権限がない「名ばかり管理職」の葛藤
職場の中で「管理職」という立場にありながら、現場と上司の板挟みにあい、理不尽な思いやモヤモヤを抱えるケースは少なくありません。
わたしもその状況にあるひとりです。
今回は、人事権や決定権を持たない「名ばかり管理職」が現場で直面する葛藤や、責任と権限のギャップについて書いてみたいと思います。
takuma
生活相談員(社会福祉士・公認心理師・介護支援専門員)
デイサービスとショートステイで、利用者・家族・職員の“間”に立ちながら日々奮闘しています。
現場で感じた違和感や気づきを言葉にし、「学び続ける相談員」を目指して情報発信中。
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不機嫌な上司と、気を使う日々の報告
職場では、業務上の必要な連絡や相談を上司へ報告する場面が日々発生します。
しかし、その上司がいわゆるパワハラ気質で朝から不機嫌なことが多いタイプだと、報告ひとつ行うのにも大きな神経を使います。話しかけるタイミングに気を遣い、かといって報告を怠れば「なぜ報告がないんだ」と叱責されてしまうためです。
たとえば、スタッフから「退職したい」という重要な相談を受けた時のことです。
現場の状況を把握し、本人と面談した上で「これは上司から直接話し合ってもらう必要がある」と判断して報告に向かいました。
しかし、返ってきたのは冷たい一言でした。
「また俺? なんでお前がやらないの?」
さらには「俺関係ねーし」と言わんばかりの態度。必要最低限の報告をしているだけにもかかわらず、毎回精神的に削られるような対応をされてしまいます。
権限がないのに対応を求められる矛盾
ここで大きなズレが生じています。
肩書きこそ「管理職」となっていても、実際には人事権や査定権、雇用条件の交渉権などの権限を一切持っていないケースは多く存在します。スタッフがどのような契約条件で働いているのかの詳細すら知らされていないのが実情です。
現場での悩みを聞き取ることはできても、「引き留めるための条件提示」や「契約変更」といった交渉は、権限がない人間にはできません。権限がないにもかかわらずそこまで介入すれば、それこそ越権行為になってしまいます。
権限を握っているのは、すべて上司側です。
だからこそしかるべき立場の上司に引き継いでいるのですが、当の本人は「なぜ自分で処理しないのか」と不満を口にします。
この状況をたとえるなら、まさに「鶏に空を飛べと言っているようなもの」です。
飛ぶための翼(権限)を与えられていないのに、「なぜ飛べないんだ」「判断が間違っている」と責められても、対応のしようがありません。
「論理的」という言葉の裏にあるすれ違い
上司本人は「自分はすごく論理的に話をしている」という認識でいることも少なくありません。
「伝えた通りに動かない方が悪い」「理解できない方が悪い」という前提で話が進むため、コミュニケーションが噛み合わない原因もすべてこちら側の責任にされてしまいます。
明確な指示や権限がないまま判断を迫られ、結果に対して「そうじゃない」と後から否定される。
現場と権限を持つ上司との間で揺れ動く「名ばかり管理職」の悩みは、非常に根が深いと感じます。
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まとめ
責任だけを求められ、決定権のない立場でのやり取りが続くと、どうしても心身ともに疲弊してしまいます。
わたしと同じように中間管理職として現場を守っている方や、責任と権限のギャップに悩んでいる方は少なくないのではないでしょうか。
持っていないカードで無理に戦おうとせず、「自分にできること・できないこと」の境界線をしっかり引き、抱え込みすぎないことも自分自身を守るためには大切です。焦らずマイペースに対応していきましょう。
