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「生活相談員に、介護のスキルってどこまで必要なんだろう?」

相談員として働いている方は、一度は考えたことがあるテーマではないでしょうか。

わたしの職場では、基本的に生活相談員と介護職員の役割が分かれており、専任の相談員として介護業務に入ることは原則ありません。しかし先日、急遽ショートステイの職員が体調不良で早退したため、夕食から就寝前までの時間帯のフォローに入ることになりました。

数年ぶりとなったペースト食の食事介助。試行錯誤しながらスプーンを運ぶなかで、「生活相談員専任であっても、現場スキルを持ち続けておく価値」について改めて考えさせられたので、その気づきをシェアしたいと思います。

この記事を書いた人

takuma

生活相談員(社会福祉士・公認心理師・介護支援専門員)

デイサービスとショートステイで、利用者・家族・職員の“間”に立ちながら日々奮闘しています。
現場で感じた違和感や気づきを言葉にし、「学び続ける相談員」を目指して情報発信中。

・kindle出版で『対人援助一年目の教科書』『学び続ける生活相談員』発売中。

・職業情報サイトへ生活相談員に関する記事提供実績あります。その他介護情報サイトへ記事提供実績もあり。

・Xでも発信しています。

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このブログ「生活相談員ラボ」では、「生活相談員×学び」をコンセプトに、現場のリアルと学びをつなぐヒントをお届けします。

 

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ペースト食と認知症ケアの難しさ

今回介助に入ったご利用者は、認知症の症状が進行しており、ご自身で食事を摂ることが難しい方でした。

久しぶりの食事介助、しかも「ペースト食」です。

食事介助経験はあるものの、専門的な介護は数年ぶり。いざスプーンを手にとってみると、現場ならではの難しさに即座に直面しました。

認知症の影響もあり、「スプーン=食べ物を一口ずつ運ぶ道具」という認識自体が難しくなっているこのご利用者は、スプーンを口に差し入れると強く噛んでしまいます。そのため、どの角度でスプーンを引き抜くか、どのタイミングで口元へ運べば自然に口を開けてもらえるかなど、微妙なコツが求められました。

また、なかなか食事が進まないときには、おかずの種類を交互に変えて味に変化をつけるなど、一口ごとにさまざまな工夫を凝らす必要があります。安全に、そしておいしく召し上がっていただくために、現場の介護職が日々いかに試行錯誤と細やかな配慮を重ねているか。久しぶりの介助を通して、その大切さを身をもって再確認する時間となりました。

相談員は介助ができなくてもいいのか?

施設によっては、「相談員は相談業務に専念すべきであり、介護業務に入るべきではない」という方針をとっているところもあります。実際、若手の相談員に対しては「介助には入らせず、相談員としての専門性を磨かせる」という育成スタイルも理にかなっています。

しかし、一歩踏み込んで「自分自身のスキルの幅」という視点で考えると、現場スキルを持っていることは決してマイナスにはなりません。

普段は現場に入らなくても、いざというときに「最低限の介助(食事・排泄・入浴など)ができる状態」を維持しておくことには、次のような大きなメリットがあります。

  1. 緊急時のバックアップ力 今回のように突然の欠員が出た際、躊躇せず現場フォローに入り、現場を支えることができる。

  2. 現場スタッフとの信頼関係と理解の深まり 介助の難しさや大変さを肌感覚で知っている相談員は、現場スタッフからの信頼を得やすく、スムーズな連携につながる。

  3. アセスメントの解像度が上がる 書類や聞き取りだけの情報にとどまらず、実際の身体感覚を持っておくことで、ご利用者の状態の変化や必要なケアのリアルなイメージが湧きやすくなる。

「進んで介護業務をやりたい」というわけではなくても、「いざとなったら動ける」という準備があるかどうかで、相談員としての懐の深さや安心感は大きく変わってきます。

兼務で頑張る生活相談員へのリスペクト

世の中の介護現場では、相談員業務と介護業務を日常的に兼務されている方がたくさんいらっしゃいます。

デスクワークでの各種調整、見学対応、書類作成などをこなしながら、現場に出て直接ケアも行う——そのマルチタスクぶりは、想像以上にハードなものです。

普段、専任として相談業務に集中できている環境にあるからこそ、兼務で現場を回し続けている相談員のみなさんのパワーと現場対応力には、ただただ頭が下がる思いです。

 

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まとめ

生活相談員の主な役割は、ご利用者やご家族、他職種との「繋ぎ役」や「調整」です。

しかし、そのベースに「現場の介護スキルや現場感覚」があることは、相談員としての発言力や提案力を支える強固な土台になります。

  • 役割に縛られすぎず、できることの幅を広げておく

  • たまの現場フォローを、現場感覚を取り戻す貴重な機会と捉える

日常の業務に追われる中でも、自分のスキルの幅を意識しておくことが、結果としてより質の高い対人援助につながっていくのではないでしょうか。