介護・福祉情報室

国はショートステイ長期利用のニーズから目を背けるな

※当サイトではアフィリエイト広告を使用しています

こんにちは。生活相談員のtakuma@takuma3104 です。

昨今の介護報酬改定の議論を見ていると、ショートステイの長期利用に対しての国の考えと国民のニーズにミスマッチが起きてるんじゃないかなぁって思うところがあります。

ショートステイを長期利用して何が悪いんでしょうか?

ショートステイ長期利用のニーズって少なからずあるんです。わたし自身の肌感覚ではありますが、以前よりもショートステイの長期利用が増えているという実感があります。

そんなショートステイの長期利用ではありますが、国としてはショートステイの長期利用を是正したいという意思を示しています。

↓詳しくはコチラ↓

【社保審】的外れな「ショートステイの長期利用是正」の議論気になる記事を見つけました。2020年7月20日に開催された社会保障審議会・介護給付費分科会で行われた議論の内容が書かれた記事です。 ...

しかし、その動きって本当に正しいの?って思うんです。なぜなら、長期利用が減らないのはつまり長期利用にニーズがあるってことだからです。であるのなら、長期利用を是正するのではなく、むしろどうしたら長期利用ができるかという視点で考えていったほうが、みんな幸せになるのではないでしょうか。

ショートステイを利用することで「介護者が手を休めることができ、介護負担を軽減することで可能な限り在宅で生活していけるようにする」というのが、国が推し進めているショートステイの「本来の目的」なわけです。ショートステイのこの役割を否定はしません。

ですが、本来の目的にはそぐわないものの、事実としてショートステイ長期利用のニーズはあるんです。それはなぜか?ひとつには、入所施設が飽和していて入所希望者がショートステイにまで押し寄せてきているから、ということが考えられます。施設の空きを待っている人がショートステイでもいいから長期で利用したい、と考えます。

こういった人たちは、「在宅サービス」というくくりの中の「ショートステイ」というサービスを使いたくて使っているというわけではないんです。施設に入所できるのなら入所したいんです。でもすぐに施設には入れない。その受け皿に、ショートステイが「仕方なく」なっているに過ぎません。

在宅介護が限界の人に、国が理想とするショートステイの本来の目的を当てはめたところで、サービスのミスマッチが起きてしまうだけです。だったら、最初からニーズに合ったサービスを提供すればいいじゃないって思うんです。この場合は、ショートステイではなくてもっと入所施設を拡充することが、国民のニーズと合致するのではないでしょうか。

それなのに、国は「長期利用を是正したい」なんて、バカのひとつ覚えみたいに言っちゃって。ただ介護保険を存続させたいだけのように見えてしまいます。いくら介護保険制度を存続させようとしても、ニーズがなければいずれ廃れていくのでしょうけどね。

国はやみくもに長期利用を是正するのではなくて、今国民に本当に求められているものは何なのかを考えたほうがいいんじゃない?って思います。ニーズがあるのに「使っちゃダメ」なんて、訳がわかりません。はじめからサービスありきで、そのサービスを人に当てはめるのではなくて、ニーズからサービスを作っていくべきなのではないでしょうか。

ショートステイ(短期入所生活介護)の長期利用減算とは?こんにちは。生活相談員のtakuma(@takuma3104 )です。 ここでは、ショートステイの「長期利用減算ルール」について解...