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普段、お店や公共施設で自動ドアの前に立つと、自然と扉が開きますよね。ですが、介護施設やデイサービスにある自動ドアの多くは、前に立ってもすぐには開きません。

「あれ? 開かないな…」

施設に見学に来られた方や外注業者の方が、ドアの前で首をかしげている場面によく遭遇します。

実はこれ、故障でも意図的な閉じ込めでもなく、ご利用者の安全を守るための仕組みなのです。今回は、介護現場で使われている特殊な自動ドアの役割についてお伝えします。

この記事を書いた人

takuma

生活相談員(社会福祉士・公認心理師・介護支援専門員)

デイサービスとショートステイで、利用者・家族・職員の“間”に立ちながら日々奮闘しています。
現場で感じた違和感や気づきを言葉にし、「学び続ける相談員」を目指して情報発信中。

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・職業情報サイトへ生活相談員に関する記事提供実績あります。その他介護情報サイトへ記事提供実績もあり。

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なぜ介護施設の自動ドアは「勝手に開かない」のか?

介護施設の玄関にある自動ドアは、一般的なものとは異なり、高く手の届きにくい場所に押しボタンが設置されているタイプが主流です。

外から入るときはボタンを押せばスムーズに入れますが、中から外へ出るときは、目立たない場所や高い位置にあるボタンを押さなければ開かない構造になっています。

この仕組みを取り入れている最大の理由は、ご利用者がひとりで外に出てしまうことを防ぐためです。

認知症の症状がある方の中には、お体がとても元気でスムーズに歩くことができる一方で、自分が今どこにいるのかが分からなくなってしまう(見当識障害)方がいらっしゃいます。 もしひとりで外へ出てしまうと、以下のような大きなリスクが生じます。

  • 見知らぬ土地で道に迷い、帰れなくなってしまう
  • 道路の真ん中を歩いてしまい、交通事故に遭う
  • 段差につまずいて転倒し、骨折などの大きなケガにつながる

こうした危険から命を守るための予防策として、簡単には外に出られない設計が採用されています。

「閉じ込め」に見えてしまうかもしれない違和感

「自分で自由に出られないなんて、まるで閉じ込められているみたいだ…」

と違和感を覚えるかもしれません。

自分で自由に外に出られない構造に対して、違和感やモヤモヤした気持ちを抱く方がいるのも当然だと思います。

実際に、防犯や安全上の理由からやむを得ず取られている措置ではありますが、病院の病棟や施設のユニット出入口などでも同様の仕組みが多く取り入れられています。

安全確保と尊厳の保持というバランスの中で、どうリスクを減らしていくかという現場の苦肉の策でもあるのです。

ドアの仕組みだけに頼らない「現場の見守り」の大切さ

ただ、こうした「開かないドア」があるからといって、100%安心というわけではありません。仕組みを過信してしまうと、思わぬ事故につながる危険性があります。

たとえば、ご利用者が高い位置にあるボタンを押して外に出てしまったり、他のご利用者の送迎や職員の出入りのタイミングで、ドアが開いた一瞬の隙をついて外に出てしまったりするケースも実際に起こり得ます。

どれだけ設備を特殊なものに工夫したとしても、それだけで完全に防ぐことはできません。だからこそ本当に重要なのは、ドアの仕組みだけに頼り切るのではなく、職員がしっかりと目を行き届かせて見守ることなのです。

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おわりに

介護施設の「勝手に開かない自動ドア」は、一見不思議に思えるかもしれませんが、ご利用者の命と安全を守るための大切な役割を果たしています。

もし施設を訪れた際にこうしたドアを見かけたら、「施設で過ごす方々の安全を守るための工夫なんだな」と知っていただけると幸いです。