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「報告するときは、もっと上司に気を使え」

「上司が話を聞きたくなるような雰囲気やタイミングを、部下側が整えるべきだ」

職場で上司からこのような指導を受け、「何かおかしいのでは……?」とモヤモヤした経験をしました。

最低限のマナーや配慮はもちろん大切ですが、過度に上司の顔色を伺わなければ報告できない環境には、大きな違和感が残ります。

今回は、上司から言われた「報告の仕方」についての体験談をもとに、なぜその指導に納得できないのか、部下が抱く違和感の正体と理想の報連相について考察していきます。

この記事を書いた人

takuma

生活相談員(社会福祉士・公認心理師・介護支援専門員)

デイサービスとショートステイで、利用者・家族・職員の“間”に立ちながら日々奮闘しています。
現場で感じた違和感や気づきを言葉にし、「学び続ける相談員」を目指して情報発信中。

・kindle出版で『対人援助一年目の教科書』『学び続ける生活相談員』発売中。

職業情報サイトへ生活相談員に関する記事提供実績あります。その他介護情報サイトへ記事提供実績もあり。

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上司から受けた「気を使って報告しろ」という指導

きっかけは、上司から受けた報告のタイミングや配慮に関する指導でした。

その上司は、自身がさらに上の役職者へ報告する際のエピソードを引き合いに出し、こう話しました。

  • 事前に根回しをしておき、当日も電話でアポイントを取ってから時間を作ってもらっている

  • 上司が忙しくて都合がつかないなら、空くまでじっと待つのも仕事のうちだ

そのうえで、わたしに対して次のように問いかけてきたのです。

「お前は俺に対してそこまでの気遣いができているのか?」

「ただ話しかけるだけでは人は聞いてくれない。聞いてもらえる環境や雰囲気を部下側が作るべきだ」

この話を聞いたとき、わたしは「つまり、上司の顔色を伺って機嫌の良いタイミングを見計らって報告しろということなのだろうか……」と、強い引っかかりを覚えました。

部下が抱く「3つの違和感」の正体

この指導に対してどうしても納得がいかなかった理由は、以下の3つのズレにあります。

1. 「話しやすい環境作り」は本来どちらの仕事か?

後日、この出来事を職場の同僚に話したところ、間髪入れずに「それって普通、逆ですよね?」という言葉が返ってきました。

部下が迷わずスムーズに報告できるように、話しやすい雰囲気を作ったり工夫を凝らしたりするのは、本来「上司側の役割」ではないでしょうか。

「部下側が気を使ってお膳立てしろ」というスタンスは、上司としての役割を放棄し、部下に過度な負担を強いているように映ってしまいます。

2. 「メリットがあるから話しに来る」という認識のズレ

その上司は「みんなが自分のところに報告に来るのは、自分と話すことにメリットがあるからだ」とも語っていました。

しかし、部下側の本音は大きく異なります。 上司のもとへ報告に行くのは、メリットがあるからではなく「上司と部下という関係性であり、報告しないと後で困るから」です。

得られるメリットではなく、「報告を怠ったときのマイナスを回避するため」に仕方なく行動しているのが現実です。

3. 「恐怖による緊張感」を自分の実績と勘違いしている

部下が話しかけづらそうに顔色を伺っている状態を、上司が「自分に対して配慮ができている」とポジティブに捉えてしまうのも大きな問題です。

部下が遠慮しているのは尊敬や配慮からではなく、「怒られたくない」「嫌な顔をされたくない」という恐怖や回避感情が前提にあります。

その緊張感を、あたかも自身の求心力や指導の成果であるかのように捉えられてしまうと、部下としては深い徒労感を抱いてしまいます。

上司に過度な気遣いが必要な職場が危険な理由

「上司の顔色を伺って報告する」という運用が定着してしまうと、組織全体にとっても大きなリスクが生じます。

  • 報連相が遅れ、トラブルが拡大する(「今機嫌が悪いから後で言おう」という躊躇を生む)

  • 悪い情報が上司に届かなくなる(顔色を伺うあまり、ネガティブな報告が隠蔽されやすくなる)

  • 部下の心理的負担が増え、離職につながる(常に不必要な緊張を強いられる)

気を使うこと自体は悪くありませんが、それが「報告をためらう壁」になってしまっては本末転倒です。

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まとめ

職場である以上、お互いに一定の配慮を持って接することは当然必要です。しかし、部下が上司の顔色を伺い、怯えながら報告のタイミングを探るような関係性は、決して健全とは言えません。

本来目指すべきは、以下のような循環です。

  • 上司: 部下が躊躇なく報告できる「心理的安全性の高い雰囲気」を作る

  • 部下: 業務として必要な情報(結論・状況・相談)をシンプルに伝える

トラブルを未然に防ぎ、チームとして成果を出すためにも、「部下が話しやすい環境」を整えることこそが上司の重要な仕事であるはずです。

今回の体験を通して、自分自身が誰かを指導する立場に立つときには、相手に無駄な恐怖や気遣いをさせない「真に話しやすい存在」でありたいと改めて強く感じました。