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デイサービスの送迎中、ご利用者から「すいません、近くのお店に寄ってもらえませんか?」とお願いされたことはないでしょうか。

介護現場で働くスタッフにとっては「自宅と事業所の往復以外はできない」という送迎のルールが当たり前ですが、利用される方やご家族にとっては「車に乗せてもらえるなら、ついでに寄ってもらえたら便利」と思うのはごく自然なことです。

この記事では、デイサービスの送迎における「寄り道」のルールと、現場で求められる対応について解説します。

この記事を書いた人

takuma

生活相談員(社会福祉士・公認心理師・介護支援専門員)

デイサービスとショートステイで、利用者・家族・職員の“間”に立ちながら日々奮闘しています。
現場で感じた違和感や気づきを言葉にし、「学び続ける相談員」を目指して情報発信中。

・kindle出版で『対人援助一年目の教科書』『学び続ける生活相談員』発売中。

職業情報サイトへ生活相談員に関する記事提供実績あります。その他介護情報サイトへ記事提供実績もあり。

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デイサービスの送迎で「寄り道」はできない?

結論から言うと、介護保険を利用したデイサービスの送迎での寄り道は原則としてできません。

介護保険における通所介護の送迎は、あくまで「自宅と事業所の間を直接結ぶ移動」として認められています。そのため、以下のような個人的な用事のための寄り道は、保険外のサービスや自費対応にならない限り行うことができません。

  • スーパーやコンビニ、100円ショップでの買い物

  • 途中での銀行ATMの利用や郵便物の投函

  • 知人宅への立ち寄りなど

わたしたちスタッフはこうした制度上のルールが頭にインプットされているため「そんなことできないのに……」と驚いてしまいますが、ルールを知らない利用者様にとっては「車に乗っているのだからお願いできる」と思うのはごく自然な発想です。

「寄り道してほしい」と言われた時の適切な対応

ルール上できないからといって、闇雲に「規則ですからできません」と突っぱねてしまうと、利用者様は「冷たく断られた」と感じてしまいます。大切なのは、相手の気持ちを受け止めた上で丁寧に説明することです。

利用者の「そう思う気持ち」に共感する

まずは「お買い物に行きたいご要望があるんですね」「そう言っていただけると便利ですよね」と、一度その思いに共感します。相手の「そう思うのが自然だよね」という感覚を否定しないことが大切です。

制度上の理由を優しく説明する

その上で、「ただ、介護保険のルール上、どうしてもご自宅と施設の間しか送迎ができない決まりになっていまして……」と、制度の仕組みをやわらかい表現で伝えます。

ルールに凝り固まらない柔軟な視点を持つ

現場での経験が長くなると、わたしたちはどうしても「介護の常識」や「ルール」に縛られがちになります。

「これが当たり前」「この通りに動くべき」という凝り固まった見方をしてしまうと、利用者様やご家族の素朴な疑問や、ちょっとした困りごとに対する共感力が薄れていってしまいます。

  • 制度はもちろん理解し、遵守する。

  • しかし、一般社会の感覚や「ご利用者からどう見えているか」という視点を忘れない。

この2つを両立させることが、質の高い支援や心地よいコミュニケーションにつながるのではないでしょうか。

 

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まとめ

デイサービスの送迎中の何気ない一言は、わたしたちが普段いかに「介護業界の常識」の中に閉じこもっているかに気づかせてくれる貴重なきっかけになります。

ルールはしっかり守りつつも、相手の立場に立った「一般的な感覚」を忘れずに、柔軟で温かい視点を持ちながら日々の支援に向き合っていきたいですね。