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福島県の磐越自動車道で起きた、新潟市の高校部活動バスによる事故。17歳の尊い命が失われたこのニュースを、わたしは介護現場の日常と重ねずにはいられませんでした。介護業界も抱えている課題が映し出されていると感じたからです。

この記事を書いた人

takuma

生活相談員(社会福祉士・公認心理師・介護支援専門員)

デイサービスとショートステイで、利用者・家族・職員の“間”に立ちながら日々奮闘しています。
現場で感じた違和感や気づきを言葉にし、「学び続ける相談員」を目指して情報発信中。

・kindle出版で『対人援助一年目の教科書』『学び続ける生活相談員』発売中。

職業情報サイトへ生活相談員に関する記事提供実績あります。その他介護情報サイトへ記事提供実績もあり。

Xでも発信しています。

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免許の壁と、現場の共通点

今回の事故で大きく取り沙汰されているのは、マイクロバスを運転するのに必要な免許を運転手が持っていたのかという点です。マイクロバスは通常の乗用車とは求められるスキルも資格も異なりますが、一方でデイサービスの送迎現場に目を向けると、また別の危うさが見えてきます。

わたしたちが普段運転しているハイエースやキャラバンといった大型のバンは、普通免許だけで運転が可能です。法令上は全く問題ありませんが、冷静に考えれば、プロのドライバーではない介護スタッフが不自由な体の方々を複数名乗せ、限られた時間の中で住宅街を縫うように走っているのが現実です。資格があるから安全なのではなく、制度上は素人でも運転できてしまうという構造は、今回の事故の本質的な危い部分と非常によく似ています。

二種免許を条件にできない、介護業界のジレンマ

安全性を徹底的に高めるなら、送迎もタクシーのように二種免許を必須にすべきだという意見も理屈では正しいでしょう。しかし、もし今この瞬間に国が「送迎は二種免許が必須」とルールを変えたら、全国の介護現場は即座に崩壊してしまいます。

ただでさえ深刻な人手不足の中で、二種免許保持者を確保するのは至難の業です。もし送迎ができなくなれば、デイサービスは営業を継続できず、在宅生活を支えられている多くの利用者やご家族が路頭に迷うことになります。国も、そして私たち現場も、このリスクの大きさを知っているからこそ、現状に目をつぶらざるを得ない。理想の安全を追求すれば現実のサービスが止まってしまうという、絶望的なジレンマの中に私たちは立たされています。

「学校側の責任」は、明日の「事業所の責任」

今回の事故では、バスを手配した学校側の管理責任も厳しく問われています。これは送迎を運営する介護事業所にとっても、非常に重い警告です。警察が安全管理の徹底を呼びかけている今、もし万が一、介護の現場で同様の事故が起きたとき、言い訳が通用しない時代になっています。

法令を守ることは大前提ですが、それ以上に、わたしたちが首の皮一枚のところで命を預かっているという危機感を、組織全体でどこまで共有できているかが問われています。

 

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理想と現実のパイを、どう守っていくか

今回の事故は、決して遠い世界の出来事ではありません。わたしたちが直面しているのは、限られた人手のなかで、いかにして安全を確保するかという難問です。

理想ばかりを追い求めて現実を壊してはいけませんが、現実を優先しすぎて安全を疎かにすることも許されません。改めて職員の運転スキルや体調管理を再確認し、送迎は高度なリスク業務であるという認識を強く持つこと。この首の皮一枚の現状を直視し、現場で対話を続けることからしか、本当の意味での安全管理は始まらないのではないでしょうか。

皆さんの職場では、この送迎のジレンマとどう向き合っていますか。この記事が、改めて安全について考えるきっかけになれば幸いです。