主任ケアマネは管理者要件から外れるべき?制度変更の背景と現場の課題
「居宅介護支援事業所の管理者要件から主任介護支援専門員(主任ケアマネ)を外す方向で検討・見直しが進んでいる」というニュースを見かけました。
居宅介護支援の管理者要件、主任ケアマネ撤廃へ 厚労省方針|来年度報酬改定(JOINT)
過去の介護報酬改定で「居宅介護支援事業所の管理者=主任ケアマネ必須」となり、多くの事業所が確保や育成に頭を悩ませてきた経緯があります。
今回の見直しの動きは、なぜ出てきたのでしょうか? 本記事では、制度導入の背景と現場で起きている課題、そして管理要件見直しの是非について分かりやすく解説します。
takuma
生活相談員(社会福祉士・公認心理師・介護支援専門員)
デイサービスとショートステイで、利用者・家族・職員の“間”に立ちながら日々奮闘しています。
現場で感じた違和感や気づきを言葉にし、「学び続ける相談員」を目指して情報発信中。
・kindle出版で『対人援助一年目の教科書』『学び続ける生活相談員』発売中。
・職業情報サイトへ生活相談員に関する記事提供実績あります。その他介護情報サイトへ記事提供実績もあり。
・Xでも発信しています。
詳しい自己紹介はこちら。

書籍第2弾!『学び続ける生活相談員』が Kindleにて発売中です!

学び続ける生活相談員: キャリアを腐らせない福祉職の思考習慣
380円。ちょうど「カフェのコーヒー1杯分」のお値段です。その1杯を、あなたの10年後のキャリアを守る知識に変えませんか?
Kindle Unlimited会員なら、今すぐ「0円」で読み放題。
主任ケアマネの管理者要件化とは?
過去の制度改正により、居宅介護支援事業所の管理者になるためには「主任ケアマネジャー」の資格取得が義務付けられました。
国側の狙いとしては、以下のような点が挙げられていました。
- ケアマネジメントの質の向上
- 適切な指導・助言ができる体制の整備
- 地域のケアマネジャーの育成・相談対応の強化
しかし、現場では資格を取得するための研修(主任ケアマネ研修)の受講ハードルが高く、業務調整や費用面での負担が大きいという問題が発生していました。
制度導入によって現場で起きた課題・デメリット
管理者要件が厳格化されたことで、地域や事業所によってさまざまな問題が生じることとなりました。
① 管理者不足による事業所の休止・廃止
特に中小規模の事業所や地方では、主任ケアマネの資格を持つ人材の確保が非常に難しく、「管理者が見つからない」という理由で休止や廃止に追い込まれる事業所も出てきました。
② 「1人ケアマネ」事業所における制度の矛盾
ケアマネジャーが自分1人しかいない「1人ケアマネ」の事業所であっても、管理者になるために主任ケアマネの資格が求められる点には大きな違和感がありました。
1人で運営している事業所で他者を指導・育成する機会が少ないにもかかわらず、わざわざ研修を受けて上位資格を取らなければ運営できないというシステムは、現場の実態にそぐわないという声が多く上がっていました。
③ 「指導技術」と「事業所マネジメント」のミスマッチ
主任ケアマネは、主にケアマネジメント(相談援助やケアプラン作成)の質を高めるための上位資格です。
一方で、事業所の「管理者」に求められる役割は、労務管理、業務効率化、事業所の収支管理といった組織のマネジメント能力です。両者に求められるスキルセットは異なっており、「主任ケアマネだからといって事業所の管理・運営が得意とは限らない」という実態がありました。
主任ケアマネは管理者要件から外れるべきか?
結論から言えば、現場の実態に合わせ、要件を緩和・削除する方向で見直すことは極めて妥当だと考えられます。
資格要件に厳格な制限を設けることで介護資源が減少し、必要な利用者へサービスが届かなくなってしまっては本末転倒です。
- ケアマネジメントの質を高める(主任ケアマネの専門性)
- 事業所を適切に運営・管理する(管理者の役割)
これらを明確に切り分け、事業所ごとに柔軟な人員配置ができる仕組みに戻す(または要件を緩和する)ことが、事業所の安定運営とケアマネジャーの働きやすい環境づくりにつながります。
◆ 生活相談員の基礎知識はこちら
◆ おすすめ書籍はこちら![]()
◆ さらに深く学ぶなら
◆ 介護の資格・転職なら
まとめ
もし今後、管理者要件の見直しや撤廃が正式に決定されれば、事業所運営のハードルが下がり、ケアマネジャーの離職防止や人材確保にプラスの影響を与えるはずです。
ケアマネジャー不足が深刻化する今だからこそ、現場の負担を軽減し、より柔軟な事業所運営ができる制度設計への期待が高まります。今後の介護保険制度の動向や法改正のニュースには引き続き注目していきましょう。
