これから介護職員初任者研修を受けようとしている方に、ひとつだけ伝えたいことがあります。
決して“資格取得”を目標にしないでください
資格のために資格を取るのは無意味です。
「はぁ?何言ってるの?」
と思った方。
これからその理由を説明したいと思いますので、ぜひ読みすすめてみてください。
takuma
生活相談員(社会福祉士・介護支援専門員)。
デイサービスとショートステイの「生活相談員」という仕事を10年以上続けています。
このサイト「生活相談員ラボ」では、「現役の強みを生かした、現場感覚のある情報発信」をコンセプトに、生活相談員をはじめたばかりの人やこれから生活相談員になる人の役に立つ記事を書いています。
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大切なのは“資格の取得”ではありません
ここでわたしが言いたいのは、大切なのは資格の取得ではなく、資格取得のために学んだ時間であるということです。
たしかに、介護業界において「資格を持っている」ことは重要です。
資格の有無によって手当がついたり、資格を持っていることが入社条件になっている介護施設も多いです。
介護業界は、ただ資格を持っているだけで評価されることが多いんです。
しかし、現場で本当に大切なものは資格ではなく、身につけたスキルです。
いくら資格を持っていても、中身が伴っていなければ意味がありません。
資格の取得を通して学び、それによって自身のスキル(=価値)を高めていくことが、資格を取得する本来の目的であるはずです。
ですから、資格の取得よりも資格取得のために学ぶ時間にこそ価値があるのです。
資格さえ持っていればいいというわけではありません。
資格の取得に固執するあまり、資格を取ることそれ自体が目的とならないように注意したいものです。
介護職員初任者研修とは?
介護職員初任者研修とは?
ここで、介護職員初任者研修について少し説明しておきたいと思います。
介護職員初任者研修とは、厚生労働省が定めた介護の資格です(国家資格ではありません)。
介護職員初任者研修は、介護に携わる者が、業務を遂行する上で最低限の知識・技術とそれを実践する際の考え方のプロセスを身につけ、基本的な介護業務を行うことができるようにすることを目的として行われるものである。
(厚生労働省 介護員養成研修の取扱細則についてより引用)
要するに、介護の仕事をする人がまず基本を学ぶために取る資格です。
初任者研修をとったあとに実務者研修、そして将来は介護福祉士を目指すというのが、定番のキャリアアップルートです。
初任者研修の合格率、取得にかかる時間、費用は?
介護職員初任者研修は、お金と時間をかければほとんどすべての人が取得できる資格です。
受講者のほぼ100%が初任者研修の資格を取得できている、といわれています。
初任者研修にかかる時間は130時間です。
研修を受ける学校や受講方法によって違いはありますが、だいたい1~4ヶ月で取得することができます。
初任者研修にかかる費用は、2万~13万円といったところです。
地域によって、研修を受ける学校や受講方法によって大きく違ってきます。
どうせだったら安いところを受講したいもの。
わたしの職場の新人職員は、研修を受けることができる学校を何校か比較し、費用の一番安い講座を選んで受講している人が多いです。
初任者研修を受ける学校を選ぶときに役立つのが、『シカトル』です。
シカトルのサイトでは、自分の住む地域で初任者研修を受講できる学校の資料を無料で一括請求できるので、簡単に比較ができておすすめです。
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初任者研修の資格自体の価値は高くない
正直言って、介護職員初任者研修という資格自体の価値は高くありません。
前項で触れた通り、ある程度のお金と時間があれば誰でもとることのできる資格だからです。
誰でもとることができる資格であれば、その希少性は低いといえるでしょう。
希少性の低い資格であるがゆえに、「資格さえ取れればいいや」という気持ちになり、肝心の学びがおろそかになってしまわないでしょうか。
変な話勉強に身を入れなくても、受講すればそれだけでとれてしまうのですから。
しかし、これから介護の仕事をしていくうえでベースとなる学びを、この初任者研修を通して行っていくわけです。
その点でいえば、とても重要なはじめの一歩だと思います。
それに介護の仕事は、体力と同時に頭を使う仕事です。
介護の世界はとても奥が深いものです。
初任者研修をただの資格取得の機会ととらえずに、これから介護に携わるうえでの貴重な学びの時間ととらえることで、研修で多くのことを学べると思います。
資格は、学んだ結果として手元に来るものです。
せっかくあなたの貴重なお金と時間を費やすわけですから、ぜひ資格の取得だけにとらわれず、有意義な学びの機会として活用していけるとよいですね。