福祉用具は購入?レンタル?介護のプロが車イスの選び方を解説
福祉用具の準備を検討する際、「車イスや手すりは買ったほうがいいのか、借りたほうがいいのか」と迷う方は少なくありません。
結論から言うと、特別なこだわりがない限り「介護保険を利用したレンタル」が圧倒的におすすめです。
一見すると「買ってしまったほうが手元に残って得」と思えるかもしれません。しかし、介護の現場視点から見ると、購入には大きなデメリットが潜んでいます。なぜレンタルが合理的で損をしない選択なのか、理由を詳しく解説します。
takuma
生活相談員(社会福祉士・公認心理師・介護支援専門員)
デイサービスとショートステイで、利用者・家族・職員の“間”に立ちながら日々奮闘しています。
現場で感じた違和感や気づきを言葉にし、「学び続ける相談員」を目指して情報発信中。
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福祉用具の購入をおすすめしにくい3つの理由
1. 身体状況(ADL)の変化に対応できない
介護を必要とする方の身体状態(ADL:日常生活動作)は、時間の経過とともに変化します。 たとえば、最初は自分で操作できる「自走用車イス」を購入していても、身体機能の変化によって自走が難しくなった場合、介助者が操作しやすい「介助用車イス」へ乗り換える必要が出てきます。購入してしまうと、使わなくなった車イスの処分や保管に困り、買い直しの費用も二重にかかってしまいます。
2. メンテナンスや修理の費用がかかる
車イスや歩行器などの福祉用具は、長く使っていればタイヤの摩耗や部品の劣化が起こります。購入品の場合、修理代やメンテナンス費用はすべて自己負担となります。
3. 使わなくなったときの処分が大変
「手すりを設置してみたけれど、あまり使わなかった」「身体の状態が変わって不要になった」という場合でも、購入品は返品ができません。大きな福祉用具は粗大ごみとしての処分にも手間と費用がかかります。
介護保険レンタルを活用する4つのメリット
介護保険を利用して福祉用具をレンタルする場合、実際の利用負担額(原則1割〜3割)を大幅に抑えることができます。主なメリットは以下の4点です。
身体の変化に合わせていつでも変更可能
身体の状態が変わったら、その時のADLにぴったり合う別の機種や用具へすぐに交換できます。
不要になったら解約・返却するだけ
使わなくなったタイミングでレンタルを終了すればよいため、無駄な費用がかからず、置き場所にも困りません。
定期的なメンテナンスと無料交換
故障や不具合が起きた場合でも、事業者がメンテナンスや代替品への交換対応を行ってくれます。
費用負担を最小限に抑えられる
月々の自己負担額が抑えられるため、初期費用を大幅に削減できます。
「購入」が適しているケースとは?
福祉用具の購入をすべて否定するわけではありません。次のように、購入するメリットや必然性があるケースも存在します。
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衛生面で新品にこだわりたい場合 他人が使った中古品に抵抗があり、どうしても新品を使いたいというニーズがある場合です。
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特定メーカーやデザインの製品を長く使いたい場合 「このデザインのものがいい」「お気に入りのメーカー品をずっと使い続けたい」という明確なこだわりがあるケースです。
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入浴や排泄に関する用具をそろえる場合 ポータブルトイレや入浴用いすなどは、衛生上の理由からレンタル対象外となっています。これらは介護保険の「特定福祉用具販売」制度を利用し、指定の給付を受けながら購入することになります。
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まとめ
福祉用具を選ぶ一番の目的は、「今の身体の状態に一番合っている道具を使い、安全で快適な生活を送ること」です。
変化しやすい体の状態に柔軟に対応でき、費用面や管理面の負担も少ない「介護保険レンタル」を基本として検討するのが最も合理的です。購入を検討されている方も、まずは担当のケアマネジャーや地域包括支援センターへ相談してみることをおすすめします。
