ケアプランデータ連携システム導入後もFAXが減らない
介護現場のペーパーレス化や業務効率化を目指して導入された「ケアプランデータ連携システム」。毎月月末・月初に行われる定期的なサービス提供票のやり取りはデータ化が進み、業務がラクになったと感じる事業所も増えています。
しかし、現場では新たな課題も浮かび上がっています。
「システムを導入したはずなのに、なぜかFAXが減らない…」
現場で頻発するこの問題。なぜFAXに戻ってしまうのか、その背景と現場でできる具体的な対策を解説します。
takuma
生活相談員(社会福祉士・公認心理師・介護支援専門員)
デイサービスとショートステイで、利用者・家族・職員の“間”に立ちながら日々奮闘しています。
現場で感じた違和感や気づきを言葉にし、「学び続ける相談員」を目指して情報発信中。
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なぜ?データ連携システムを入れてもFAXが減らない理由
データ連携システムを導入している事業所同士であっても、FAXでの送信に戻ってしまうケースには明確な理由があります。
月途中の急な追加・変更への対応
理由として多いのが、「月途中での追加利用」です。 あらかじめ予定されていた毎月の連携はシステムで行えても、急遽発生したサービス追加の提供票(変更提供票)は「取り急ぎFAXで送る」という運用になりがちです。
担当者しかシステムを使えないという属人化
居宅介護支援事業所(ケアマネジャー)側で、パソコン操作が得意な特定の職員だけがデータ連携システムを担当しているケースです。 その担当者が不在の際や緊急時には、他のケアマネジャーが「従来の慣習であるFAX」で送信してしまうため、データ化が徹底されません。
「急ぎの連絡=FAX」という心理的ハードル
「システムにデータを入れて送信しても、相手がいつ確認するか分からない」という不安から、送信完了が確実に手元でわかるFAXを選んでしまう心理も影響しています。
FAX併用が引き起こす「実績漏れ」と現場のデメリット
「届くならFAXでもデータでも同じでは?」と思われがちですが、受け手側(サービス提供事業者)の介護ソフトの仕様によっては大きな問題が生じます。
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予定データがないと「実績」がデータで返せない 居宅側から「予定の提供票データ」が届いていないと、確定した「実績データ」をシステム上から返信・出力できない仕様になっている介護ソフトが多いです。
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実績漏れ・請求エラーのリスク 紙のFAXだけでやり取りを完結させてしまうと、システム上のデータ送信が漏れてしまい、月末の請求業務でのエラーや実績漏れにつながります。
「FAX脱却」に向けた現場でできる3つの対策
この過渡期をスムーズに乗り切り、業務効率化を進めるための具体的なステップです。
① 「なぜデータが必要か」の理由を添えて依頼する
居宅側に変更提供票のデータ送信をお願いする際は、単に「データで送ってください」と伝えるのではなく、「システム上、予定データがないと実績データが出せなくなってしまうため」と理由を伝えることが大切です。相手側も必要性を理解しやすくなります。
② 「データ送信 + 電話連絡」の運用ルールを作る
「急ぎの追加・変更は、データを送った後に電話一本を入れる」というルールを共有しておくと、相手側も「急ぎの時でもデータで送って大丈夫だ」という安心感が生まれます。
③ 事業所内での操作の「標準化」を進める
特定の担当者しかシステムを操作できない状態を解消し、誰でもサクッと追加データを送信できるマニュアルづくりや体制整えを進めることが、地域全体のDXにつながります。
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まとめ
ケアプランデータ連携システムは、正しく運用されれば間違いなく双方の業務負担を大きく軽減してくれるツールです。
現在は「これまでの慣習(FAX)」と「新しいシステム(データ)」が混ざり合う過渡期ですが、お互いのシステムの仕組みや困りごとを伝え合いながら、少しずつ完全データ化を目指していきましょう。
