険制度において、生活相談員の役割は明確に定められていません。
しかし、介護保険法令に記載されている文言を読み解くことで、生活相談員に求められる役割が理解できます。
生活相談員の役割を読み解くことができる法令は、以下の2つです。
「特別養護老人ホームの設備及び運営に関する基準について」
「特別養護老人ホームの設備及び運営に関する基準」
名前が似ていますが、それぞれ別の法令です。
この2つの法令から、生活相談員の役割を読み解いていきます。
利用者の生活向上のための相談、援助
サービス利用者の生活の向上を図るために、適切な相談、援助などを行うことが、生活相談員の役割のひとつです。
「特別養護老人ホームの設備及び運営に関する基準について」(https://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/hoken/seido/0604/dl/27c.pdf)には、以下の記載があります。
生活相談員にあっては、入所者の生活の向上を図るため適切な相談、援助等を行う能力を有すると認められる者をいう。
(特別養護老人ホームの設備及び運営に関する基準について 第一 一般的事項 4 職員の資格要件(1))
この文言から、生活相談員は入所者(サービス利用者)の生活の向上を図るため適切な相談、援助などを行う役割があると読み解くことができます。
生活相談員は相談、援助などを行い、その目的は入所者(サービス利用者)の生活の向上であるということです。
利用者や家族に対する相談、助言その他の援助
利用者やその家族に対し相談に応じ、必要な助言やその他の援助を行うことが、生活相談員の役割のひとつです。
「特別養護老人ホームの設備及び運営に関する基準」(https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=411M50000100046)には、以下の記載があります。
特別養護老人ホームは、常に入所者の心身の状況、その置かれている環境等の的確な把握に努め、入所者又はその家族に対し、その相談に適切に応じるとともに、必要な助言その他の援助を行わなければならない。
(特別養護老人ホームの設備及び運営に関する基準(相談及び援助)第18条)
相談に応じて必要な助言等の援助を行うのは、先ほどの「特別養護老人ホームの設備及び運営に関する基準について」に記載されていた、生活相談員の役割と同じです。
このことから、相談に応じ、必要な助言や援助を行うことが生活相談員の役割であると言えるでしょう。
さらに、この「特別養護老人ホームの設備及び運営に関する基準」には、「入所者又はその家族に対し、その相談に適切に応じる」と記載されています。
この文言により、生活相談員が行う相談援助の対象者は、入所者(サービス利用者)とその家族であると読み解くことができるでしょう。
生活相談員の役割とは?
以上のことを踏まえて、介護保険制度における生活相談員の役割をまとめると、次のようになります。
「介護サービス利用者の生活の向上を目的として、利用者やその家族からの相談に応じ、必要な助言や援助を行うこと」
これが、介護保険制度における生活相談員の役割です。
さらに簡単にまとめると、生活相談員の役割は「相談援助」であると言えます。
つまり、「介護保険制度における生活相談員の役割は、相談援助である」と言うことができるでしょう。
まとめ
介護保険制度における生活相談員の役割について解説しました。
生活相談員は介護保険制度において、相談援助を行う役割を担っています。相談援助の目的は、介護サービス利用者の生活の向上です。生活相談員は、介護サービス利用者やその家族に対して相談援助を行います。
最後までお読みいただきありがとうございました。