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「要介護度が思ったより軽くて、必要なサービスが使えない…」

「判定結果に納得がいかないけれど、決められた介護度は受け入れるしかないの?」

介護保険サービスを利用するうえで、避けて通れないのが「要介護認定」です。しかし、認定結果が実際の状態やご家族の負担感とずれていると感じるケースは決して少なくありません。

結論から言うと、要介護認定の判定は決して絶対的なものではありません。

この記事では、現場の視点から要介護認定の仕組みや「判定の不完全さ」をわかりやすく解き明かし、判定に納得がいかない場合に取るべき具体策を解説します。

この記事を書いた人

takuma

生活相談員(社会福祉士・公認心理師・介護支援専門員)

デイサービスとショートステイで、利用者・家族・職員の“間”に立ちながら日々奮闘しています。
現場で感じた違和感や気づきを言葉にし、「学び続ける相談員」を目指して情報発信中。

・kindle出版で『対人援助一年目の教科書』『学び続ける生活相談員』発売中。

・職業情報サイトへ生活相談員に関する記事提供実績あります。その他介護情報サイトへ記事提供実績もあり。

・Xでも発信しています。

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このブログ「生活相談員ラボ」では、「生活相談員×学び」をコンセプトに、現場のリアルと学びをつなぐヒントをお届けします。

 

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なぜズレが起きる?要介護認定の仕組みと限界

要介護認定は、一見すると厳密で公平なシステムのように思えますが、実は人の手による「調整(さじ加減)」が入る仕組みになっています。

認定は以下の2つのステップで行われます。

  1. 一次判定(コンピューター判定) 認定調査員の聞き取り結果や特記事項をもとに、全国一律のアルゴリズムで要介護度の目安を算出します。

  2. 二次判定(介護認定審査会) 医療・保健・福祉の専門家で構成される審査会が、一次判定結果と主治医意見書を照らし合わせ、最終的な要介護度を決定します。

人の身体や生活を「8区分」に分ける難しさ

制度上、人間の状態は「自立」「要支援1〜2」「要介護1〜5」の計8区分に分類されます。

しかし、一人ひとり異なる複雑な心身状態や日々の波を、たった8つの枠にきれいに当てはめること自体にどうしても限界があります。 認定調査や審査会で最終チェックを行うのは「人」であるため、地域の傾向や審査員の視点によって、判定に少なからずさじ加減やブレが生じるのが実情です。

また、認定調査の際、ご本人が緊張して「普段より動けてしまう(しっかりしてしまう)」ことも、実態と判定がズレる大きな要因のひとつです。

介護度が「1」変わるだけで生活は死活問題になる

「要介護度が1つ変わるくらい、大した違いはないのでは?」

と思われるかもしれません。しかし、在宅介護を続けているご家庭にとって、介護度の変更は暮らしの継続を左右する重大な問題です。

たとえば、「要介護5」から「要介護4」に下がった場合、以下のようなリスクが生じます。

  • 利用できるサービス量(支給限度額)が減る デイサービスやショートステイの利用回数を減らさざるを得なくなります。

  • 介護者の負担が限界に達する サービスを削った分、ご家族の介護負担が一気に増え、これまで通りの在宅生活が難しくなります。

  • 意図しない施設入所の検討 本当は自宅で過ごしたくても、介護度が下がったことでサービスが足りなくなり、施設入所を選択せざるを得ないケースもあります。

このように、制度の枠組みによって判定された数値が、ご本人やご家族の生活を大きく揺さぶってしまうことがあるのです。

要介護度に納得がいかない時の3つの対処法

認定結果は絶対的なものではなく、あくまで「現時点での制度上の判定」に過ぎません。判定に違和感がある場合は、以下の対処法を検討しましょう。

対処法①:担当ケアマネジャーに相談する

まずは担当のケアマネジャー(または地域包括支援センター)に「なぜこの介護度になったのか」「今の状態に対してサービス量が足りない」という疑問を正直に相談しましょう。ケアマネジャーは認定調査の特記事項や主治医意見書の流れを把握しているため、客観的なアドバイスをもらえます。

対処法②:区分変更申請を行う

認定結果に納得がいかない場合や、認定後に状態が変化・悪化した場合は、認定の有効期間中であってもいつでも「区分変更申請」を出すことができます。 「一度決まった介護度は変わらない」と諦める必要はありません。実態に合った介護度へ見直してもらうための正当な手続きです。

対処法③:次回調査に向けた「事前準備」を行う

区分変更申請や更新調査を行う際は、次のような工夫をして実態を正しく調査員に伝えることが大切です。

  • 日頃の困りごとや負担をメモしておく 調査当日は本人が頑張ってしまうことが多いため、家族が「夜間の対応回数」や「日中の認知症状」などを具体的に記録しておきます。

  • 「できていること」ではなく「介護の手間」を伝える 例えば「一人で歩ける」ではなく、「見守りや声かけがないと転倒して危険」といった手がかかる理由を正確に伝えるのがポイントです。

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制度に振り回されず、賢く活用しよう

要介護認定の仕組みは完璧ではなく、人の判断が入る以上、実態とズレてしまうことはどうしても起こり得ます。

大切なのは、認定結果を盲目的に受け入れるのではなく、「要介護認定は生活を支えるためのツールに過ぎない」という視点を持つことです。

  • 判定結果に疑問を感じたら、ひとりで悩まずケアマネジャーに相談する

  • 必要であれば「区分変更申請」を活用して再評価を求める

制度の仕組みを正しく理解し、賢く使いこなすことで、ご利用者とご家族の自分らしい暮らしを守っていきましょう。