こんにちは。生活相談員のtakuma(@takuma3104 )です。
昨今の介護報酬改定の議論を見ていると、ショートステイの長期利用に対しての国の考えと国民のニーズにミスマッチが起きてるんじゃないかなぁって思うところがあります。
ショートステイを長期利用して何が悪いんでしょうか?
ショートステイ長期利用のニーズって少なからずあるんです。わたし自身の肌感覚ではありますが、以前よりもショートステイの長期利用が増えているという実感があります。
今週はショートステイの新規依頼が4件
うち3件は長期利用の依頼でした最近はショートステイ利用の長期化の流れがさらに進んでいます
長期利用者の多くは一見さん
施設入所など次の場所が見つかれば離れていく人たちですもちろんありがたいけど、毎月、毎週と来てくれる常連さんも増えるといいなぁ
— takuma@生活相談員 (@takuma3104) September 18, 2020
そんなショートステイの長期利用ではありますが、国としてはショートステイの長期利用を是正したいという意思を示しています。
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しかし、その動きって本当に正しいの?って思うんです。なぜなら、長期利用が減らないのはつまり長期利用にニーズがあるってことだからです。であるのなら、長期利用を是正するのではなく、むしろどうしたら長期利用ができるかという視点で考えていったほうが、みんな幸せになるのではないでしょうか。
ショートステイの長期利用が求められてるってことは、在宅サービスでは限界の人がいるってこと
その現実から目を背け「在宅生活を支える本来の目的に沿ってショートステイを利用しましょう」と言われても響かない
サービスありきでニーズを作り上げるのではなくニーズからサービスを考えていくべきでは— takuma@生活相談員 (@takuma3104) November 9, 2020
ショートステイを利用することで「介護者が手を休めることができ、介護負担を軽減することで可能な限り在宅で生活していけるようにする」というのが、国が推し進めているショートステイの「本来の目的」なわけです。ショートステイのこの役割を否定はしません。
ですが、本来の目的にはそぐわないものの、事実としてショートステイ長期利用のニーズはあるんです。それはなぜか?ひとつには、入所施設が飽和していて入所希望者がショートステイにまで押し寄せてきているから、ということが考えられます。施設の空きを待っている人がショートステイでもいいから長期で利用したい、と考えます。
こういった人たちは、「在宅サービス」というくくりの中の「ショートステイ」というサービスを使いたくて使っているというわけではないんです。施設に入所できるのなら入所したいんです。でもすぐに施設には入れない。その受け皿に、ショートステイが「仕方なく」なっているに過ぎません。
在宅介護が限界の人に、国が理想とするショートステイの本来の目的を当てはめたところで、サービスのミスマッチが起きてしまうだけです。だったら、最初からニーズに合ったサービスを提供すればいいじゃないって思うんです。この場合は、ショートステイではなくてもっと入所施設を拡充することが、国民のニーズと合致するのではないでしょうか。
それなのに、国は「長期利用を是正したい」なんて、バカのひとつ覚えみたいに言っちゃって。ただ介護保険を存続させたいだけのように見えてしまいます。いくら介護保険制度を存続させようとしても、ニーズがなければいずれ廃れていくのでしょうけどね。
国はやみくもに長期利用を是正するのではなくて、今国民に本当に求められているものは何なのかを考えたほうがいいんじゃない?って思います。ニーズがあるのに「使っちゃダメ」なんて、訳がわかりません。はじめからサービスありきで、そのサービスを人に当てはめるのではなくて、ニーズからサービスを作っていくべきなのではないでしょうか。